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果たして今週の市況は!
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果たして今週の市況は!

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2009年11月22日 楽天プロフィール Add to Google XML

22日の日記



…………………………………………

果たして今週の市況は!
第511号 2009年11月21日

…………………………………………


【国債発行増の混迷が深く、株価・為替が危険ゾーンへ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-


--◆税務改革の混沌、国債発行増の混迷、繰り返す金市場の最高値更新
--◆今後の注目点


【今後のポイント】


◇付録


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――


--◆株価が大きく後退も、戻り鈍く
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 日本政府は、現在の日本景気を「デフレ」と認識、収入不安がある上に販売
価格が安くなる状態であることを認めた。日本銀行も政府の認識とずれは無い
とし、約3年ぶりに日本経済はデフレへと再突入した。


 デフレの状態であるとは、物の価格が下がる状態を指し、物が売れないので
販売価格を下げて消費者に刺激を与える。しかし、昇給が無い(お給料が増え
ない)状況では、支出を抑える行動が出て、安くても節約志向を強くする。そ
のため、さらに特売等の手段で安い商品を提示する。ここまで悪化すると「デ
フレスパイラル」とも呼ばれる。要約すれば、全面的な景気の後退が深く進行
し始めた、と言えるのではないか。


 余談だが、デフレの状態で、しかもスパイラルデフレにまで陥った場合は、
現金を沢山用意できる人は強い。モノが安い、つまり買い手が少ない状態では
企業も弱気になり、買いたい人には売りたい心理が働く。やがてデフレが脱し
たあたりに買ったものをさばく、というやり方が出来る人は強いだろう。


 話がそれたが、鳩山政権は来年度の予算額は、収入より40億円以上多い、
としている。全額を国債でまかなうようだが、国債とは借金証書のこと。過去
最高とも言われる額を借金して、日本経済を持たせようとしているようだ。


 いま政府では「事業の仕分け」と称して、一度決まった予算の引き剥がしに
躍起になっている。


 つまり、一度決まった景気対策を引き剥がすことで、目先のところは景気に
対して良く働かないことは明らか。また、長い目で見ながら行なっている事業
に対してもムダと判断して、予算の引き剥がしに躍起だ。つまり、日本景気の
先行きは次回に決まる予算次第ということになる。


 世界景気に引きずられるように、日本景気も下げ始めている。輸出が好調だ
った、麻生政権の景気対策が有効だった、その間は統計上も日本景気が浮上し
ている様子が伺える。だが、景気対策の息切れ、さらに海外各国の景気低下、
そのうえ予算の引き剥がし。もうこれで日本景気を助長させる支え手は、殆ど
無くなった。あとは倒れ行くままだろう。私はそれほど深刻に考えている。


 伸長する失業率、扶養控除廃止などに伴う増税(前回号参照)、後期高齢者
医療制度の廃止、下落が止まらない株式市場、進む円高、荒れる債券。


 だが日本政府からは緊張感が伝わらない。株価は9500円を割り、円高が
1ドル88円台まで進んだ。内需の進まない日本では、輸出産業に与える影響
は無視できない。ただでさえ海外市況が良くないのに、円高である。


 先行きが見えない日本経済に対して、外国人の買い意欲は殆ど見えず、アメ
リカ株式市場に歩調を合わせて下げても、歩調を合わせて上げてはくれない。
債券市場でも国債の大量発行について乱高下を見せ、売り買いが激しい。債券
市場でさえ混迷を深めてしまい、逃避先として金市場へお金が流れるのも納得
のいくところ。



--◆今後の注目点
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 さて、国内要因ばかりだけ目を向けがちだが、海外要因、特にアメリカ経済
の落胆振りには目を向けざるを得ない。


 民主党政権内にも、日本の平均株価が下落しているのはアメリカの影響だ、
円高なのもそのせいだ、だからここまで株式市場が下げてしまっても、ドルが
安くなっても仕方が無い、と考える人が多いのではないか?来年度予算で景気
を刺激するからそれまで待ってくれ、と悠長に構えていないか?


