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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
プロローグ 「報徳記」巻の二について
『報徳記』巻の二構成は次のとおりである。 1 先生墾田役夫を賞す 2 先生横田村里正円蔵を教諭す 3 物井村岸右衛門を導き善に帰せしむ 4 凶年に当り先生厚く救荒の道を行ふ 5 三邑十有余年にして全く興復す 6 物井村無頼の農夫を導き善に帰せしむ 7 先生辻門井二邑の里正を教諭す 8 川副氏采邑青木邑の衰廃を興す 9 先生青木邑の貧民を教諭す 1の「先生墾田役夫を賞す」は、内村鑑三が『代表的日本人』において取り上げ、第一集において、原文と日本語訳を示している。 2の円蔵への教諭は「借りない借金を返す」というユニークな資本金の蓄積方法である。自宅を改築するため尊徳に借金にきた横田村名主円蔵に尊徳は名主の心構えを説き、仮に借金した積りで返済金を毎月納めよ、その金で私がお前の代りに仕法を行い、村の人々を助けようと提案する。円蔵は「はい」と借りない借金を仕法役所に収め続ける。全村復興の後、尊徳は村一番の家を円蔵に造り与える。 3の「物井村岸右衛門を導き善に帰せしむ」は、岸右衛門の回心が描かれる。ここに尊徳の教えを受け、精神を変革した実例がある。私欲から報徳へ向きを変える。岸右衛門は生涯をかけて報徳を実践し続けた。これは人は善くなれる、人は生れ変れるということである。遠州報徳の始祖・安居院庄七も、鈴木藤三郎もこの回心を経験した。岸右衛門はあさましい禽獣の道から、人の道へ向きを変える。 4は、有名な初ナスの味が秋ナスの味がすることに、飢饉を予知した有名な逸話である。尊徳は、百姓に綿の代りに稗を植えさせ飢饉に備えさせる。「至誠は前知する」のである。 5は、尊徳の仕法で桜町陣屋管轄の三村が復興したことを述べる。これを受け、近隣の村や諸藩が尊徳に復興の指導を仰ぎに来る。 6は、「無頼の農夫」に恩恵を与え、感激させる話。大切なのはその人自らが向きを変えることである。そのため尊徳は叱りつけ、諄々と諭し、過分の恩恵を与えるなどする。これは尊徳が依頼に来た人の志がいかに切実かを試すものであり、あるいは教化の方法である。尊徳は、不動明王のように怒りの形相を顕しあるいは慈悲慈顔で道理を教えるのである。 7は、尊徳に相談に来た二人の名主が、尊徳の教えに従った名主は永らえ、背いた名主は滅んだ話。なぜ、先生の予言されたとおりになったのかの問いに、天地の道理で答える。 8は、青木村仕法で、本集では『報徳本教・青木村治蹟』全文を収録し、現代語訳を試みた。本集の最大の特徴の一つである。 本集を作成するに当り、○○氏に序文を頂き、○○氏に著書引用を了承頂いた。○○氏の葉書に「テキストとされている『報徳要典』収録の「報徳論」もご研究・論じて下さい。『報徳論』に感動して、『二宮尊徳の政道論提議』をと希い書いたのですが中途のままです。尊徳先生の真姿のご本です」とあった。そこで、本会では『報徳論』を森町で輪読し、『報徳論』を収録し、『二宮尊徳の政道論提議』の一部を収録した。中でも岸衛門等が○○氏の枕頭に現れて叱責する場面は圧巻である。全国の読書会で『報徳記』・『報徳論』を併せ輪読することを願う。 ○○先生の著書から許可を得て引用し、「精神変革」を第二集のテーマとして掲げた。精神変革をした鈴木藤三郎は言う。「古の道を聞いても学んでも我が行いとせずば益なし」 本会会員及び森町有志の協力に感謝します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年10月13日 09時15分14秒
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