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【四三九】道の確実は、農に如く無し。故に農に合する者は、大道にして、合せざる者は、小道なり。仏道能く合す。是れ大道にして隆盛を致す所以なり。農の業為るや、屎尿及び諸廃物を聚て、以て来歳の肥料に供す。人以て汙穢と為し之を悪むと雖も、而も未来を阿護する者、之を舎てゝ他道有る無し。夫れ肥料は、今日用を為さずと雖も、而も来歳百穀を養ふ。之を尊ぶ者必ず富む。之を卑む者必ず貧し。考妣以前の霊、今日用を為さずと雖も、而も永く子孫を護す。之を尊ぶ者必ず栄へ、之を卑む者必ず衰ふ。嗟乎、農と仏と、符節を合すが如し。或は肥と曰ひ、或は仏と曰ふ。其の名異れども、其の理一なり。

　 道みちの確かく実じつは、農のうに如しく無なし。故ゆゑに農のうに合がつする者ものは、大だい道だうにして、合がつせざる者ものは、小せう道だうなり。

　 考かう妣ひ（亡き父母）以い前ぜんの霊れい、而しかも永ながく子し孫そんを護ごす。之これを尊たつとぶ者もの必かならず栄さかへ、之これを卑いやしむ者もの必かならず衰おとろふ。