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2015年02月23日
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○七年かけて満行する千日回峰行にしても、つらいぞ、命を落とすかもしれない、それでもやるか、っていわれてやったの。頼んでやらせてもらっただけに苦しいとかいえないのよ。
  行き道は いずこの里の 土まんじゅう
 回峰行の師で亡くなった箱崎文応師が詠んでくれた句だよ。
 お師匠さんから見たら、ひ弱い、頼りない小僧に見えたんだろう。それで、このぐらいのことをいうとかないと、もたつくんじゃないかと、こんな句を詠んでくれたんかもしれないね。

〇行とは何か、ですか。具体的には歩くということだね。山を歩いて一日終わる。その間に起伏に富んだ所もあれば、平坦なところもあるし、その日その日によって四季折々だよね。雨でもあれば冷たい雨もあるし、いろいろ違うでしょ。

〇歩くということは、呼吸法だからね。息する呼吸と体の動きと気持ちが一つにないと歩けないもんな。気持ちがあせってて、いらいらしてたら歩くったってしんどいし、呼吸が乱れてるのに落ち着いて歩こうとしたって無理なんだ。
 身口意三業 相応念々歩々唱々
 仏教にはこんな言葉がある。基本的に、身(体)と口(呼吸)、意(気持ち)のバランスが崩れるとうまく歩けない。人生でも同じことがいえるわけだろ。その三つが崩れてたら、うまいこといかない。

〇そんな難しいことを抜きにしても、人間がただトコトコと歩いているうちに、山道なんかで今今まで自分が思いつかなかったことを知ったりするよなそれとか迷って踏ん切りがつかなかった時に、ちょっとしたことでああそうだ、こんなんだった、こういうふうにすればよかったとわかる時があるでしょ。結局、行というのはそれなんだ。

〇行をやりだすと、「一日が一生」と考えるようになる。今日の自分はもう今日でお終いで、明日は明日の新しい自分に生まれ変わるんだという感覚です。どうしてそういう感覚になるのか最初は分らなかったが、やっているうちにつかめてきた。
 草鞋を履いて、お寺から出て山を回って、登って、平らなところに出て、そこから下って、また登ってきて平らなところを行って、その間あちらこちらを拝みながら、最後に大変な急坂を降りてもとのお寺にたどり着く。そんな路を毎日歩く。
 草履を脱いだら今度は本堂でお勤めして、食事をして、洗濯もするというお寺の中の生活です。それは何のためかといえば、明日また歩かなければならないから、ちゃんと歩きたかったら、今日段取りをしておかないと明日になってから困るからだ。何をするにしても当日すぐにできるわけではなく、前の日とかにいろいろ段取りする必要がある。それと同じだ。動と静に分けると、実践は動で段取りは静。山を歩くというのは動の世界で、帰ってきてお勤めしたり明日の準備をするのは静の世界です。

〇山を歩いている最中も、無我の境地になって何時間もひたすら歩くわけにはいかない。人間だから波がある。それまで一所懸命で無心だったけれども、拝んでいる時にぱっと蛾が目の前に飛び込んできて、とたんに娑婆の考えにもどり、そうそう、家の戸の紙が破けているから帰ったら直さないと蛾が入ってきちゃなとか考えたりする。調子のいい時はいいけれど、疲れてくると思考力が減退して、喉のところまで出てきているお経の文句が出てこなくなる時もある。その場所その場所で、唱えるお経が決まっているのに急に何を唱えるのか分らなくなる。度忘れしちゃうんです。そんな時はすべての仏様に挨拶する文句があるのでそれでお祈りして、明日来る時ちゃんともう一度間違いのないようにしてきますからと心に念じて、たったと先に進みます。このことを肝に銘じておき、静の世界にいる時に、あそこは何だったかなと手文を見て次の日は間違いなくやる。絶対忘れずに覚えていなくちゃと念頭におけば、忘れることはない。失敗したら次は必ず修正していくことで上達できる。

〇これは言い換えると、今日一日を一所懸命やらなければ明日がないということです。だから「一日が一生」なんです。
生きているということは死への準備で、死への準備は実は明日再び生まれるための訓練です。今日失敗したら今日中に整理して次の日に間違いがないように今日一日を大切にする。それが明日に通じることになる。今日は今日の自分、明日は明日の自分と考えて、今日のいざこざは今日でお終いにして、明日はまた新しき、おはようと元気よく始めれば周囲もそれに応えるわけです。





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最終更新日  2015年02月23日 20時48分42秒



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