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2014年09月18日
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【十一】業を立つるものの自奉綿衣飯汁の三に在るを論ず

問(と)ふて曰(いは)く、先生(せんせい)の道(みち)は国弊(こくへい)を矯(た)め、衰廃(すゐはい)を挙(あ)げ、厚(あつ)く仁術(じんじゆつ)を施(ほどこ)し、上下(じやうげ)の永安(えいあん)を得(え)せしめるの大道(だいだう)なり。君命(くんめい)を奉(ほう)じて斯道(しだう)を行(おこな)うもの豈(あに)大業(たいげふ)にあらずをや。蓋(けだ)し大業(たいげふ)に任(にん)ずるもの、其(その)身(み)正(ただ)しければ道(みち)行(おこな)はれ、正(ただ)しからざれば行(おこな)はれざるは勿論(もちろん)なりと雖(いへど)も、亦(また)外(ほか)に何(なに)を要(えう)として可(か)ならんや。曰(いは)く、苟(いやしく)も斯道(しだう)を行(おこな)ふものは、必(かなら)ず自(みづか)ら下民(かみん)に先(さき)んじ、艱苦(かんく)を嘗(な)め、節倹(せつけん)を尽(つく)し、余財(よざい)を譲(ゆづ)り、仁愛(じんあい)を以(もつ)てするを要(えう)とす。曰(いは)く、斯(か)くの如(ごと)きのみか。曰(いは)く、自(みづか)ら民(たみ)に先(さき)んずれば、民(たみ)其(その)労(らう)を忘(わす)る。艱苦(かんく)を甘(あま)んじて節倹(せつけん)を尽(つく)くせば財(ざい)余(あま)りあり。能(よ)く譲(ゆづ)れば民(たみ)服(ふく)し、能(よ)く愛(いつ)くしめば感戴(かんたい)せざるものなし。斯(か)くの如(ごと)くんば蛮夷(ばんい)の国(くに)と雖(いへど)も治(をさま)らん。況(いはん)や衰国(すゐこく)をや。曰(いは)く、、古人(こじん)の行(おこな)ひ之(これ)れに似(に)たるものなきにあらず。然(しか)して業(げふ)を為(な)すもの、往々(わうわう)其(その)終(をはり)を遂(つひ)ぐる能(あた)はざるは、何(なん)ぞや。曰(いは)く、心(こゝろ)節倹(せつけん)にありと雖(いへど)も、自奉(じほう)の節(せつ)未(いま)だ尽(つく)さゞざるが故(ゆゑ)なり。曰(いは)く、、自奉(じほう)の節(せつ)、如何(いかに)せば可(か)ならん。曰(いは)く、夫(そ)れ人(ひと)として一日(にち)五合(がふ)の食(しよく)なければ飢え(うゑ)を免(まぬが)れず。五合(がふ)の食(しよく)あれば身(み)を養(やしな)ひ命(いのち)を保(たも)つに足(た)れり。何(なん)ぞ味(あじ)の多(おほ)きを貪(むさぼ)らん。仮令(たとへ)山海(さんかい)の珍味(ちんみ)を備(そな)ふるも、一日(にち)数升(すうしよう)を食(くら)ふ能(あた)はず。然(しか)れば珍味(ちんみ)は悉(ことごと)く奢侈(しやし)にして、生(せい)養(やう)を期(き)するものにあらず。唯(ただ)汁(しる)は飯(めし)を導(みちび)くを以(もつ)て、体(からだ)を養(やしな)ふの要物(えうぶつ)なり。衣(ころも)は寒暑(かんしよ)を凌(しの)ぐの為(ため)のみ。綿衣(めんい)にして足(た)れり。其(その)他(た)は皆(みな)奢侈(しやし)の具(ぐ)と謂(い)ふべし。故(ゆゑ)に我(わ)が身(み)に奉(ほう)ずるものは必(かなら)ず綿衣(めんい)飯汁(はんじふ)の三つを以(もつ)て限(かぎ)るべし。人身(じんしん)素(もと)より羽毛(うまう)の寒暑(かんしよ)を防(ふせ)ぐべきものなし。故(ゆゑ)に綿衣(めんい)以(もつ)て之(これ)を防(ふせ)ぎ、又(また)食(しよく)なければ飢渇(きかつ)を免(まぬが)る能(あた)わず。故(ゆゑ)に飯汁(はんじふ)以(もつ)て其(その)生(せい)を養(やしな)ひ、自(みづか)ら足(た)るを知(し)つて終身(しうしん)自奉(じほう)の度(ど)となし、余財(よざい)以(もつ)て下民(かみん)恵恤(けいじゆつ)の資本(しほん)に加(くわ)ふるときは、誰(たれ)か敢(あへ)て服(ふく)せざらんや。