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カテゴリ:2009年鑑賞映画
重力を 超える。 連続放火事件に隠された家族の真実──溢れくる感動のミステリー 上映時間 119分 製作国 日本 公開情報 劇場公開(アスミック・エース) 初公開年月 2009/05/23 ジャンル ミステリー/青春/ドラマ 【解説】 切なくも感動的な一家族の絆を、独特のスタイリッシュな 文体で軽やかに綴った人気作家・伊坂幸太郎の同名ミステリーを 実写映画化。仙台を舞台に、連続放火事件とその現場で 見つかるグラフィティアートの謎を追う兄弟が、やがて家族に まつわる哀しい過去と向き合っていくさまを、家族の愛を軸に 軽妙かつエモーショナルに描く。主演は「それでもボクはやってない」の 加瀬亮と「ホノカアボーイ」の岡田将生。 監督は「Laundry ランドリー」の森淳一。 【ストーリー】 泉水と春は、優しい父と今は亡き美しい母の愛情に包まれて 育った仲の良い兄弟。兄の泉水は遺伝子の研究をする大学院生。 一方、街中で落書き消しの仕事をしている弟の春。 彼らが暮らす仙台市内は、頻発する連続放火事件に揺れていた。 あるとき春は、放火現場の近くに必ず謎のグラフィティアートが 描かれていることに気づく。事件との繋がりを直感した春は、 泉水を誘って夜の街で張り込みを開始するが…。 【感想】 <> 伊坂さんの小説を初めて読んだのがこの本で、この作品から 伊坂さんにハマって、一気にその後、他に、死神の精度、 アヒルと鴨のコインロッカー、ラッシュライフ、グラスホッパー、 チルドレン、オーデュポンの祈り、陽気なギャングが地球を回すを 読みましたが、この作品がやはり1番好きかな その時の感想はこちら キャストが発表された時、自分のイメージにあっていた 俳優さんたちでしたので、この映画を観るのを楽しみに していました。でも、その一方で、大好きなこの本が、 がっかりするような映画になっていたらいやだなあと言う 一末の不安もありました・・・ でも、結論から言いますと、もちろん原作にはかないませんが、 2時間の枠の中でこの小説を上手くまとめて(出て来ない台詞や人物はあるものの) いたと思います 本を読んだ時、小説の冒頭『春が、二階から落ちてきた』・・・ なんてロマンチック!なんてキザ!(笑)と思った一行でしたが、 春は、季節の春ではなくて、主人公の弟の名前でした(笑) この本の冒頭の一行は、読んでいて、絵が浮かんだのですが、 映画の冒頭のそのシーンは、そのイメージ通りで、桜と春が飛び降りる 映像がすごく美しかったですそして、最初から 「いいじゃん!いいじゃん!いいんじゃな~い」と映画に惹かれて いきました 脚本も音楽も良かったと思いますが、私的にはキャストが 良かったなあ・・・ とすぐにキャスト紹介しているのは、この映画を観たのが、 1週間以上前で上手くまとめられなくなっているからです(笑) 以下ネタばれになってます <泉水=加瀬 亮・・・加瀬さん、若く見えましたが、35歳なんですね 小説の設定から考えるとかなり年上ですが、キャストが発表された時から、 ピッタリだと思いましたし、加瀬さん以外は浮かばなかった私です 『いつも弟と比べられて、物事をナナメに見る癖ついてんの』と カッコイイ弟にチョッピリ嫉妬、そして素っ気ない態度、 見た目も頼りない感じ(笑)ですが、春の苦悩や孤独を1番わかっていて、 彼をそばで支えている弟思いのやさしい兄役、上手かったですね さすが加瀬さんです> <春=岡田将生・・・この役柄は、本当に難しかったと思います。 小説の中での春は滅茶苦茶イケメンでカッコイイ。岡田君は 長身で、もちろんイケメン、シャイな感じ、どこか暗い影も漂い、 狂気も秘めているかのような春役にピッタリでした 強そうだけど実は脆くて、お兄ちゃんのことが大好きで、頼りにして いる感じも伝わりました。