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ティル・オイレンシュピーゲルの日記

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2007年11月02日 楽天プロフィール Add to Google XML

 私の楽器遍歴 好きなクラシック(19928)」
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かつて、イギリス首相チャーチルは「絵を描かない人が美術評論をしてもいいのか?」という問いに

「ええ、いいと思いますよ。私は卵を産みませんが、卵が腐っているかどうかは見分けられますから」

と、答えたそうです。

この意見に賛成か反対かは、ともかく、ドラマ版「のだめカンタービレ」への痛烈な批判など、音楽について、とやかく書いている私が、どれくらい音楽や楽器について経験を持っているかを、ここに記しておきたいと思います。

・ピアノ
三歳から九歳まで、教室に通っていました。もともとは、私が「やりたい」と母に訴えたから、らしいのですが、記憶にあるのは、私が嫌がるのを母が半ば強引にレッスンへと送り迎えしている様子だけです。また、同時に「ピアノはやめて、ヴァイオリンがやりたい」と主張していたのも覚えています。

結局、小3の時にやめちゃいました。
しかし、小5か6の時に、少し、自分でやり直してみたことがあります。私が通っていたところは、教育大付属の国立だったから、楽器の習い事をしている同級生が多くて、暇さえされば、音楽室で、シューベルトを弾いてテクニックについて論議したり、絶対音感で聴き取ったりしたファミコンゲームの音楽を再現したりなんかしていました。

年に一度の音楽界、つまり合唱祭のときなんか、伴奏希望者が多すぎてコンクールで選んだくらい。
そんな彼らを見ているうちに、ちょっとだけまたやってみたくなって、家のキーボードで「となりのトトロ」のピアノ譜を練習しました。ある日、連中が見てないところ、音楽室の隅にあるピアノで弾いてみたら、簡単にしかも完璧に弾けたので、

「俺って、できるじゃん」

と、自分で満足して、そこで止めてしまったのです。
中学・高校のときは、一切、楽器に触れませんでした。でも、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」でクラシック音楽に出会い、母に連れられて松尾葉子さんや(故人となられた)岩城宏之さんのコンサートに通ううちに、「楽器がやりたい」「できればオーケストラに入りたい」という思いが強くなっていきました。

そして

・ヴァイオリン
大学に入った私は、真っ先に管弦楽部の門をたたきました。
「ヴァイオリンがやりたい」と言ったところ、「じゃあ、触ってごらん」と渡されたやつを、見よう見まねで弾いてみたところ、心細いかすれた、「一応、ヴァイオリンの音」が出ました。
爪が縦長ではなく、横長で太めな私の指を見た女性団員は、「ヴァイオリンに向いてるね」とも言いました。

ところが、
「人前で弾くには、最低三十万のやつが必要だから、(部活に)入ったら、すぐ買ってね」という一言に玉砕。

後で母から聞いたところによると、私にヴァイオリンを習わせなかった、というか習わせられなかった原因の根幹は、そこだったそうです。
楽器も高価だし、レッスン料も高い。しかも、年齢に合わせて楽器を小さいものから大きなものへと買い換えなければならないということが、私にヴァイオリンを与えなかった理由だったのです。

・その後
大学在学中は、また一切楽器をさわらなかった私ですが、「のだめ」の影響もあって、今年のはじめに大手ピアノ教室の門をたたきました。
「少しでも、何か体に残っているかな」と思っていたのですが、全然でした。楽譜は全然読めないし、指はまわらないし。
ただ、「相対音感がある」と言われたことは、うれしかったです。教則本に載った曲と平行して何とかバッハの「メヌエット」を弾けるようになったあたりで金銭トラブルに見舞われて、そこの教室は辞めてしまいましたが、現在は近所の、(廉価な)個人教室へと通っています。
バロックの小品を中心に練習中。

少し前に名古屋フィルハーモニー交響楽団の軽い演奏会へ行ったら、「楽器体験コーナー」というのがあって、団員がヴァイオリン、チェロ、ホルン、トランペットを触らせてくれる企画をやっていました。

最初にヴァイオリンを体験。
担当の女性団員に持ち方指導をしてもらったうえで構えてみたら、

「似合ってる!」

と、唐突にお世辞を。
いじってみたところ、意外にもちゃんとした音が出ました。思い切って、強く弾いたり、かき鳴らしたり、弓を弦に叩きつけたりしましたが、「ギィー」という音は出ません。
「どうやったら、あんな音が出るんですか?」と言ったら、彼女は弓を持っている私の手をグイッと掴んで、メチャクチャ強く押しました。その状態で弓が弦に触れて、やっと、あの「拷問サウンド」が耳につきささりました。

「あなたはスジがあるから、(ヴァイオリンを)習いなさい!」

と命令口調で言われましたが、ピアノで手がいっぱいな私には、そんな余裕はないんですよ!そりゃあ、千秋様みたいにピアノもヴァイオリンも弾けたら、最高ですよ。でも、今から始めたって人前で弾けるようには、絶対ならないし、第一、金銭的余裕がまったくない!

まあ、わざとでない限り、一度もヴァイオリンで不快な音を出したことがないのは、ちょっとした自慢ですが。次々と耳に悪い音を出して、すぐにギブアップする体験者たちを見ながら優越感にひたったり。

ホルンは、まったく音が出ませんでした。それ以前に、唇を振るわせる基本的動作が、うまくできない。

次にトランペット。こちらも、音が出ない。何度も力の限り吹いてみて、「最後の一発」と渾身の力を振り絞って息を吹き込んだら、



警告音に使えそうな疾風のごとく甲高い音がロビーを貫きました。

「すごい!今の、なかなか出ない高い音ですよ!」

と男性団員が驚くような、嬉しいような顔をする前で、私は、脳みそが酸欠状態になっていました。当然、そこでギブアップ。
フラフラで息切れしながら

「あの、ワーグナーの《ジーフリートの葬送行進曲》とかって?」

と聞いたら、

「ああ、あれとか大変ですね……」

その時は、頭がまわらなかったのですが、後から考えたら《ジークフリートの葬送行進曲》に限らず、《ワルキューレ》とか《タンホイザー》にもトランペットの高い旋律が出てくる。いや、彼の有名なオペラはたいていそう。
ワーグナーに限らず、彼を始祖とする(と私が考えている)、金管楽器が大活躍な曲は、現代のハリウッド映画音楽にも通じています。

ラッパなどの管楽器の大幅な発達にあわせて曲を書き、なおかつベートーヴェンの交響曲「合唱」の改訂も行ったワーグナーは、同時に、管楽器奏者に重労働を強いる音楽の流れをつくっていたのでした。

さて、楽器体験コーナーに話をもどします。
チェロも触ってみたかった私でしたが、かの「人の声に最も近い楽器」は、一番人気で長蛇の列。結局、触りませんでした。


まあ、途中で何度も脱線して話が長くなりましたが、こんな私が音楽を評しています。


P.S 「楽器体験コーナー」の後日談。

ホルンを吹こうとした瞬間から違和感があったのですが、その後何日も発疹に悩まされました。
まさか、20代半ばを過ぎてから自分が金属アレルギーだということに気づくとは。何となく嫌だから腕時計のベルトは金属を避けて皮にしてきたのですが。

それとも、「のだめ演奏会」の度に「ホルンが下手糞!」と書いたことへの呪い?

いずれにせよ、私には金管楽器(フルートも含む)は、向いていなかったのです。


最終更新日  2007年11月29日 22時16分11秒
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