カテゴリ:入試結果
<都立 自校作成校14名>
青山(1名) 国立(1名) 国分寺(1名) 新宿(5名) 立川(2名) 戸山(1名) 西(2名) 八王子東(1名) <都立 共通問題校8名> 井草 清瀬 小金井北(2名) 鷺ノ宮 豊多摩 文京 武蔵野北 <私立> 錦城(たくさん) 國學院 白梅 杉並学院 拓一 中大杉並(2名) 帝京大学附属(←早稲田本庄の補欠待ち) 武蔵野大学 明大明治 早稲田実業
◆13期生の受験が終わりました。世間一般的な尺度(偏差値、学校の著名度など?)を用い、客観的な目線から述べるならば、今年のキャラベルの進学先・合格率は、ここ12年で最も悪い結果と言われるに違いないでしょう。そうした塾の評価は私がするものではありません。このブログを見ている方々がおのおのしていただければ良いとも思います。 しかし、13期生の評価は私にしかできません。塾生がどの地点からスタートしたか、そしてどのくらい伸びて、どこまで到達できたか。その過程において、本人はもちろん、親御さん達がどれくらい苦しんだか。そして、ここには書けない様々な事情を抱えながらの受験で、そのご家庭がどれほど苦しみどのくらい耐えたのか。これだけは今年の13期生に関わった我々にしか知ることができないですし、我々だけが知っていればいいことです。とにかく、例年以上にここには書くことのできない様々な出来事がありました。 ◆実は塾の先生というのは、過去合格した生徒をたくさん見てきているので、過去の塾生と比較し、今年の13期生の受験が厳しい戦いになることは予想できていました。 どうにか全員を合格させたいと思い、毎日毎日あらゆる手段を考え、自宅でも塾でもずっと13期生のことを考え、時には夢の中でも作戦を考えることさえありました。しかし、過去合格した子達と今年の塾生を受験会場で戦わせた場合、どうシミュレーションしても昨年までの塾生に勝てないのです。どう考えても、どんな作戦を立ててみても、今年の教え子たちが昨年までの教え子達を倒すイメージが湧いてこない。私自身が教えてきた過去の教え子が高い壁になって、「今年の私」を苦しめました。 おそらく、塾生はもっと苦しかったことでしょう。偏差値の上がりも例年以上に厳しく、内申もオール4にも届かない状態で自校作成校に挑戦する子も数名。まるでウクライナがロシアに立ち向かうような、そんな辛い戦いでした。果たして日露戦争の日本のような奇跡は起こるのか。その奇跡を起こすために私たちは日々奮闘していました。とにかく、自校作成校に合格した過去の塾生というお手本があるのだから、その先輩方にどうにか追いつかせようと悪戦苦闘の日々を過ごしました。 ◆しかし、過去の塾の実績なんてものは、今年の塾生一人ひとりにはどうでもいいことであり、今年度の反省点は私自身が来年以降の塾生の指導へ還元していけばいいだけです。 それより大切なことは13期生の皆さん、一人ひとりの結果です。過去の塾生の結果と比べる必要は全くありません。皆さん一人ひとりが目標に向かって自分なりの頂点を目指した結果を今は誇りましょう。 ◆今日は朝から電話の前で待機していました。19時を過ぎても連絡のない子達には、さすがにこちらから電話を掛けました。一番最後の子の結果が判明したのは21時を少し過ぎた頃でした。 印象的だったのは、不合格になった子達がみんな最後に「ありがとうございました」と伝えてくれたことです。今までの人生で指折りの悲しい場面で、日本語で最も美しいその言葉が出てくるなら大丈夫です。明日からの人生、何も悲観することはありません。まだ15歳でその崇高さがあれば問題ないでしょう。これからです。崇高さとは「自分の命よりも何を大切にしているか」です。みなさんは、不合格になった悲しみよりも、「ありがとう」という言葉を大切にしました。そこが素晴らしいことです。 「合格をいただきました」 「残念ながら不合格でした」 人生で最高の瞬間を迎えた子もいれば、そうでない子もいました。 一見、正反対に見える言葉ですが、どちらも語っていることの本質は同じです。すなわち、一年間歩んで来たそれぞれの道の結果報告です。この二つの言葉の背後には、自分自身が辿ってきた様々な苦労や悲しみや葛藤が含まれています。 おうちの人と塾選びを始めた日。キャラベルという塾を知った日。「随分と厳しい塾みたいよ」なんて親から言われて、なかなか決断できなかった日。それでも勇気を出して初めて塾に面談に来た日。雨に濡れながら歩いてきた日。積もった雪の上を慎重に歩きながら来た日。猛烈な暑さの夏期講習や凍てつくような冬期講習の日。