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2005.04.07
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カテゴリ:留学-生活編
前記事でROOTSについて熱く語ってしまったが、racial prejudice(人種偏見)というものについて、その複雑さを痛感したのは留学していた96年、カリフォルニア州で大学入学時のaffirmatve actionを廃止する法案を通すか通さないかで、大論争が巻き起こった時である。

このaffirmative actionとは、簡単に言ってしまえば「過去の人種差別の清算として、黒人、ヒスパニック、原住アメリカン等"マイノリティー"生徒は入学の際多少のひいきを認める」というもので、例えば入学志望者10人のうち10番目に同点の2人の生徒がいて、1人が白人、もう1人が黒人だったら黒人を受け入れる、というもの。

ホントはもっと複雑らしいが、あまりに複雑なゆえに、あらゆる側からあらゆる解釈がなされたわけだ。

affirmative action賛成派は、「マイノリティーが社会的、経済的低い位置にいるのは過去の差別の遺産であり、今、白人が犠牲を払って彼らを自分たちと同じ位置に立たせなければ格差は縮まらない」といい、反対派は「逆差別」「入学時に成績の低いものを入れたところで結局ドロップアウトするのがオチ」「過去のツケを自分たちが払うことはない」という。

興味深いのはマイノリティー側の反対派で「マイノリティーに対してそういう特別措置を設けること自体、白人のほうが優秀だと思っている思いあがりの証拠だ」という意見。

キャンパスの中に、あらゆる人種、あらゆる社会階級の生徒が集まっているので、生徒集会やクラスのディスカッションのほうが、新聞のニュースよりはるかに面白かった。

外国人学生はあまり関わりがないし(外国人には外国人の枠が保証されているので)、下手な発言をすると必ずどこかから「君はこの状況を体験していない(You have't lived in it)」と睨まれるので、傍観しているのがほとんどだった。各自が自分のpeopleや、brothers 'n' sistersを代表するかのごとく熱弁するのでどこにも属さない留学生は出る幕無し、みたいな。


全背景を把握するにはやっぱりそこに長いこと住んでいなくては分からないな、と思ったけど。あるディスカッションで出た友人(イスラエル生まれアメリカ育ち)の発言にはやけに納得した。

「大学への入学で大騒ぎするくらいなら、ゲットーの全小学校にコンピューターを設置して、先生の数と給料を増やして、子供の安全を保証するために金をつぎ込めばいいのに」


生まれた時から教育玩具を与えられ、少人数制の小学校に通い、大金を払わないとは入れない高校を経て名門大に入学、そんな億万長者の息子たちが成長して政治家になって法を作るのだから、外国人が意見するよりそっちのほうが怖いかも。

シュワちゃんやブッシュも、自分の子供を教科書すらそろっていない学校通わせれば、affirmative actionよりもっと良い政策が出てくると思うが。




結局、廃止案が通って私が卒業した年からは入学審査時「人種」は考慮されないことになった。廃止になった数年後、ロースクールへの黒人の新入生が0だったとか。






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Last updated  2005.04.07 06:27:32
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