若(も)し衣(い)は錦繍(きんしう)を纏(まと)ひ、食(しよく)は珍味(ちんみ)を貪(むさぼ)り、其(その)業(げふ)を遂(と)げんと欲(ほつ)せば、道(みち)盛行(せいこう)の時(とき)は、害(がい)なきに似(に)たりと雖(いへど)も、変動(へんどう)の時(とき)に当(あた)れば衆人(しゆうじん)の誹謗(ひぼう)起(おこ)り、佞奸(ねいかん)其(その)業を破(やぶ)るの具(ぐ)となり、積功(せきこう)一時に崩潰(ほうくわい)す。是(こ)れ他(た)より破(やぶ)るが如(ごと)くにして、実(じつ)は自(みづか)ら破(やぶ)るなり。是故(このゆゑ)に事(こと)を成(な)すもの、浮(うか)まず沈(しずづ)まず、中庸(ちゆうよう)の行(おこな)ひを以(もつ)て要(えう)とす。夫(そ)れ水車(すゐしや)は半輪(はんりん)水(みづ)を出(い)で半輪(はんりん)は水(みづ)に入(い)る。是(これ)を以(もつ)て循環(じゆんくわん)して止(や)まず、廃(はい)せず。若(も)し全車(ぜんしや)水(みづ)を離(はな)るれば運転(うんてん)の用(やう)をなさず、全車(ぜんしや)水中(すゐちゆう)に沈(しづ)めば亦(また)然(しか)り。故(ゆゑ)に人身(じんしん)衣食(いしよく)を離(はな)るれば身(み)滅(めつ)し、衣食(いしよく)を貪(むさぼ)れば事(こと)成(な)らずして害(がい)を生(しやう)ず。飯汁(はんじふ)綿衣(めんい)の其(その)中(ちゆう)を得(う)るもの水車(すゐしや)の中(ちゆう)を得(え)て全(まつた)きが如(ごと)し。古歌(こか)に坐禅(ざぜん)する祖師(そし)の姿(すがた)は加茂川(かもがは)にころび流(なが)るゝ瓜(うり)か茄子か。是(これ)百人(ひやくにん)誹(そし)るものあれば百人(ひやくにん)之(これ)を称(しよう)するものあり、百人(ひやくにん)信(しん)ぜざれば百人(ひやくにん)信(しん)ずるあり。世(よ)と共(とも)に仏道(ぶつだう)行(おこな)はれて朽(く)ちざるや、猶(なほ)流水(りうすゐ)の瓜(うり)、半(なか)ばは浮(うか)み半(なか)ば沈(しづ)み、水(みづ)を離(はな)るゝにあらず、又(また)沈(しづ)むにあらず、大海(たいかい)に達(たつ)すが如(ごと)きを云(い)へり。君子(くんし)の業(げふ)を成(な)すや、夫(そ)れ必(かなら)ず斯(こゝ)においてす。美衣(びい)美食(びしよく)珍器(ちんき)重宝(ぢゆうほう)、平常(へいじやう)の時(とき)は、我(わ)が身(み)を助(たす)くるものに似(に)たりと雖(いへど)も、其(その)動揺(どうえう)変化(へんくわ)の時(とき)に当(あた)れば、皆(みな)悉(ことごと)く讒(ざん)者(しや)誹謗(ひぼう)の具(ぐ)にして、我(われ)を責(せめ)むるの敵(てき)となる。古(いにしへ)より事(こと)を成(な)すもの往々(わうわう)之(これ)が為(た)めに破(やぶ)る、歎(たん)ぜざるべけんや。然(しか)れば則(すなは)ち自奉(じほう)必(かなら)ず綿衣(めんい)飯汁(はんじふ)の三つに限(かぎ)り、分(ぶん)を節(せつ)して有余(いうよ)を譲(ゆづ)り、百姓(ひやくしやう)の窮苦(きゆうく)を除(のぞ)き、誠心(せいしん)以(もつ)て之(これ)を撫恤(ぶじゆつ)すれば、仮令(たとえ)如何(いか)なる変動(へんどう)逆浪(ぎゃくろう)起(おこ)ると雖(いへど)も、動(うご)かす能(あた)はず。讒奸(ざんかん)出(い)づると雖(いへど)も其(その)邪説(じやせつ)を飾(かざ)るを得(え)ず。徒誹徒謗(とひとぼう)のみにして又(また)称誉(しようよ)するもの多(おほ)し。
何(なに)を以(もつ)て破(やぶ)るを得(え)んや。如此(このごとく)にして其(その)業(げふ)を遂(と)げざるもの未(いま)だ之(これ)れ有(あ)らざるなり。





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最終更新日  2014年09月19日 01時27分32秒



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