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カテゴリ:映画
12月4日(月)新宿オデオン座にて 2027年の近未来。人類は原因不明のまま、生殖能力を失ってしまいました。一番若い人間は18歳。つまりこの18年間、ひとりの新生児も産まれていないのです。 子供が産まれないということは、人類の滅亡を意味しますから、人間は絶望的になり、内戦やテロが頻発、ほとんどの国家は壊滅しました。唯一、強力な軍隊で国の体面を保っているのがイギリスです。 2006年アメリカ映画、109分。監督=アルフォンソ・キュアロン。原作=P・D・ジェームズ「人類の子供たち」。出演=クライヴ・オーエン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォーほか
少子高齢化により、日本の人口は減少の方向にあります。しかし、地球規模で見ると、それは例外的な現象でしょう。発展途上国では、人口増大が食糧や資源などに深刻な影響を与えています。増加率は抑制されているものの、深刻度は解消されていません。 本作のテーマは、人間による環境破壊への警鐘でしょうか。私見では、そうしたメッセージ性は読みとれませんでした。監督の意図がよくわからない、というのが正直な感想です。 感心したのは、ドキュメンタリータッチな映像です。ニュースフィルムを見ているようで、訴求性は「戦場のピアニスト」に負けていません。移民たちが住む廃墟は、戦後の焼け跡を思い出させます。つまりそれだけリアリスチックなのでした。 最後の銃撃戦。評判どおりの迫力です。赤ん坊を見る双方の兵士たち。その眼差しは神の子を見るような敬虔なものでした。このへんは、素直に評価していいでしょう。 ヒッピー風スタイルのマイケル・ケインには驚きました。怪演です。BGMもよく、特に「ルービー・チュースディ」が流れたときは、ある種の懐かしさがこみ上げてきました。ローリング・ストーンズの中では、もっとも好きな楽曲だったからです。 結論としては、秘められたテーマが曖昧で、映像と音楽以外は印象に残らない作品、ということになります。中途半端な映画、といっておきましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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