 確かにアメリカ経済とは無縁だとは言わないが、アメリカ経済の下落のせい
にして、目先の火事を放置していないだろうか。自力で火を消す(景気対策)
努力を先延ばしにしていないだろうか。国内消費(内需)を増やす努力をどう
やっているのか。各省庁は何か指示を受けただろうか。


 株式市場が9000円を割るかどうかは判らない。この状況ではテクニカル
要因(出来高や過去の実績を見ながら予測すること)と言うよりも、心理的な
要因が市場の行く先を決めかねない。


 世界各国がアメリカという大消費国へ物を売ることで潤ってきた流れが変わ
らないとするならば、アメリカ景気の動向に注意を払うべきである。ドルの動
向とユーロの動向が、日本円へどう影響を与えるのか、全く予断を許さない。


 インドや中国など新興国への輸出は、決済通貨として現地通貨を使うことも
あるが、まだドルが主役と言える。円とドルの関係に片寄りがあれば、当然、
輸出が増えたり減ったりして企業も先行きの動向に明暗が出る。



 ここへ来て、アメリカドルも日本円もキャリートレード通貨として再認識さ
れているようだ。両国とも混迷が深く、政策金利が低いままであろうという考
えが多いようだ。つまり政策金利が低いとは借金金利が低いことをさす。


 もう1つのイギリスポンドもほぼゼロ金利政策であり、量的な緩和を続ける
国である。一時は異常政策の終焉についても話に出るほどだったが、さらに緩
和政策を継続させると発表している。お隣ユーロも0.5%と低い金利を維持
し、景気刺激を継続している。


 このままデフレにおちいる国が増えてくる可能性もある。その場合は物価が
さらに安くなる可能性もある。


 以前デフレに陥っていたのは日本だけだったが、今度は世界中を巻き込んで
のデフレになると考えると、混迷深まれり、なかなか物価の上昇圧力は生まれ
てこないだろう。非常に長いスパンで投資を考える必要が出てきたのではない
だろうか。


 株式市場の下落が、為替の円高が、債券市場に波乱が続くようでは、投資で
きないと見てよいだろう。何も一番最悪期に買わなくても良いのである。下落
進行中はどうしても買いたくなるが、転げ落ちる最中に買った場合は、どこま
でも落ちる株価や為替を手放さないで保つことが出来るかどうか、よく考えて
から行動したほうが良いだろう。


 今年の2~3月のように、上昇気配が見えてから買っても良いのではないだ
ろうか。




[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 自ら公約に掲げた政策を行なうために、仕分けを行なっている民主党。政策
実行のためのお金を稼いでいるためですが、なかなか思うように行かず、大臣
に付いた人でさえ仕分け結果に反対する始末。・・・ですが政権1年目にして
は仕方が無いことかもしれません。


 ですが、日本経済の低迷については、仕方が無いでは通りません。9000
円割れ、8000円割れと続く場合、それに比例して民主党政権も短命になっ
てしまうでしょう。


 かなり批判していた強行採決まで行なった民主党政権。大分旗色が悪くなっ
てきたように見えます。


 景気対策の息切れに備えた政策の手立てが、私には見えてきません。つまり
息切れしたまま景気はどんどん坂を転げてしまうだろう、と見ています。政府
の危機感が見えてこないところに、私は嫌悪感を感じます。


 個人的には今の相場は、様子見です。




最終更新日  2009年11月22日 20時06分32秒
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2009年08月09日

9日の日記



…………………………………………

果たして今週の市況は!
第509号 2009年 8月10日

…………………………………………


【買われるドルと売られるユーロ】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-


--◆中印経済の好調がどこまで影響を与えるか
--◆進むドル高は100円を超えるほどなのか


【今後のポイント】


◇付録


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――


--◆中印経済の好調がどこまで影響を与えるか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 世界各地で、良い経済指標が出てきているようだ。アメリカの雇用統計然り、
ドイツの鉱工業受注指数など。また、短めのLIBOR(ライボー=ロンドン
銀行間取引)は連日低下を続けており、銀行の資金繰りに改善傾向が見られる。


 景気の行き過ぎを懸念する投資家をよそに、中国政府は海外の各国では景気
後退などで回復が遅れているため、国内では引き締めを行なわず、緩和措置を
続けていく、と明言している。


 中国元は、政府が自由な通貨のやり取りを認めていないため、米ドルのよう
な相場の変動はあまりなく、限られている。だが確実に人民元の国際化は進ん
でおり、アジア近隣諸国と決済通貨として協定を結ぶなどしてその地位を固め
ている。


