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カテゴリ:シナリオ
「戦後最大級、町会神輿15基と氷川山車の連合巡行。神社境内から赤坂サカスへ 壮大な江戸絵巻が甦る」とのチラシが目に飛び込んできました。 私は2年に1度(前回は雨で流れた)行われるこの祭りには、ここ10年ほど連続して 参加しています。今年は4年ぶりに行われるので、勇んでビデオとカメラを持参して 出かけました。 そこで赤坂氷川祭の紹介と先週(9月13日)に見物した赤坂氷川祭連合巡行の様子 をレポートします。 1.赤坂氷川祭の歴史 氷川神社は全国で261社、都内でも68社が鎮座しており、麻布氷川神社・白金氷 川神社など地名を頭につけて区別しています。赤坂氷川神社は徳川八代将軍吉宗に より造営され、震災、戦災の災禍を免れた東京都の重要文化財指定社殿です。 境内には勝海舟が命名した四合(しあわせ)稲荷などの歴史遺産があります。祭礼は 江戸時代から行われ、宮神輿二基を氏子21ヶ町江戸型山車13本が警護している様子 が明治44年に奉納された絵図に納められています。今は縁結びの神社として知られて います。 2.江戸型山車について 今日の連合巡行は氷川山車「猩々(しょうじょう)」と町会神輿15基でした。猩々山車 は鉾台型山車で、二輪車の上に三層の構造物を持ち、最上部と二層で人形が上下でき るようになっています。これは江戸城の門を潜り抜ける工夫だそうです。一層は笛・太鼓 のお囃子と狐の舞などの舞台になっています。 3.赤坂氷川祭巡行 祭り期間である11日~13日の3日間の内、私が参加したのは神幸祭と言われる 13日。隊列は氷川神社を出発し、六本木通り・外堀通りを巡りながら、赤坂サカスを目 指します。私は実家が所属する町会のハッピを着て、妹家族と共に参加しました。 祭りの参加者は15基の神輿の担ぎ手を中心に3,000人強、隊列の全長は700mを超え ています。見物客を含めると1万5千人の祭りで、都内でも屈指の規模を誇ります。 朝9時より各町会を出発した15基の神輿集結によって、氷川神社の境内は芋の子を 洗うような混雑です。そんな中で、私は妹家族の到着を待ちました。 私: おお~い、こっちだ! 妹: すごい混雑で、ここに着くまでが大変だったわ。 先に食事を終えた一団が立ち上がった場所に滑り込んだ私たちは、早速、配布された お弁当を食べ、神社の出口付近に先回りして先頭隊が出てくるのを待ちました。 妹: 実は私、巡行の先頭から終わりまでじっくり見るのは今日が初めてなのよ。 あら、先導は天狗なのね。次はのぼり旗の一団、氷川神社の旗でしょうね。続い て人力車。乗っているのは地元の名士たちかな?高額寄付者だったりして・・・。 アラ、綺麗どころのお姐さんたち。赤坂芸者かしら?男姿の衣装とかつら・白塗り の化粧が目を引くわね。来た来た、山車よ。予想以上の高さだわ。子供たちも大 人に混じって綱を引っ張るのね。 山車の上の人形は何かしら?後で教えてね、お兄ちゃん。アッ、ようやくワッショイ の掛け声と共に神輿がやってきたわ。うちの町会は後ろの方だから、他の神輿を ゆっくり見物できるね。町会ごとにハッピの色とデザインが違うし、担いでいる時の 掛け声も違うのね。山車の順番はどうやって決めているのかな? お囃子の演奏だけではなく、子ども山車を神輿の前につけている町内もあるのね。 それぞれ独自性を前面に出そうとしているみたい。それが一段と、祭りを盛りあげ ているんだわ。 私: 天狗のように見えるのは「猿田彦」という道案内の神様だ。伊勢に総本社がある有 名な「猿田彦神社」の神様で、祭りでは必ず先頭を歩くよ。 のぼり旗・人力車そして男姿の芸者衆は「附け(つけ)」といって、江戸時代は山車 とこの曳き物・仮装行列の組み合わせが中心だったのでその名残りだと思う。 山車は江戸型山車の一つで、上のほうに乗っている人形は大酒飲みだという架空 の動物である猩々(しょうじょう)だよ。 この氷川神社には8台の山車があり、それぞれの山車には山車人形が乗っている んだ。現在修復中のものもあるけどね。 近年、隊列の順番はこの形で固定しているけど、町会の神輿の順番をどうやって決 めているのかは、知らないな。 妹: 東京の祭りはお神輿が中心でしょ。だから山車を持っているのは貴重じゃないの? 私: 実は江戸時代の祭りは「山車と附け」が中心だったんだよ。明治になって神輿に 変わってきたんだ。理由は明治になって町に電線が張り巡らされ、山車の運行が やりにくくなったことと、大震災や戦火で多くの山車を失ってしまったことにあるん だ。そこで、電線に引っかからない神輿が増えたんだという説がもっぱらだね。 だから神輿の祭りは明治以降のスタイルなんだ。猩々山車も修復をして復活させ たものなんだよ。 やはり山車があると江戸絵巻の雰囲気が盛り上がるね。もっといっぱい出してほ しいな。 祭りの隊列は都心の車道をゆっくりと、「ワッショイ」の掛け声そして笛や太鼓のお囃子 の音を賑やかに響かせながら進みました。沿道は多くの見物客でいっぱいです。 外国人の見物者が多いのも都心ならでは、でしょうね。 私: 高速道路の下を江戸絵巻の祭りが巡行するのも、なかなか面白い風景だね。 妹: さっきの休憩場所では、皆さん、肩が痛そうにしていたわね。それにしても、神輿の 大きさは各町内で違うのね。外国の方の参加が多い町会もあって国際色が豊かね。 私: 神輿の大きさは町会の財力に比例しているのかもしれないね。どの顔も笑顔で いい。 神輿の隊列は無事に赤坂サカスの広場に到着し、連合巡行の行事は終了しました。 この後、神輿は各町会に戻り、祭りの協賛金を頂いた家の前を練り歩きます。高額寄付 者宅や会社の前では「サッセ、サッセ」の掛け声で神輿を全員で持ち上げ、担ぎ棒を平 手で叩いて謝意を表していました。 ビルの谷間を巡行する山車と神輿の列。都会の祭りもイイものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.09.21 06:50:40
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