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カテゴリ:2008年鑑賞映画
IN THE VALLEY OF ELAH アメリカが目を背けた衝撃作 上映時間 121分 製作国 アメリカ 公開情報 劇場公開(ムービーアイ) 初公開年月 2008/06/28 ジャンル ドラマ/ミステリー 映倫 PG-12 【解説】 「クラッシュ」のポール・ハギス監督が、 イラク戦争から帰還した一人の兵士を巡る衝撃の実話を 映画化したミステリー・ドラマ。 帰還後間もなく無断離隊したとの連絡を受けた父親が、 息子の汚名を拭うべく行方を捜す中で次第に浮かび 上がる過酷な真実を描き出す。 主演は「逃亡者」のトミー・リー・ジョーンズ、 共演にシャーリーズ・セロンとスーザン・サランドン。 【ストーリー】 2004年11月1日、元軍警察のハンク・ディアフィールド のもとに軍に所属する息子のマイクが行方不明だとの 連絡が入る。軍人一家に生まれ、イラク戦争から 帰還したばかりのマイクに限って無断離隊など あり得ないと確信するハンク。 不安に駆られた彼は、息子の行方を捜すため基地のある フォート・ラッドへ向かう。同じ隊の仲間に話を聞いても 事情はさっぱり分からず、念のため地元警察にも 相談してはみたものの、まともに取り上げてはもらえず 途方に暮れる。 そんな中、女性刑事エミリー・サンダースの協力を 得て捜索を続けるハンクだったが、その矢先、 マイクの焼死体が発見されたとの報せが届く。 悲しみを乗り越え、真相究明のためエミリーと 共に事件の捜査に乗り出すハンクだったが…。 【感想】 <> ミリオンダラーベービー(脚本)、クラッシュ(脚本、監督) と人間の心の闇のような部分を描き出すことが多く、 観終わった後になんとも言えない気分になるポールハギス の脚本、監督作品・・・今回も私はきっとそういう感じに なるんだろうなあと思いながらも、アカデミーの主演男優賞に ノミネートされていたトミーリージョーンズの演技 観たさに行きました ジェームスフランコの出演は知らなかった(忘れていた?)ので 彼が出て来た時、得した気分になりました。 でも、出番少なくて残念でしたが・・・ ノーカントリーでは追われる人だったジョシュブローリン 今回は警察署長役で出ています。 元軍人であった父親が、失踪した息子を探しているうちに、 その息子が見るも無残な姿で遺体で発見され、今度は、 その犯人探しをして行くことになるわけですが、 犯人はいったい誰なのか、何のために息子を殺したのかと 言うミステリー部分はあるもののミステリー映画と 言うわけではありません。 また、邦題から軍を、軍の内部を暴き、軍事批判と言う メッセージがこめられているのかと思ったら、 それも違っていましたσ(^◇^;) 以下多少ネタバレになっています ハンクが犯人探しをしていくうちに、素直で優しかった 親孝行な息子の自分が知らなかった一面が次々と見えてきて・・・ そして出てきた事実・・・真実は・・・犯人は・・・・ それは、父親にとっては、受け入れがたい過酷な結末でした 犯人がわかった後に、また夢を見るハンク・・・それは 息子が戦地から、泣きながら『帰りたい』と電話をかけてくる 夢でした 息子のSOSがわからなかった、息子を救えなかった自責の念に 耐えながら、彼はこれからも生きて行くんでしょうね。。。 やはり予想通り、見終わった後に、なんとも言いい表せない気分、 後味の悪さとはまた違うのですが、やりきれない、 重い気持ちになりました。 トミーリージョーンズは、ノーカントリーに引き続き、耐える役の ような気がしました。 顔に深く刻まれたシワがハンクの苦悩を物語っているようで どこに向けていいのかわからない怒りを、内に押さえた演技が 素晴らしかったです。 また、ハンクの相棒となるシャーリーズセロンですが 華やかさを消して(と言っても美しいのですが)時には反発し、 時に納得してハンクと一緒に捜査をして行く刑事を好演していました 二人の間には言葉では説明できない関係(友情と片付けてしまうのは陳腐で・・・) が築かれ、刑事であり、シングルマザーである彼女のこれからの生き方に 勇気を与えてくれたかもしれません・・・ そして、出番は少ないながらも、迫真の演技のスーザンサランドン! 息子を二人とも戦争で(長男は戦死)亡くしてしまった母親の 喪失感、悲しみを見事に表していました 私も二人の息子の母親なので、彼女の演技は胸にせまりました 戦場では、先に殺さなければ殺される、今日、目前で死ぬ仲間を 真の当たりにし、明日はそれが自分かもしれないと言う日常 そんな中で狂気に侵されて、心の病にかかって行く兵士たち 時折出てくるマイクの携帯の画像に不穏な空気を 感じました。 いいことなんてひとつもないのに、繰り返される戦争・・・・ 人間はいつになったら、愚かな行為を止めるのでしょうか・・・ 息子を亡くした父親の、息子を奪われた母親の、 職場でセクハラを受けながらも、シングルマザーで 息子を育てる母親の人間ドラマでもあり、そして、 イラクに何も知らない若者を、兵士として送り込む アメリカ国家に対しての悲痛なメッセージとも感じた 作品でした ポールハギスは、声高に批判やメッセージをするのでは ないのですが、人間の心の闇やアメリカが抱える闇を 描くのが上手いですよね。地味な映画なのに、最後まで 惹きつけられました ↑『ダビデは子供なのになぜ王様はゴリアテと戦わせたの?』 と言うエミリーの息子のデヴィッドの言葉 ラスト、逆さ星条旗(国家の救難信号)、『こどもたちに捧ぐ』の テロップが心に残りました。。。 6月28日(土)から公開中 <パンフレット¥600クリックで公式サイトへ> 原題は『IN THE VALLEY OF ELAH』で『エラの谷』 日本人でクリスチャンでもない私にはどういう意味か わからなかったのですが、パンフを読んでこのタイトルに 納得しました。 『エラの谷』は旧約聖書第一サムエル記、第17章に 登場する。エラの谷は3000年ほど前、ダビデとゴリアテが 戦った場所のこと。幼いダビデはサウル王のために 怪獣ゴリアテと戦うことになるがダビデの武器は たった5つの石・・・。 負けると思われていたダビデが奇跡的にゴリアテ相手に 勝利し、帰還すると言う話しだ。 <↑パンフレットより抜粋> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.07.09 01:56:24
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