 EUでは、まだしばらく回復の見込みは無いだろうとする一部の国の中央銀
行総裁の発言もあり、経済的な混乱は継続しているようだ。中国やインド経済
とあまり接点がなく、それらの恩恵はアメリカ経由もしくはアジア経由で受け
るだろうとする論調も多々見られる。


 総じて中印の景気回復は、経済構造の違いや通貨政策などが障壁となって、
そのまま世界経済を引っ張るまでの直接的な影響を与える訳では無いようだ。



--◆進むドル高は100円を超えるほどなのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 さて一方、イギリスでは中央銀行がさらに緩和措置を取る、として資産の買
取額を増額、市場参加者を驚かせた。悪化が止まったかに見えるイギリス経済
を踏まえてさらに金融緩和の措置を取るとは殆どが考えていなかったからだ。


 私のこの一報を聞いたとき、「最後の駄目押し」なのか「まだ先が見えない」
ためなのか、どうもすんなり消化できなかった。市場でも消化不良の様子で、
どちらかといえばこの政策は非難されているようだ。デフレを助長するものだ、
として。


 またFRBも、緩和政策を取る国である。どこで緩和措置を終了させていく
のか。その方法はどうなるのか。景気回復を見届けないうちに始めるのか。現
地時間の11日~12日に開かれる会議でどのような結果が出るのか、注目が
集まる。


 以前からクドイようで申し訳ないが、アメリカ金融機関が抱える不良債権を
切り離す話はまだ結果・効果が出ていないと思われ、厳格な情報開示と適切な
処置が出来ない限り、どこか聞いたことも無い大きい金融機関が破綻するとし
て経済不安を再燃させないだろうか。


 金融機関のストレステスト(その名の通り厳しい環境下(ストレス)を与え
られても経営に問題ないかというテスト)を受けて、問題のある銀行は無いと
しているようだが、証券会社は問題ないのか、保険会社は問題ないのか、など、
疑い出したらきりが無い状況であるにもかかわらず、あたかも景気が良くなっ
てきたかに見える指標を見て、アメリカ市場は上昇を続けている。


 私の立場は複数の専門家が指摘するとおり、一時的な上昇なのではないかと
見ている。つまり企業が絞りすぎたその反動なのではないか、との疑問を払拭
する材料が無い。


 私のスタンスはまだ様子見である。




[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 海外勢による日本株式の買い姿勢が強いようですが、私は逃げ足の速い資金
の流入なのではないかと疑って止みません。同じく資産運用市場である債券市
場でも値崩れの様子は見えず、株式市場の魅力が出てくれば債券市場は徐々に
その騰勢を弱めるはずですが・・。


 同じ意味で、金市場でも高値圏での推移が続いており、上申を続けるアメリ
カ株式市場、翻って日本株式市場もどこで崩れるのか、怖い思いで見ています。




 
◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆

付 録


1.

 皆さんこんにちは!


 今度の土曜日に東京で開かれるセミナーがあり、傍聴に招かれました。前回
号でもお話しましたが、私は澤上さんのファンで、是非、話を聞いてみたいと
思います。セミナーの様子はここでもご報告します。ちょっと長いのですが、
セミナーの再掲をします。




●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

      『21世紀の幸せ、夢、お金の考え方』
        ~本田健×澤上篤人×早川周作~
http://www.jlh.jp/seminar0815/index.php
           <セミナー概要>

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

大不況時代でも成功する方法、
あなたの理想の未来に近づくヒントがここにあります。

100年に1度と言われる世界的な不況に、

個人はどうやって生き残っていけば良いのか?
何を考えて、何をすれば良いのか?
事業の縮小、ボーナスカット、突然の退職勧告、・・・
現実的な問題に直面してからでは、遅すぎます。

問題解決は、問題が起きる前に準備しておくことが大切。
でも、どうしたらよいのでしょうか?