確認テストの勉強が不十分で怒られないかびくびくしながらやって来た日。先生に叱られ、落ち込みながら帰宅した日。そうして幾度となく塾と家を往復し、そして塾で学び、自宅で勉強した日々の積み重ねが今日の結果です。 私に怒られ落ち込んだ時もあるでしょう。親に知られないように部屋で泣いたこともあるかもしれません。偏差値の伸び悩みに苦しみ、定期試験の結果に絶望した日もあることでしょう。 そうした皆さんが歩んできた軌跡が今日の結果に全て紐付けられています。そして、その結果が合格であろうと不合格であろうと、皆さんが歩んできた道の価値が落ちることはありません。 「鍛錬千日勝負一瞬」。何度も伝えてきた言葉ですが、合格発表は一瞬の出来事です。それよりも鍛錬を重ねてきた何日にも及ぶ日々の方がずっと価値のあることです。入試当日、真冬の大冒険のジャンプに失敗してしまったかもしれませんが、それよりも果敢に挑戦したことにこそ価値があります。 ◆13期生。一年間このブログでも書いてきましたが、多くの子が課題をやらず、最後まで有耶無耶な子もいたことは事実です。そういう点では反省は必要です。しかし、受験という種目において、塾でも予備校でも学校でも家庭でも、頂上に登れた子達が賞賛され、そうでない子達はまるで敗者のように扱われることがありますが、私は頂上にたどり着けなかった子達一人ひとりの成果を今改めて見つめてあげたいと思います。 今皆さんがいるのは富士山で言えば何合目でしょうか。あともう少しで合格したかもしれない9合目にいる子、まだまだ頂上までは遠い7合目にいる子、もしかしたら5合目くらいをうろちょろしている子もいるかもしれません。しかし、いまはそこまでたどり着いた自分を賞賛し、残った部分は明日から登り始めてください。今日の所はそこまでたどり着いたことを私も褒めてあげたいです。 ある子は当日点はよく取ってきましたが、内申点が悪すぎました。筆記試験で高得点を取り、授業も真面目に受けたにもかかわらず、実技教科で3をたくさん付けられてしまいました。東京都の入試制度に負けてしまいました。ある子は塾の課題も遅れてはいましたが、どうにかやりきり、入試前も睡魔と戦いながらギリギリまで戦いました。私はあなたが受かるべきだったと考えています。今回は高校側があなたという素晴らしい人材を逃したと私は思っています。ある子は、数学で図形問題を全て正解でき、英語も本番で過去最高点を取れたとのこと。「落ちたけど、2科目だけ本番で頂点を経験することができました」と元気に話してくれました。病気や病魔と闘いながら頑張った子も私が知る限りで数名います。 不合格だった人は、15歳の2月という期限までに頂上にたどり着くことができなかっただけです。でも、人それぞれペースがありますから、頂上まで残っている道はこの3月に登り切ってください。合格した人より少し遅れてもいいのです。各自のペースで10合目へ向かってください。 もちろん、大学受験や就職活動では期日までに頂上へ行くことが求められます。今度は都大会ではなく全国大会になります。高校受験が富士山なら大学受験はエベレストです。46道府県から東京に集まってくる強者達との実力勝負です。それは高校3年間、何を考え、どう工夫し、どの程度頑張ってきたかの軌跡を争う勝負です。もう今から始まっています。 アメリカ第37代大統領のニクソンは「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ」と言いました。皆さんも自分自身が花開くまで、自分に水をやり続けてください。花を育てた人は分かると思いますが、花はなかなか咲きません。努力と時間と忍耐が必要です。そこでどれだけ我慢できるかが勝負です。 毎年毎年チラシに書いている「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」という有名な言葉がありますが、この言葉が人生の真実かもしれません。とにかく種をまき、水をやりつづけてください。「あのとき、高校に落ちて良かった」と思えるように、今回の不合格を正解に変えられるように、これからの3年間努力を続けてください。 春はまだ遠いですね。でも必ずくるはずです。素晴らしい13期生へ。大変だった分、本当に印象的な学年です。今までありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月01日 22時17分17秒
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