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2014年12月14日
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(講話)後年、岸右衛門は二宮金次郎失踪事件の前に江戸において、野州(やしゅう)芳賀郡(はがぐん)中里村の出身で、江戸に医術の修業に出ていた中村元順(げんじゅん)に「なぜこのようにしばしば江戸へと出られるのか、出費も大変であろうに」と問われて次のように答えた記録があります。(「中村氏岸右衛門問答聞書」全集二三巻19ページ)
「我々も、もとより報徳の心得は無いために、次第にご知行所(桜町三村)も困窮に及び、お上にもいかんとも成されようが無く方法が尽き果て、ついに廃村にも成るところ、二宮様がご出張なされることになった。二宮様はわれわれに厚くご教諭されたけれども、八、九年の間は理解できないまま暮した。そのうちいろいろなご教化によって、ようやく今日の有難い事を心得ることができ、家業にも励むようになった。しかしながら、ご知行所の皆々が同意と申すまでには至らず、区々の考えも有ることから、私も及ばずながら心配し、たびたび江戸にも出てご領主に掛け合うこととなった。現在は家業一筋に励み、年貢は滞り無く納め、諸役は進んで勤め、ご法度を守り、家督は相続でき、隠居の身分で有ることから、人としては恩報第一の趣き、二宮様の明暮れのご教諭が心魂に徹し、有難い事につき、せめて随身だけの事は厭うことなく、江戸にも出て談合を行っている。」
東北大学の大藤修前教授は『近世の村と生活文化』で次のように述べられています。
「岸右衛門は『そこもとが借財に苦しんでいるには、財を施すことはさて置き、草の根木の皮のたぐいにて薬代を貪り、その身を富ますことしか念頭にないため、世間の人々に人徳を慕われることがなく、したがって医者の家業も不振にならざるをえないからだ』と批判した。そして、『自分もかつては、自分の利益しか考えなかったが、二宮様よりご教諭を受け、他人の生活が成り立つよう献身してこそ、自己の家業も安泰を保てる』ということを悟り、『ただただ大勢を助ける道につき自分のことは暮らし方の内を取り縮めて、冥加のために無給にて』
二宮様の手足となって働いているのだと話して聞かせた。この岸右衛門の話には、尊徳の教諭によって、農民がどのように精神変革を遂げたかがよく示されていよう。」(太字は編者)。
 『報徳記を読む第二集』の副題は、ここの「尊徳の教諭によって、農民がどのように精神変革を遂げたかがよく示されている」から、「報徳は精神変革である」と掲げました。 
内村鑑三はここ袋井市で行った講演会において、次のように話しています。
「『報徳記』は、真正の経済なるものは道徳の基礎に立たざるべからざることを、先生の事業生涯をもって説明したるものなり。身をもってこの問題の解決をなしたるものなり。先生は経済と道徳の間に橋をかけたり。先生の一生は経済道徳問題の福音なり。『報徳記』は一部の「クラシック」なり、経書なり。先生は、道徳は原因にして経済は結果なりと断じたり。至誠勤勉正直(せいちょく)にして初めて経済の成立するものなりとせり。
勤倹貯蓄のみが先生の報徳なりとなすものあらば先生を誣(し)ゆるもまたはなはだしからずや。もしかくのごとき人あらば予は先生に代わりていわん。諸君は誤れり。諸君まず善人となるべし、至誠の人となるべし。予の根本とするところは道徳なるがゆえに諸君もまずこれを心がけざるべからずと。
ゆえに先生の報徳説盛んに行わるるところには必ずまず道徳的大変化、大復興起こらざるべからず。」





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最終更新日  2014年12月14日 20時50分33秒



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