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2014年10月22日
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稲盛和夫直伝「私が部下を叱る基準、褒める基準」

リーダーは無私の心、燃える闘魂を持て

PRESIDENT 2013年3月18日号

吉田茂人=インタビュー



集団を正しく導くためのリーダーシップには、人間が教育され、努力して得る後天的なものが非常に大切です。

先天的な資質によってリーダーに選ばれるケースは多いでしょう。しかし、選ばれたあとのリーダーは、その集団がどういう目的で、どういう方向に進むべきか、それに対する明確な目標と意義を示す必要があり、誰よりも努力をしなくてはなりません。

「あの人は強い意志を持っている」などと表現される場合の「強い意志」とは、打算を超え、よきことや正しいことを貫こうとするときに出てくるものです。リーダーにはその強い意志に裏付けられた使命感が非常に大切で、これは経営を行ううえでも絶対に欠かすことはできません。

われわれの多くがまず考えてしまうことは、自分に都合がいいか悪いか、儲かるか儲からないかなどといった利己的なことです。そういったエゴむき出しの本能をいかにコントロールしていくかが大切です。





私の郷里、鹿児島の偉人である西郷南洲(西郷隆盛)は「己れを愛するは、善からぬことの第一也」という言葉を遺しています。これは、自分自身を愛することは、一番よくないことだという意味です。

ビジネスにあてはめれば、事業がうまくいかなかったり、失敗したりするのは、自分自身を大事にしすぎるからということになります。リーダーとして立派な仕事をしようと思うなら、私心を挟まず、人間として正しいことを正しいままに行うことが大事です。事業を行うリーダーが、「自分が金儲けをしたい」「自分に都合のいいようにしたい」という考えであっては、従業員や部下から信頼され、尊敬されるはずはありません。

だからリーダーには、集団をまとめ、集団を発展させていくための自己犠牲を厭わない「無私」の心が求められます。それができる勇気を持った人でなければ、よいリーダーになることはできません。会社がちょっと軌道に乗り始めるとすぐに傲慢になってしまう経営者や、役職が上がるにつれ、威張るようなリーダーでは、社員や部下の心は離れていきます。

地位や名誉、金といった利己の欲望を抑え、集団のために謙虚な姿勢で尽くすこと。「無私」の心を持ったリーダーであれば、部下は尊敬し、こちらから叱ったり褒めたりしなくても自らの考えで動くものです。人を動かす原動力は、公平無私なリーダーの姿ですから、自分を磨き、人格を高め、尊敬されるようになれば、リーダーの指し示す目標に向かって、従業員はリーダーと一体となり、自然と努力してくれるようになります。

私が日本航空の再建を引き受けたときのことですが、従来、傲慢だといわれていた経営幹部に、リーダーのあり方について徹底的に教育しました。さらに私自身も羽田空港や成田空港の現場に出ていって、パイロットやキャビンアテンダント、整備士、空港の社員など、第一線で働く人たちに「お客様に接するときには心が見られているのだから、みなさんの接客態度によって、次にJALに乗っていただけるかどうかが決まる。だから一緒に頑張りましょう」と励ました。するとみんな、素直に受け入れてくれ、変わってくれたのです。

では、そういった後天的なリーダーシップはどのようにして身につくのでしょうか。

一つは、心の中に美しい「善なるもの」をいつも持とうと努力する人間になることです。私は、人の生きる目的は何をおいても世のため人のために尽くすことにあると自分に言い聞かせるとともに、リーダーたらんとする人にも常にこのことを話しています。辛酸を嘗める苦労をしながら美しいよい心を持った立派な人間性をつくりあげることが必要なのです。

私が小学生だったころの話です。鹿児島弁で「若かころの難儀は買うてでもせい」とよく言われたものです。両親から「掃除をせえ」「買い物に行ってくれ」と手伝いを頼まれたときに私は遊びたい盛りだったので、「若いころの苦労は売ってでもするな」と減らず口を叩いていたのですが、長ずるに及んで、学がなくても両親が口にしていた言葉は真理だ、と強く思うようになりました。

いい家庭に育って苦労する必要がない人でも、立派な人生を送ろうと思えば、お金を払ってでも苦労は買うべきだというのは至言だと思う。リーダーになろうと思う人は、苦労を買ってでも自分をつくりあげていくべきです。

「立派な人格」というのは、すばらしい哲学を備えているという意味だけではありません。「人をだまさない」「ウソをつかない」「正直でなければならない」「貪欲であってはならない」というベーシックな倫理観を堅持することでもあります。そういうことを常に自分に言い聞かせながら、それを実行しようとしている人が、次第に人格を高めていくことができるのです。






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最終更新日  2014年10月23日 01時46分30秒
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