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コツ、コツ‥‥
一歩一歩徐々に近づいてくる足音。月明かりでその人物の姿が映し出された。30代くらいだろうか…髭を生やしている男だ。 「フッ、今丁度お前の大好きな奴と話してきたところだ」 「?!」 「わざわざお前をあの邸から誘拐しただけのことはあった」 そう、ネコを差し向けたのはこの男。邸内にどうにかして忍び込みレイに誰もついていない時間帯に犯行を行なったのだ。 「アイツはお前を助けるために将来を投げ出したんだぜ? クックック…笑えるぜ‥‥こんなガキのどごが良いんだが」 ガシッ 「!!イッ、‥ッぅ‥」 髪を鷲掴みにされ、無理矢理顔を上げさせられた。 痛い‥‥ 痛い‥ヤメテ‥‥ヤだ‥‥ 恐い‥‥まるでアソコにいた大人みたい‥‥ レイの蒼の瞳は恐怖で怯えその目にはレイの頭の片隅に閉じ込めておいたアソコでの嫌な過去が今の目の前の男とリンクしていた。 両手が塞がられているから男の手から逃れることも出来ない。 最も、子供の抵抗が一体どれくらい通用するのか解らないが 「‥ふぅっ‥ぅ‥‥っ‥」 口からは籠もった泣き声が、目からはとめどなく涙があふれ頬を伝う。 それを見て男はニタニタと嫌な笑みを浮かべた。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |