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カテゴリ:鈴木藤三郎
此ホテルにて朝食を食し、是よりレーモンド亦メリル及びヒワンネスの二商会に行、而してチカゴシユガミル会社工場に行、社長に面会して工場の拝覧を乞ふ。社長曰く、当工場は名はシユガとあれ共、最初の計画にして、今は穀物より澱粉を製造するを以て専業とせり。且つ此の澱粉より一部分は澱粉糖を製造すると云ふ。然れ共此器械は当社の専売にして、何人も不問一切他見を禁ぜりと云。亦社長曰く。日本人は工業上、後来最も恐るべき生活及び人夫の安きこと米国の十分の一、其国にてドシドシやられてはコワイコワイと戯言せり。余輩は無拠暫時談話して製造品丈けを見て返る。是より馬車にて当府の公園を見物す。偖当府は米国中、屈指の商売繁盛の地にして、市中の雑踏はサンフランシスコの比にあらず。然れども製糖所は此府中他に一所も無之由、依之て午后五時三十分ワシントンに向いて出発す。是より以東は樹木蒼々として風景最よし。且平坦の地多くして何れも大農場なり。数多の駅を通過して、翌十八日午后四時ワシントン府に着す。同府ハミルトンハウスに投ず。翌十九日午前九時日本公使館に出頭して岡田君の添書を呈す。公使は目下旅行中不在なり。依て書記官中山嘉吉郎氏に面会す。同氏より当府の様子を委しく聞く。亦同氏の添書を以て米国農務省に行き、文書官ホーウ氏に面会す。於是製糖に関する調査書の拝閲を乞ふ。同氏より米国農務省出版の製糖試験録並にビート糖製造等数冊を附与せらる。是より国会議事堂に至り見物す。亦ワシントン紀念牌〔初代大統領ジョージ・ワシントンの功績を称え建造された記念碑〕に上りワシントン市内を一目す(高さ五百五十尺)。是よりホテルに返り、中飯して、亦専売特許局に行き、専売品の図面及び雛形を見る。是よりソルジャクホーム公園に行き、而して帰宿す。午后七時なり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年10月06日 22時37分43秒
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