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カテゴリ:シナリオ
動物村の住民たちが広場に集まって、緊張した面持ちで長老の話に耳を傾 けています。
たちが一直線に並んでユラユラとこちらに向かって進んでいて、 それがどうやら、この村の広場に降りて来る恐れがあるようだ。 もうすぐ、ここからも見えるらしい。
すぐに家へ帰れ。家から出るとお仕置きだぞ。ワシと村の役員た ちは木の陰から様子を見守る。安全が確認できたら、みんなに知 らせるから戸締りをして待っていなさい。
行物体の姿が徐々に、はっきりと見えてきました。
体は大きいのに軽そうで、しかも弱そうで、怖くなんかないぞ。
んかいられないさ。
二人の考えることなんて、お見通し。三番目はウサギよね。で も私は、あんなに太ってないわ。誰も武器なんか持っていない し、柔らかそうで、なんだか可愛く見えちゃうわ。
た飛行物は静かに広場に降りてくると、ユラユラと体を揺らしながら地面 に降り立ちました。 しばらく様子を見ていた長老と役員たちがユックリと近づき始めた、その 時です。最初にキツネの姿をした飛行物がフワッと浮き上がりました。続 いて他の動物たちも浮き上がり、一列に並んで、まるで踊るように空中で ユラユラし始めたのです。 突然浮き上がった大きな動物の飛行物に長老たちはビックリ仰天「ウワ~ッ!!」と大声を出して退散してしまいました。 少し離れた場所で、その様子を見ていた仲良し3人組も一瞬ひるみました が、いち早く冷静さを取り戻したミミは、周囲を観察し始めました。そし て、村で一番高い木の枝先だけが不自然な揺れ方をしていることに気付い たのです。
じゃないかしら。
な声じゃなくても風太郎には僕たちの声は聞こえるよ。 オ~イ、風太郎く~ん。
ね。面白いお土産を持って遊びに来たのに、誰もいないのでがっ かりしていたんだ。君たちはかくれんぼでもしているの?
こと?
もので、子どもたちがお正月休みに空へ飛ばして遊んでいた風船 というものなんだ。君たちの体の特徴がよく出ているだろう? 空に上がったものを集めてここまで引っ張って来たんだ。途中で 隊列が崩れないように、ここまで引っ張ってくるのは大変だった んだぞ。君たち、喜んでくれたかな?
かんでいるよ。でもね、風船を膨らませているものが中から抜け てしまうと、どんどんしぼんで小さくなり、やがてペチャンコに なるんだ。そうなると、もう元には戻らないよ。あの風船で遊べ るのは今だけだ。
ゃだから、怖くないって教えてあげたいな。
れるのは嫌よ。
に、村の住人を怖がらせてしまったようだな。すぐに風船を引き 連れて、この村を出ようか?
持って風船ににじり寄って行きました。でも、かわいいキツネやタヌキの 姿をした風船たちに襲いかかることができずにためらっています。 すると、長老たちの目の前で風船が急激にしぼみはじめ、やがてペチャン コになって横たわってしまいました。その様子をキョトンとしながら見て いた長老たちは、事情が分からないままながら、ホッとひと安心。
してくれという、君たちの注文には驚いたよ。3人組が風船で遊 べなかったのは残念だけど、ペチャンコの風船を風で巻き上げて 持ち帰ることにするよ。後で、長老たちがみんなに何と言って報 告するのか、見ものだな。
に持ってきてくれた風船なのに、とんだことになってしまった ね。
みんなを怖がらせないものを持って来てくれよな。
じゃあな。ヒュルル~~~
います。仲良し3人組も素知らぬ顔で広場に向かいました。それにしても、 風太郎はどんな手を使って風船をペチャンコにしたのでしょう? いくら考えても、3人組には解けない謎でした。
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最終更新日
2017.01.16 08:16:28
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