それに対する明確な答え、かつてないノウハウを
教えてくれる、日本でトップクラスの3人が集まります。

本講演会に参加された皆さまが、
「明日から使えるお金の考え方、新しい時代のヒント」
が得られることをお約束します。

皆が休んでいるお盆のときこそ、その他大勢から
抜け出すチャンスです。

これほどの豪華メンバーが集まることは、もう二度と
ありません。

お会いできることを楽しみにしております。

【申し込み方法】
下記のページの申込フォームからお手続き出来ます。
http://www.jlh.jp/seminar0815/index.php
※記載情報は内部資料とし、外部には公開いたしません

【開催日時】平成21年8月15日(土)13時~16時

【スケジュール】

13:00 ~ 13:40  本田健氏  講演
13:40 ~ 14:20  澤上篤人氏 講演
14:20 ~ 14:50  早川周作氏 講演
15:00 ~ 16:00  パネルディスカッション

【会  場】東京商工会議所4F 東商ホール
http://www.tokyo-cci.or.jp/side_m/gaiyo/tizu.html

【定員】
500名(満席になり次第募集〆切)

【会  費】
お1人様 5000円  
ペア割(お2人様)8,400円

【詳細は、以下をご覧ください。】
http://www.seminars.jp/user/seminar_d.php?sCD=28460

<講演テーマ>

大不況と言われる2009年。
21世紀の幸せとは何か!?
21世紀の夢とは、何か!?
21世紀のお金をどのように考えるか!?
このセミナーで21世紀を生き抜く賢明な方法を…

講師経歴、講演詳細は以下をご覧ください。
http://www.seminars.jp/user/seminar_d.php?sCD=28460

【申し込み方法】
下記のページの申込フォームからお手続き出来ます。
http://www.jlh.jp/seminar0815/index.php
※記載情報は内部資料とし、外部には公開いたしません



2.


 台風が近づいています。夏ですね。これが無いと季節感がありません。です
が強い湿気はいかんともしがたく、洋服や機械に悪い影響を与えて私も閉口し
ています。皆さんも喪服などをチェックしてみてください。カビが生えていた
ら大変です!



3.

*果たして今週の藍(あい)は! 9月28日生まれ 7歳11ヶ月


 「藍、夏休みで中だるみ」


 私は仕事の繁忙期で、中々本の読み聞かせ、ピアノの面倒などを見てあげら
れません。


 最近は公園にも連れて行けず、可哀想なことをしていると自覚しています。


 ですがちまちまと色々なものへ応募していまして、先日は日本科学未来館(
東京都港区)で開かれている「消えた生き物の謎と秘密」の無料チケットや、
「金融庁へGO!子供見学デー」の20名抽選に当選したりと頑張っています。


 「消えた生き物~」展は、日経ナショナルジオグラフィック社が主催で、様
々な展示や工作を見せてくれます。「金融庁へGO!」では、経済教育のお話、
与謝野大臣室の見学などがあるそうです。まだ藍には早いですかね。ですがこ
れをきっかけに、お金の大切さに少しでも興味を持たせられれば、と考えてい
ます。



◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇
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┃◆◆<一人で出来る!株投資株貯蓄>
┃◆◆

┃資産運用についての根本的な解説を、平易な言葉で時事に沿って提供
┃資産運用について長期運用の理解を深めていくメールマガジン
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最終更新日  2009年08月11日 23時33分55秒
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2009年03月21日

【景気回復までの時間が短くなった可能性】


…………………………………………

果たして今週の市況は!
第507号 2009年 3月20日

…………………………………………


【景気回復までの時間が短くなった可能性】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-


--◆落ち着き始めたLibor
--◆国債の買い取りとドルの手放し
--◆意外と効果が高そうな定額給付金


【今後のポイント】


◇付録


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――


--◆落ち着き始めたLibor
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 昨年からこのマガジンをお読みの方であればお分かりだと思うが、「どこで
この経済ショックが終焉したと判断するのか」の問いに対する1つの目安とし
て、LIBORの動きについて何度も触れてきた。


 LIBORとはロンドン銀行間取引のことで、銀行同士でお金を貸し借りす
る市場を指し(ちなみに東京にも同じ機能の市場がありTIBORと呼ばれる)、
翌日返却のもの(オーバーナイトと呼ばれる)、1週間もの、1ヶ月もの、3
ヶ月ものなどがある。様々な金融機関が参加することで知られ、世界中で注目
される指標の1つだ。


 このところ、LIBORは落ち着きを見せており、貸し借りに掛かる金利が
一時期より低下している。この変化は、イギリス中央銀行が国債を買い入れる
と発表してから、とも言われ、良い傾向である。つまり、銀行の目先の資金繰
りが良くなってきている事を示す。


 低下する前までは、商品価値が値下がる前に換金をしたいものが多く居て、
ドルの需要(欲しがる人)が盛んに増えて、それに伴ってドルの貸し手が減っ
てしまった。その影響を受けて、ドルに関する金利が上昇していた。


