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カテゴリ:鈴木藤三郎
鈴木藤三郎は、後に日本精製糖会社に鈴木鉄工所を設置し、精製糖に必要な機械を発明・製作するに至っただけあって、米欧旅行において精製糖機械については感心することは少なかった。九月三十日はベカナン氏と四時間議論し「互いに要領を得た」とある。後に藤三郎は米欧旅行で発明家として着想を得たものとしてボイラーを挙げている。
「氏曰く『わたくしがボイラーを研究して見ようと思った動機は、 十数年前製糖事業視察の為め欧米巡遊の際、フト考えた事から 起こったのである。米国のある砂糖製造会社を参観するうち、 ボイラー室を見ると、八フイートに三十二フィートのボイラー が百二十本ずつ水平に三段に積み上げてあった。何事にも世界 一だといばる米国の最大工場だけあって、その壮大なるありさ まには、わたくしも少なからず驚いた。しかしこれを修繕その 他の事情のために一部分取りかえる場合にはどうするだろう と疑った。面積を節するために水平に三重に積んだのは知恵の 無い話である。竪に置いたならよさそそうなものだと直感した。 しかしわたくしの研究目的は外にあったのみならず、その時 までは別にボイラーについて考えた事もなかったので、そのま まにして英国へ渡りましたが、何となく片心にかかって、それ から方々でボイラー室を気をつけて見ることにした。ちょうど その頃はバブコックウィルコックスのボイラーの売出し時代 で、マンチェスターでその社の技師にも逢ってみたが、新規な ものにはとにかく手を出さないで困ると言っていました。 それから帰国の道すがらよくよく考えてみるに、自分はボイ ラー屋では無いが、乾燥屋である。乾燥の装置ではひそかに一 人前であると信じている。熱をほどよく使うという事について は決して素人(しろうと)では無い。ボイラーだって原理は単 純である。水に熱を加えて膨張せしめるについて、最も有力 に最も経済なるもの、すなわち好個のボイラーであらねばなら ぬ、帰ったら一番ボイラーを製(つく)って見ようと決意した。」 (『工業日本』九巻第六号四四頁「快人快語」より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年08月26日 01時30分09秒
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