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2016年09月25日
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カテゴリ:鈴木藤三郎
「報徳記を読む」全4集所蔵館 2016年9月24日現在

全12館

国立国会図書館 1図書館

県立図書館 1館
山形県

市立図書館 9館
富良野市 美幌町 五泉市 南魚沼市 掛川市 下田市 森町 善通寺市 いの町

大学図書館 1館
横浜桐蔭大学


現在、12月17日(土)袋井市メローホールでの講演会「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」のテキスト(資料集)作成を行っている。

120頁ほどの小冊子だが、

師 安居院庄七、福山瀧助

父 遠州七人衆(日光に遠州地方の報徳の代表者7人が二宮尊徳を訪ね、面会して、正式に遠州の報徳運動が公認された)のうち、岡田佐平治、新村里助(尊徳の報徳役所日記では利助)と山中家報徳三兄弟に焦点を絞っている。

これは実は「鈴木藤三郎顕彰シリーズ」の幻の第2集のテーマ

鈴木藤三郎を生み出した遠州報徳運動

を資料集として世に出そうという試みである。

その表紙として、山中家所蔵の 山中家報徳三兄弟が寄せ書きした切り紙色紙を掛け軸にしたものがあり、それを表紙にしたいと思った。

「報徳記第2集」には、青木村に伝わる青木堰の絵図を許可を得て用いた。

表紙そのものを 貴重な史料 として世にそして後世に伝えようとする試みである。

そこで森の元気屋さんに

現在、12月の袋井講演会のテキスト「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」を作成中でブログにもその都度掲載していますが、

表紙に 山中家所蔵の山中家報徳三兄弟の「色紙の掛け軸」(「山中家盛衰記口絵」)を使用して差し支えないか(出典「山中家盛衰記」と付記しようと思います)、お願いしようかと思うのです。資料集「遠州報徳の師父と鈴木藤三郎」を全国の大学図書館、公立図書館に蔵書としていただけるならば、安居院庄七、福山瀧助、遠州報徳七人衆、森町報徳三兄弟など遠州から三河にかけての報徳運動の素晴らしさを日本中に顕わすことができるでしょう。

とメールしたところ、すぐに動いて使用の許可をいただいた。

一見、表紙としては地味ではあるが、幾世代かを経るうちに

また森町の山中家報徳三兄弟が世に顕れるにつれて輝きを放ち始めるであろう。


先日、報徳二宮神社の秋祭に参列した際に、直会(なおらい)の席で

同席の人に「報徳記を読む第4集」をそれぞれ差上げ、

第4集の副題である鈴木藤三郎の「報徳の教えが天下(世界)に広まり真正の文明の実を見ることを」について第4集表紙の裏の「願文」全ルビについて熱っぽく説明していたら

女性の方から「伝道者みたいですね」と言われた。

まことに留岡幸助が醤油事件で謹慎していた鈴木藤三郎を家に訪ね、

カーライルの「クロムウェル伝」(ボーイズ・ビー・アンビシャス第5集 内村鑑三神と共なる闘いに一部収録)について熱っぽく話し、

「カーライルがその雄勁なる筆をふるって、クロムウエルは千古の大忠臣で、真に国家社会のためにその身の毀誉を顧みなかったのであるといって、冤(えん)をそそいだ」と励ました。

実にこの「預言」を実現し、カーライルのクロムウェル伝とはいかなくても、滅びることのない確固たる資料集として鈴木藤三郎の事業を顕彰しようというものでもある。


「斯民」(大正2年10月1日)の鈴木藤三郎氏追悼号

留岡幸助「真に惜しむべき人」

「 ◎慰問の夕

 その後鈴木氏の大失敗の噂を耳にしたので、早速予はこれを訪問せんがため、黄昏時(たそがれどき)から自転車を飛ばして、小名木川の家を訪問したのである。時は一昨年も将に暮れんとする12月23日の晩の事でした。その時番頭が出て来て、「実は非常な場合でして、誰にも会われないのですが、あなたがいらっしゃったことを伝えますと、非常に喜ばれてお会いするとのことでした」といった。それから部屋に通ると、すぐに鈴木氏が出て来られ、老母(おばあさん)や、養子や、番頭まで出て来て、いろいろ精神上の話が出た。

その時、鈴木氏がいうのに「昨日130万円の責任を引き受けて会社を出てしまった。

(略)

遺憾に思うのは、鈴木は始めから山師であるという世評である。もし自分が真に山師であるならば、自分が最大の株主になるような事はしないはずであるといって、世評に対する不満の意を漏らしたのである。

 そこで自分はいうのに、それは君の平生にも似合わぬ繰言である。天下の人が皆、君を奸物であるといっても、それは皆利害の関係から君を評するのである。しかし自分のごとき、君とは何ら利害の関係がない人間が、君と共に公益のために尽くさんがために交わっておるのである。それ故自分は、自分の経営する家庭学校の事業のためには君を煩わすことをしないのである。これは公益をもって交わろうとの考えがあるからである。自分が聞くに、英国のクロムウエルは、多年奸雄と定(き)まっておった。ところがカーライルが出て、その雄勁なる筆を揮(ふる)って、クロムウエルは千古の大忠臣で、真に社稷のためにその身の毀誉を顧みなかったのであるといって、冤(えん)を雪(そそ)いだのである。君もこの際、泛々(へんへん)たる毀誉褒貶を眼中に置かず、前途の事を考えられた方がよかろうといって慰めたことであった。ちょうどその際クロムウエル伝の翻訳が出たから、翌日その書籍(ほん)を贈って置いたことである。」(第1集207ページ)





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最終更新日  2016年09月25日 02時53分28秒



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