 アメリカ中央銀行は、スイスやカナダなど5カ国と共同でドルの放出を依頼
したがそれでもLIBORは異常に高いままだった、という状況だった。


 当然、市中の機関投資家(お金の運用を行なうプロ)等もドルに関わるお金
の借り貸しに高い金利が掛かり、各国の政策金利を低めに誘導しているとはい
え、高止まりの状況は改善していなかった。


 さて、低下を受けてFRBは、アメリカの景気回復時期を見定めようとして
いるようだ。LIBORの金利低下は、各国が様々な政策を発表してきたこと
の現れであり、今後もこの流れを継続させて行くと見られる。


 ところが、短期の金利は下降を示していたものの、長めの金利については、
改善傾向が余り見られていなかった。


 この件について実はFRBは、昨年12月にアメリカ長期国債の買取につい
て検討をしていることに触れており、「潜在的なメリット」ととして評価して
いた。1月の声明文にも同様なことが書かれており、1月の政策決定について
唯一反対を示したラッカー氏は国債の買い入れを主張した。


 そこで今回のFRBの声明では、長めの国債の買取を表明。今後6ヶ月の間
に最大で3000億ドルを使う、と表明。為替市場では真っ先に反応を示し、
ドル売りが先行した。一体これはどういうことなのだろうか。



--◆国債の買い取りとドルの手放し
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 昨日のFRBの会合では、長めの国債を買い取ることを表明(一部報道では
買いきりとも言われている=買い取った債券を市場へ戻さないこと)、為替市
場では、一斉にドルが世界各国の通貨に対して売られ進んだ。円ドルはユーロ
ドルに押される格好で円が買われ進み、ついにはロンドン市場で93円台まで
円高が進む。


 私はここで疑問に思った。


 FRBは国債の買取を表明した。大規模な資金を使って、だ。狙いは長めの
金利の低下を狙っていることは明白で、民間企業も長めの債券を発行できない
などの報道を見ていたので、国債の買取は適切な施策なのではないかと感心し
ていた。


 現にLIBORの長期金利は大幅に低下。アメリカ債券市場では約20年振
りとも言われる大幅な金利の低下(価格の上昇)が見られ、中央銀行の思惑が
市場に反映されている。


 つまり金融の状況は改善傾向が出てくる可能性が強まったというべきで、金
利の低下=借金金利の低下が企業活動の活性化を招き、景気回復の一助となる
はずだ。


 ところが、ドルは一斉に売られ進んだ。一部の報道では売られ進んだ原因に
ついて「国債の金利低下を嫌気したドル売り」とも言われている。


 この見解に私は与しない。前回号でも話したが、金利の低下を嫌気するとい
うことは、満期まで(償還まで)債券を保有するものの取る戦略。つまり、保
険会社等の機関投資家が取る戦略だ。そのような彼らが大量の保有債券を即座
に売るという、俊敏な動きを見せるとは思えず、ドル売りは他の意思があるよ
うに思えてならない。


 今回のFRBの声明の中で「バランスシートを一段と拡大する」とある。


 私が疑問解消できていないのがこの言葉で、バランスシートの拡大、つまり
FRBが抱える資産を拡大させるということだ。


 今回の表明で、政府機関が保証するモーゲージ担保証券(住宅に住んでいる
ものが死後に住宅を処分し、返却する前提で金融機関からお金を借りること=
モーゲージ=を集めて1かたまりにした証券)の買取増額も併せて表明してい
る。さらに、政府機関が発行する債券の買い取り増額も決めている。FRBが
所有する資産が増えることを意味している。


 だが、住宅市場の下落に歯止めが掛かっていない今、これらの資産は目減り
が激しい。そのようなものの買取を行なって、住宅市場のてこ入れを図ってい
く、としているが、FRBの懐具合が徐々に痛んでいくのは誰の目にも明らか。


 果たしてFRBの懐具合はどこまで痛んでいってしまうのか、痛んだ場合に
どうなってしまうのか、一体誰が手術するのか、恐々と見守っていくしか手立
てが無い。



--◆意外と効果が高そうな定額給付金
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 一方、話を国内に戻すと、国内の株式市場は取引量が細いながらも上昇を続
け、あわや8000円を回復、というところまで来ている。


 以前バブル崩壊後に8000円を割った時点では相当な緊張感があったが、
現在の株式市場を取り巻く環境を見ても、以前ほどの緊張感は余り見えないよ
うに感じる。だからどうした、という反応が多いように感じるのは気のせいだ
ろうか。


