Theatre eathan

【監督】モーガン・スパーロック
【出演】モーガン・スパーロック


観終わった後には誰もマクドナルドに行きたくなくなる・・・とまではいかないけど、マクドナルドのハンバーガーに代表されるファーストフードといったものが、いかに体に悪影響を及ぼしているのかを監督が自ら証明してみせるという、まるで「電波少年」のようなノリのドキュメンタリー作品。

国民の6割が肥満に悩まされているという米国において、その最大の原因としてファーストフードが矢面に立たされてしまった。
ことの発端は、一般的に見て肥満とされる十代の女性二人がマクドナルドに対して、自分達が肥満になったのはハンバーガーを販売しているマクドナルドのせいにあると訴えたことに始まる。

確かにファーストフードは注文しても待たずにすぐ食べられるし、しかも美味しく値段もお手頃。時間が無い時なんかはついつい食べてしまうし、そうでなくてもたまに無性に食べたくなる時がある。だけどだからといって自分が肥満になるまで食べてしまうかどうかというのは個人差の問題で、彼女達の訴えはちょっと常軌を逸していることには間違いない。
結局、肥満の原因がマクドナルドにあるかどうかは立証できないという理由で訴えは棄却されてしまうんだけど、だったらそれを検証してみましょうとこの監督は立ち上がった。

1ヶ月もの間、1日3食すべてマクドナルドのハンバーガーを食べ続けるという監督のこの体当たりの挑戦は、マクドナルドに非があることを証明してみせるための既成事実作りとしてはかなり無理があるように思う。だけど日を追うごとに体調を崩していく監督の様子を見ていると、ファーストフードが体に及ぼす悪影響の程度が容易に想像できるし、観ていてなかなか興味深く面白い。かと言ってみんなにファーストフードを食べるのはやめましょうと吹いて回るのはまた別の話だと思うんだけどね。

ドキュメンタリー映画としてはいまいち説得力に欠けるような気がする本作品だけど、この馬鹿げた実験を成し遂げた監督の顔はどこか誇らしげで笑ってしまった。
でもまあファーストフード好きの人にはあんまり観る価値の無い作品なのかな。

【eathan's thumbs up】☆☆☆☆☆☆★★★★