壁紙自然派

　秋彩の千畳敷カールです。

　カールの紅葉の主役はナナカマド。

　その色合いのあまりの見事さに、登る足を何度も止めて、シャッターを切ったのでした。

　３日、しらび平駅からロープウェイで一気に千ｍも高度を稼ぎ、標高2,612ｍの千畳敷駅に下り立ったのは午前7時40分。

　ここからほぼ垂直なコースを辿り、標高2,956mの木曽駒ケ岳へ向かいました。

　紅葉に彩られた千畳敷カールの上部に覗く鋭鋒は宝剣岳。

　木曽駒ケ岳はさらにその奥にあります。

　標高差はわずかですが、なかなかどうして、傾斜のきつい千畳敷カールを登りきるのは容易ではありませんでした。

　千畳敷駅に着いた頃は真っ青な青空でしたが、登る途中、上空にはぽこぽこと雲が広がり始めました。

　あと数時間したら、山全体が雲に覆われそうな気配です。

　案の定、下山時にはガスが宝剣岳の山頂部を覆うようになり、陽も射さなくなって、紅葉の鮮やかさは薄れてしまいました。

　その頃も、次から次へと登山者が上ってくるのですが、彼らには気の毒な天候です。

　私は、条件に恵まれました。




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