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2016.07.25
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カテゴリ:シナリオ
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コン太: ハ~、ハ~、苦しい。
ミミ : そんなに息せき切って、どうしたの?
コン太: 待って。息切れしたから、ちょっと横になるよ。話はその後だ。ドッコイショ。
ポン吉: コン太、どうしたんだい?体がビショ濡れじゃないか。
コン太: ア~、疲れた。クタクタだ。
ミミ : ポン吉くん、あそこの川で水を汲んできてくれない?コン太に飲ませてあげたいの。
ポン吉: アァ、それがいいね。ひとっ走りで行って来るよ。
ミミ : 一体全体、何があったの?怖い目にあったの?
コン太: 怖い目?それとは少し違うんだけど、人間にバッタリと出くわしてしまったんだ。
ミミ : エ~ッ、それは大変!危ないじゃないの。どこで人間に会ったの?
コン太: ミミ、もう少しだけ休ませてくれないかい?
ポン吉: コン太、ほら、水を汲んで来てやったぞ。これを飲んで、ひと息ついてくれよ。
コン太: オォ、ありがたい。オレはここまで、すごいスピードで長い距離を走ってきたから、
     ノドがカラカラなんだ。ア~、ウマい水だ。助かった~
ポン吉: どこか遠くへ出かけていたのかい?
ミミ : ポン吉、大変よ。コン太が人間に出会っちゃったんだって。
ポン吉: エ~ッ、それはマズイじゃないか。
コン太: 確かにマズイんだけどね、オレにも事の成り行きが、よくわからないんだよ。何か
     に惹かれるように、ドンドン、ドンドン足が前に進んでしまって、気が付いた時
     には深い霧の中にいたんだ。長い間、坂道を登って行ったような気がしたけど、
     草むらを抜けて、坂道が緩やかになったと思った途端、目の前に人間がいたんだ
     よ。それも二人。
ミミ : 人間たちはコン太に意地悪をしなかった?
コン太: いや、何もしなかったね。ただ、立っていただけだよ。
ポン吉: 向こうもコン太に出くわして、ビックリしたのかな?
コン太: 多分、霧が深くてオレのことが見えなかったんだと思うよ。だけど、オレのほうか
     らは人間の姿が見えたものだから、一瞬、ゾ~ッとして全身の毛が逆立ったね。
     いや、オレの体は霧でビッショリだったから、実際には逆立たなかったのかな?
ミミ : 呑気なことを言ってる場合じゃないでしょ。人間たちはそこで何をしていたの?
コン太: そんなこと、分かるわけがないじゃないか。二人とも手に何かを持っていたけど、
     突っ立ったままだったよ。バシャバシャとか、パシャパシャって音が何度も聞こ
     えたけどね。
ポン吉: それって攻撃を受けたんじゃないの?
コン太: そうじゃないと思うよ。だって、何も飛んでは来なかったし、恐らくオレの姿は見
     えていなかったはずだ。というより、そう思い込むことにしたんだ。
ミミ : コン太に人間の姿が見えていたのなら、人間だってコン太が見えていたと思うけど。
コン太: そうかな~?でも、例え見えていたとしても、あの人間たちは僕を襲ったりはしな
     いような気がしたよ。なぜだか説明はできないけど、そう感じた。
ミミ : 直感で、そう思ったということね。
コン太: ウン。ただね、長老から万が一、人間に見つかってしまったと思った時には、決し
     て人間と目を合わせることなく、そ知らぬ顔で慌てず騒がず、ゆっくりと歩いて
     通り過ぎるようにって教わっただろ。だから、オレはそれを忠実に守ったよ。
ポン吉: 人間たちは追いかけて来なかったのかい?
コン太: そんなことはしなかったさ。もちろん、オレは少しばかりビビッていたから、後ろ
     を振り向くなんて事はできなかったんだけどね。あの人間たちには攻撃的な雰囲
     気を全く感じなかったな。でも、人間には違いないから、ある程度、離れた後は
     一目散に全速力で走って、ここまで帰って来たんだよ。どこをどう走ったのか、
     全くわからないんだ。かなり長距離だったことは間違いないけどね。
ミミ : 無事に、この村へ戻ることができて良かったわ。あまりムチャはしないでね。
ポン吉: そうだよ。本当は危機一髪だったんじゃないのかい。長老がこの話を知ったら、え
     らい事になるよ。
コン太: お願いだから、長老や両親には話さないでくれよな。オレだって、なぜ、あんな場
     所に行ってしまったのか、不思議でしょうがないんだから。何かに呼ばれたとし
     か思えないんだよ。オレ、どうかしちゃったのかな~。もしかしたら、あの人間
     たちが呼んだのかも知れないぞ。そういえば何となく、そんな気がしてきたよ。
ミミ : キツネのコン太がキツネにつままれたって、冗談にもならないわね。ただ、幸いな
     ことに、攻撃されることも無く、意地悪をされることもなかったんだから、この
     ことは誰にも話さずにいてあげるわ。
ポン吉: 僕も黙っててあげるよ。だけど、約束してくれないか。遠くへ行く時には、必ず僕
     とミミも一緒に連れて行ってくれ。仲良し3人組が一緒に行動すれば、何かが起き
     てもきっと助け合うことができるんだからな。忘れるなよ。
コン太: 分かった。覚えておくよ。心配させて悪かったな。ポン吉、さっき汲んできてくれ
     た水は、本当にウマかったぞ。急いで汲みに行ってくれて、ありがとう。君たち
     と話しているうちに、体も乾いてきたよ。これで、何事も無かったように、家に
     帰ることができるな。もう、腹がペコペコだよ。じゃあ、また明日。

コン太は知らず知らずの内に、思いがけない冒険をしてしまいましたね。動物村の仲良し3人
組も大きくなるにつれて行動範囲が広がり、危険なことに巻き込まれる可能性も高くなって
きたようです。
危機的状況になった時に、何とか切り抜ける知恵を身に付けるには、長老や親たちから多く
のことを学ばなくてはなりません。仲良し3人組が成長していく様子を温かく見守りたいで
すね。







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最終更新日  2016.07.25 08:01:35
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