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2016年10月18日
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カテゴリ:広井勇&八田與一
後書き(第一集二刷にあたって)
 二刷にあたって、○○所長と○○大学名誉教授に感謝します。第一集の二刷はお二人の励ましと支援により刊行できました。
本集の初版には「第一集」の表示はありません。当初「シリーズ」の構想はなく、札幌農学校第二期生、宮部金吾・内村鑑三・新渡戸稲造・広井勇の四人の交流と成長を手紙や日記など史料で明らかにするため刊行しました。続編「米欧留学篇」を作成し、○○所長に差し上げたところ「続編を期待します」とコメントを頂き、始めてシリーズ化を意識しました。そこで新渡戸稲造の「留学談」「帰雁の蘆」を収録したものを「第三集」として刊行し、「広井勇と青山士」(第四集)、「内村鑑三神と共なる闘い」(第五集)と刊行しました。本シリーズには一般に入手困難または世に知られていない資料を収録しています。第一集に収録の「廣井勇君之小伝」は「札幌同窓会第五十回」(昭和三年十二月)に収録され、「報告別刷」が北海道立図書館に収蔵されています。道立図書館から資料を入手し載録しましたが、第一集作成当時その後半は省略しました。二〇一六年始め○○所長が○○先生に第四集「広井勇と青山士」を渡され、○○先生は廣井博士を尊敬され、広井博士と青山技師の功績を「紳士の工学」として讃えた「第四集」を評価していただき、先生の講義でテキストとして使って頂きました。感謝します。広井博士と青木技師の功績を世に広めたいという思いから第四集「広井勇と青山士」は生れました。そこで第一集二刷を刊行するにあたって「廣井勇君之小伝」について全文を収録した次第です。
二〇一六年四月一五日、○○センターにおいて、お二人の先生と懇談しました。その折、○○先生から「青山技師に注目されたのは、八田與一からですか」と質問を受けました。「内村鑑三からです。内村は『代表的日本人』で、二宮尊徳を取り上げ、農業聖人として世界に紹介し、『後世への最大遺物』においても「報徳記」はキリスト教の『バイブル』を読むような考えがすると評価しています。明治以降、二宮尊徳を正しく理解し、世界に広めたのは内村鑑三です。第一集の資料編冒頭に内村の『予が見たる二宮尊徳翁』を収録したのはこのためです。その後、台湾製糖株式会社初代社長鈴木藤三郎を調べるなかで、台湾の烏山頭ダムを建設した八田與一を知り、八田の恩師が札幌農学校出身の広井博士で、八田はパナマ運河建設に携わった青山士技師を尊敬していたことを知りました」と答えました。第四集は当初、広井勇を主題として作成しました。鈴木藤三郎の曽孫○○氏に序文をお願いしたところ「余談:パナマ運河建設時の、唯一の日本人技師、青山士も廣井勇門下です」と青山士についてコメントをいただきました。そこで「余談 青山士」として関連資料を整理し、登載したところ、全体の三分の一を青山士が占めたため、第四集の副題を「紳士の工学の系譜」としました。青山技師は荒川放水路の建設、信濃川大河津分水路の改修工事で功績があるだけでなく、土木学会の「土木技術者の信条および実践要綱」に「人類の福祉増進に貢献しなければならない」と規定しました。また大河津分水堰の記念碑には「人類ノ為メ國ノ為メ」と刻んであります。そのノーブル(高貴)な精神は広井博士、ひいては札幌農学校精神に由来します。
「ボーイズ・ビー・アンビシャス」を作成した目的は、第一集表紙に掲げた「いかにしてボーイズ・ビー・アンビシャスは現実化されたのか」と「日本の近代化合理化の一源流札幌農学校精神」を解明するためです。第一集の表紙には札幌農学校の生徒時代の宮部金吾・内村鑑三・新渡戸稲造・広井勇の写真を載せました。また裏表紙には五〇年後のそれぞれ思想・教育・学問の世界で「代表的日本人」となった四人の写真を掲げました。彼らはどのようにしてボーイズ・ビー・アンビシャスを現実化できたのかという本シリーズのテーマを表したものです。
マックス・ウェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、近代資本主義の精神は禁欲的プロテスタンティズムの倫理から生れたものであると論証し、それは西欧特有の現象であるとしました。しかし、「プロテスタンティズムの倫理」はクラーク先生を通じて札幌農学校に直接に伝わり、内村鑑三や新渡戸稲造ら札幌農学校出身者によって、日本全国に「ボーイズ・ビー・アンビシャス」と「ビー・ジェントルマン」が広まりした。工学の世界でも「紳士の工学」は継承されました。「札幌農学校精神」は日本の近代化合理化の一源流であるとともに、「人類のため」というノーブル(高貴)な精神を日本にもたらしました。そして戦後日本における民主化の基盤ともなりました。
「ボーイズ・ビー・アンビシャス」とは、高いビジョンを懐き、その実現のため努力し続けることをいいます。内村鑑三は北海道大学における講演で、「エマソンの言葉に'Hitch your wheels to the star' (なんじの車を星につなげ)というのがあるが、これは「望みを高くいだけ」ということで、クラーク先生が「ボーイズ・ビー・アンビシャス」と平易に言ったことを詩的に言い表したのであって、全く同精神に出ている」と説明しました。「諸君よ、諸君もまた今の時代に諸君の車を星につなぐべきである」「私はクラーク先生に代わって、もう一度、諸君に向かって叫ぶ・・・ボーイズ・ビー・アンビシャス!」(一九二三年一月『聖書之研究』)
「ビー・ジェントルマン」は、自らを常にノーブル(高貴)たるように律し続けるところにあります。
 「ボーイズ・ビー・アンビシャス」「ビー・ジェントルマン」という札幌農学校精神が、後の世代に継承されることを願って本集を刊行します。 
平成二八年十月○○日 





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最終更新日  2016年10月18日 01時09分54秒
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