カテゴリ:中3生への伝達事項
国語力がないと、文字通り「国語」の偏差値が伸びませんし、「国語」で点数を落とします。
私は沢木耕太郎の「深夜特急」が好きで以前よく読んでいました。文章を読み、行ったことのない場所の光景を想像するのが好きでした。ところが、現在はネットがありますから、「想像」なんて面倒なことをしなくても、画像検索をすれば一発でその場所の写真が出てきます。それどころかグーグルのストリートビューで実際にその町を歩くことさえ可能になりました。 ドラマや映画などの映像メディアも同様です。「容疑者Xの献身」をわざわざ本で読まなくても、TSUTAYAやゲオで映画を借りてくれば2時間程度で内容を掴むことができます。学校の読書感想文に出た作品でも、映画化されている作品があれば、映画を見た感想を書けば事足りるかもしれません。そうした面で現在は大変便利な世の中にはなっています。
ところが、こうしたことを繰り返していくと、残念ながら読解力は衰えていきます。
そして、入試現代文で出題されるのが、この哲学というジャンルです。だから、読む力のない子は、文字通り「国語」という科目で得点できないという状態に陥るのです。受験勉強という枠組みに慣れてくると、環境論や科学論までは理解出来るようにはなります。しかし、哲学や空間論になるともう終わりです。冒頭で書いた「国語力の弱い子は、哲学的文章で弱さを露呈する」というのはそういうことです。抽象的な概念を理解出来ませんから、高校数学や理科1分野なども苦手とします。
また、映画やドラマばかり見ていて、読書を全くしない人は、目に見えないものを想像する力に欠けていますので、小説問題を苦手とします。小説で得点できない子の多くは、読書量不足です。 「小説が苦手な子は、客観的に解いておらず、主観を入れて解くから間違える」というテクニカルな面ももちろんあります。しかし、いくらテクニック面や解法をトレーニングしても、もっと根本的な部分、すなわち「読む」という所作が出来ていない子は、小説問題で正解に至ることはできないのです。
「将来像を描く」というのは、目に見えない世界の青写真を描くことです。「国語力のない子は計画性がない」理由もこれで分かったでしょう。国語の力が弱いと「将来」という抽象的な概念を想像することができないのです。
国語の力をつけないと、みなさんは先に進めません。だから今皆さんが取り組むべきは国語の勉強なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年02月26日 23時32分22秒
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