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平成27年４月23日現在
「二宮金次郎の対話と手紙　第一小田原編（少年、青年編）」　（2015年2月発行）
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資料）富田高慶の『報徳記』原文を読む

平成二六年一二月二一日報徳博物館の「古文書を読む会」で宇津木三郎氏が南相馬博物館所蔵の富田高慶の「報徳記」原文を資料として配付された。原文は、相馬藩主が明治天皇に献上した、現在流布されている『報徳記』と異なっている。巻の二の岸右衛門の段に相当する富田高慶著の原文を掲げる。

宇津木氏によると、次のように校正されている。

一、高慶の文は短文だが、長文に校正している。

一、校正では漢語的表記を多用し重厚にみせている。

一、校正で為政者に都合の悪い文章は削除している。

　将来、『報徳記』の原文全文の刊行が望まれる。

本誌では当用漢字、平がな表記とした。また読みやすくするため総ルビ（『報徳要典』準拠）をふった。

ぜひ声に出して富田高慶の『報徳記』原文を読んでいただきたい。声に発すると、その文章の格調の高さ、リズムが体得できる。本会では、『報徳記』を声に出し輪読した。全国の読書会で輪読されることを願う。

九　物井村岸右衛門を導き善に帰せしむ

 

物井村(ものゐむら)農夫(のうふ)岸右衛門(きしうゑもん)なるものあり。少(すこ)敷(しく)才知(さいち)あり。性(せい)吝嗇(りんしよく)にして剛気(がうき)なるものなり。