 もうすぐ年度末を迎える。各企業は悪い数字を示すだろう。年度末決算が発
表される4~5月が買いどきなのではないか、と予想した。


 不況の波がいつまで続くのか、ということに対してFRBは、年内後半に、
上昇傾向を示すのではないかとしている。


 もし輸出依存を日本が続けるならば、アメリカ景気の回復時期に併せて回復
傾向を示してくるのではないだろうか。アメリカ景気の回復は、中国等からの
輸出を受け入れることも示すと思われる。つまりアメリカや中国などの景気が
上がってきてから日本景気も上昇を示すのだろう。


 従来からもそうであったように、世界の景気動向に逆らって日本のみが景気
を回復するという構図は考えにくい。輸出依存型経済だからだ。


 それが悪いとは言わないが、国内の消費を増やさないと、日本景気の回復は
来年以降に持ち越し、という事になってしまうのではないだろうか。


 その意味では、今回の定額給付金を狙ったセールの登場や、地域振興券と絡
めて商売する、給付金に関する書類を持っていくと中身を1割増で売ってくれ
る等、非常にたくましい商売根性であり、心強い。
給付金を銀行等に預ける心配から今回の施策の評価が非常に低いが、こういっ
た民間企業の知恵が国の施策と相まったときに大きな効果を発揮する。


 今後も定額給付金に絡んだ商売を沢山生んで欲しい。ひいては内需の拡大に
繋がって欲しいと強く念ずる。


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 何故か判りませんが、アメリカでは、モラルハザードについての議論が大き
くなってきています。AIG役員に対する巨額な報酬など、政府管理に入って
いるのに税金が報酬に流れるとはどういうことか、と。


 バブル崩壊後の日本でも似たような議論が百出しました。日本とアメリカで
は国土や人口構成なども違うので一概には言いませんが、オバマ氏の支持率に
疑問符が付いているとも言われます。


 また問題なのが、イギリス政府のゼロ金利政策です。円、米ドルに続き3通
貨目となり、市場は日本円、米ドル、英ポンドで溢れかえり、その矛先がどこ
へ行くのか、偏りが(ひずみが)どこに出来るのか、非常に心配しています。


 景気底入れが見えてきた時、この溢れかえったお金をどう整理しなければい
けないのか、各国の思惑もあり、日本も長い期間続けていることもあり、あま
り良い議論は聞こえてこないと思います。


 アメリカ住宅市場の下落傾向は見えません。アメリカの各金融機関が保有す
る資産の切り離しに付いても決着していません。また、税務会計の非厳格化や、
銀行の体力(資本)の物差し(目安)についても緩やかにするなど、当初の予
定を徐々に覆す議論が目立ちます。


 まだまだ激動は続くはずです。目先に右往左往しないよう、気を付けていき
たい所です。




最終更新日  2009年03月21日 11時04分25秒
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2008年12月21日

【ゼロ金利でもドルキャリートレードが起きない理由】


…………………………………………

果たして今週の市況は!
第505号 2008年12月21日

…………………………………………


【ゼロ金利でもドルキャリートレードが起きない理由】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-


--◆ドルが全面安
--◆ゼロ金利、円とドルの違い
--◆為替と株式


【今後のポイント】


◇付録


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――


--◆ドルが全面安
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 先日、アメリカ中央銀行は、その国の最重要政策金利であるfederalfundの金利をほぼゼロとする発表を行なった。報道によれば、アメリカ史で前例の無い事だという。

 この政策により、アメリカ国内の優良銀行が中央銀行から借りることが出来る金利がほぼゼロとなり、またその銀行から借りる他の金融機関も金利がほぼゼロとなる。
 この事から預金金利はゼロに近づき、お金を貸す場合も非常に低利となる。日本人であれば身近であろう。ゼロ金利の始まりである。更にその上、アメリカ中央銀行は銀行はおろか各企業が保有する国債など様々な資産の買い取りも表明し、ドルを市場へジャブジャブ与えることも約束している。つまり、「量的緩和」政策である。

 アメリカを取り巻く各国だが、イギリス、スイス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、EUなど、様々な国の政策金利が下げている。しかも大幅な下げだ。
 上昇させている間は0.25~0.5ポイントの上昇幅だったが、0.75ポイント、1ポイントなどその下落幅は大きく、世界中で金利低下を進めている。それほど世界中での景気低迷の度合いが強いことを示して余りある。

