ジョン・レノンの「MOTHER」を初めて聴いたのは、深夜放送でした。中学生だったか、高校生だったか忘れましたが、自分と、さほど年齢の変わらないリスナーからの手紙をDJが読み始めました。“母親が病気で死んでしまった”という、とても可哀想な内容で、しかもバック・ミュージックにはクラッシックギターの名曲「♪アルハンブラの思い出」が哀しげに流れ、とても涙なくして聞けるような話ではありませんでした・・・
手紙を読み終えて、一瞬の静寂の後に教会の鐘の音~ジョンの新曲の「マザー」が流れ出す・・・ジョンの狂ったような歌声とリンゴの緊張感が伝わって来るドラムの響き~
今まで聴いた、どの音楽よりも、ずっしりと心に響く曲でした~そして、次の小遣い日に、早速、ジョン・レノンの「マザー」を買いにレコード店(CDショップじゃない!)へ直行!この数時間後、レコード・コレクター人生に大きく影響を及ぼす悪夢が待ち受けてるということも知らずに・・・
「マザー」~素晴らしい曲だった。父親のフレッド・レノンは船乗り~ジョンが小さい時に妻子を置いて失踪、そして両親は離婚、母親のジュリアは、他の男の元へ、ジョンは、ジュリアの姉のミミ叔母さんに引き取られます。その後、母親と友達のようないい関係になれたのもつかの間、ジュリアは、交通事故で逝ってしまいます・・・こういったジョンの決して幸せとは言えなかった複雑な少年時代を知ってるだけに余計に心に迫るものがありました。何回も繰り返し聴いた~「さあB面を聴こうかのお、んっ?『WHY』かぁ~なんじゃいヨーコの曲やんけぇ!まっいいか、勿体ないで、こっちも聴こう!」・・・
「勿体ない」という気持ちが、頭を過ぎった段階で、“地獄への第一歩を踏み出してしまった”ということなど知るよしもない!
レコード盤を裏表ひっくり返し、針を落として、しばらくすると、「ウァ~ア~~ァ~~フワァ~ィ~ア~」狂ったような呻き声~「何故じゃ、何故、こんなんをジョンのレコードに入れるんじゃ!」~知らず知らず、タイトルWHY(何故)を叫んでました!もう、とても、最後まで、聴くことも出来ず、38年という年数だけが経過しまし~これ以来、ヨーコの曲が入っているレコードは、一切、買ってません!ジョンのLP盤は「ジョンの魂」「イマジン」「ヌートピア宣言」「心の壁、愛の橋」「ロックン・ロール」とありますが、ヨーコの曲が入っている「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」は勿論のこと、遺作の「Wファンタジー」、死後、発表された「ミルク・アンド・ハニー」でさえ買わなかった~ポールは、何だかんだ言いながら、LPかCDで、最近の3枚以外は、全部買ってるんですけどねぇ~
やはり、ヨーコには、ジョンのレコードに自分の曲を入れるのは、遠慮して貰いたかった!これ偽らざる、ファンの気持ちだと思いますよ~ジョンは、自分のレコードにヨーコの曲を入れないと、ヨーコの曲を、皆、聴かない~というような事を言ってたけど、間違いなくその通り(笑)
だから、余計にヨーコ自ら遠慮して貰いたかった。
勿論、ヨーコのアドバイスで、日本の俳句をヒントに「♪LOVE」のような、シンプルな詞の名曲も生まれてるから、あくまでサポートに徹していれば、もっと、売れたし、名曲も生まれたのではないかと・・・それが残念です。
しかし、ジョンの死後、ヨーコのしっかりした遺産(お金だけでなく、ジョンの名誉なども含めた全て)管理とお金の使い方で、更にジョンの名声は上がったことは間違いないと思います~これは、ポールの再婚相手で、数年の結婚生活だけで、高額の慰謝料を踏んだ食っていったヘザーという性悪女と比べたら月とスッポン!
~皆さんも悪夢の体験を~
WHY
「SAMETIME IN NEW YORK CITY」では、この曲、15分でっせい、だから、買ってません
Don't Worry Kyoko