冒頭とラストに出てくる私が大好きなシーン 『春が~』の映像は、美しかったです> <少年時代を演じた子役も、加瀬さん、岡田さんのイメージを 壊すことなく、良かった小説にはなかったと思うのですが、 「ファンタグレイプ」と言って、笑いあう二人のシーンに 涙が溢れました> <父=小日向文世・・・小説のイメージ通り、一見普通の人(笑)ですが、 おだやかで、大きな愛情で妻を、兄弟を包み込んでいる芯の強い父親を好演。 若い頃のかつらは、ちょっと無理があるかもですが このかつら姿が、加瀬さんの泉水と似ているような気がして、本当の親子 のように見えました> <母=鈴木京香・・・元モデルと言うことで、華やかで美しくて、そして 芯は強くてイメージ通り。出番は少なかったですが、存在感があったのは さすがでした。泉水は父親似、春の美しさは、この母親譲りだなと感じました> <家族でサーカスを観に行って、ピエロが空中ブランコをする シーンなんですが、母親のこの言葉が素晴らしいです また、春と名前を決めたのは、泉水も春も英語だとspringで同じ、 同じようにかけがえのない自分の子供と考えた彼女の深い愛情も感じました> <葛城=渡部篤郎・・・渡部さんは、演技は上手いので、この役柄も 良かったのですが、私が小説を読んだ時の葛城のイメージは、 もっと見るからにいやらしい、太った中年と言う感じがしたので、 渡部さんは、私のイメージからすると見かけがスマートで、 さわやか過ぎました(笑)でも、演技は上手かったのでいいんですけどね> <夏子=吉高由里子さんは私は初めて見る女優さんですが、 私のイメージか言うともっと整形美人でしたが(笑)、 悪くなかったです。春をストーカーしている写真の数々は 映画ならではの見せ方で、笑えるシーンでした> ジンジャーエールを好む葛城と春・・・やはり、血は争えないのかと ぞっとしましたが、嘘をつく時のクセが 父・正志と春が同じで、救われた気持ちになりました 父親と春の嘘をつく時のクセが同じで、「お前は俺に似て、嘘が下手だ」 と春に向かって言うところが小説にも出てきますが、本でも泣きましたが、 この「お前は俺に似て・・・」の言葉が泣かせるんだなあ・・・> <『神様の自分で考えろって言う声が聞こえたんだ。だから、 春は俺の子だ。俺たちは最強の家族だ』と言うシーンにも涙でした。。。> ストーリーは絶望的なはずなのに、↑「俺たちは最強の家族だ」と 言う言葉の希望に、ラスト、二階からふわ~と飛び降りる春の姿に、 観終った後、気分は重くならずに、晴れやかになりました 春が自主しないラストは、意見のわかれるところだと思いますが、 この原作は、レイプ犯の子を産むと言う設定から、実際には、 あり得ない、考えられないお話だと思うので、そう考えると この映画の結末も、ありかなと思う私でした。 もちろん、実際にはこのような事件は起きてほしくないことなんですが・・・ 映画もいい作品になっていると思いますが、「本当に深刻なことは陽気に 言うべきなんだ」と言う春の言葉や引用しているガンジーの言葉等々を含めて (黒澤と言う探偵も出てきますし)やはり原作に、かないません。。。 この映画が気に入ったかたは、是非原作も読んで頂きたいなあと思います。 5月23日(土)より公開 <パンフレット¥600クリックで公式サイトへ> 『原作とは異なる部分もあるし、省かれた台詞もある。 出て来ない人物もいる。原作との差異が気になる人には やっぱり物足りない部分があるのかもしれない。ただ、核となる 部分は共有されていて、何より、とても丁寧な映画らしい映画の ようになっていることが嬉しかった ーー伊坂幸太郎』 <パンフレットより一部抜粋> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.06.03 21:24:25
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