 カナダドル、香港ドルなど一部を除き、アメリカドルは全通貨に対して下落。円ドルについても90円を割って一時87円台と、10数年ぶりともなる円高が進んでしまう。「アメリカ経済の先行きは悲観的=ドルの手放し」が進み、世界の基軸通貨としての地位を確実に落とし始めている。
世界では金市場へ投資資金が逃避している。金は利子を生まないが、確実に需要があると見込まれる点、従来から新興国も先進国も、金は普遍的価値があるとの意味において共通である点では、金買いは驚くことではない。

 アメリカ国債市場では、企業の先行きを悲観した投資家が株式市場から引き上げ先として投資資金の逃げ場となっており、3ヶ月もの市場では一時ゼロ金利となる様相まで呈している。
FRB(アメリカ中央銀行に相当)はそれほど経済の下降速度が強いとの認識で居るのだと、投資家は重く受け止めるべきだろう。

--◆ゼロ金利、円とドルの違い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 さて、日本円は、ゼロ金利と量的緩和という2つの政策を実施した中央銀行を擁している。日本銀行だ。
当時の日本円は景気の底辺あたりでウロウロしており、最悪な状況だった。そんな円を超低金利で調達、高金利へ投資を行うという「キャリートレード」が横行した。

 低利で商品を調達してそれを質屋に入れる。質屋から借りた資産を更に別の質屋に入れる。そうやって資産を元手の何倍にも含まらせる手法は、20数年前からアメリカやイギリスでは存在していた。
例えば低利で円を借り、日本国債(当時の格付け=シングルA、あるいはダブルA=投資適格)を購入して、それを担保に違う国のファンドを担保の数倍の規模で購入する。

 この手法が一般的に明るみとなったのは、ここ2~3年ではないだろうか。外為法の改正により個人が外貨を自由に保有できるようになったこと、市場が整備されて個人が参加しやすくなったこと、競争が進んで手数料が下がった事、などが挙げられる。

 アメリカドルは、この歴史を繰り返すだろうか。結論から言うと「ノー」だ。

 何故なら投資先が無い。円がゼロ金利だった時代は、世界では景気の上昇過程だった。BRICs始め、投資先は豊富にあった。EUもイギリスでもニュージーランドでもオーストラリアでも中国でも、身近な国の金利は、日本と比べて非常に高かった。
だが、金利を当てにしない投資は別である。つまり値上がり益だけを追及する場合はキャリートレードを利用して投資するのも考えられる。何せ元手は金利がゼロだ。
しかし、トレードに回すお金を持つところはほぼ壊滅。年金やファンドも資金の引き上げ方法に苦心しているはずだ。
どの国の株式市場も大幅な後退を余儀なくされ、時価総額が東京市場に肉薄していた上海市場では、大崩となってしまった。あれほどの投資資金が大量に抜け出てしまったためである。

 だが、アメリカのゼロ金利政策がいつまで続くのか不気味だ。日本円は長い間金利がかなり低かったため、行き過ぎた流動性の供給が世界経済へお金を流れ込ませることとなった(推測)。しかも日本円だけではなくアメリカドル
もゼロ金利を始めるのである。過剰な流動性では済まされないほどの流動性が市場に与えられるだろう。
スイスやイギリス、EU、カナダなどと特別に協定を結んで、ドルの貸し出しをお願いしているにもかかわらず、今度は自国内の各企業の保有する資産も買い取り、ドルを供給するというナリフリ構わないこの態度は過剰なのではないか?一体FRBはどうしてしまったのか?

 ロンドンでの取引であるライボー(LIBOR=ロンドン銀行間取引=世界中で注目される取引市場)では、まだFRBの満足する金利まで低下していないようだ。つまり、アメリカドルが欲しい人が多く存在し、ドルを貸す側が少ないために金利が下がらない。
以前から比べれば随分低下しているが、このLIBORの金利が、今後のドル政策を左右する一つの目安とみてよいだろう。

--◆為替と株式
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 さて、アメリカのゼロ金利政策という異常事態に直面しているが、それを踏まえて株や債権に対して、どう投資するのかを考えなければいけない。

 ゼロ金利であるということは、それほど経済がヨレヨレで頼りないと考えてよい。
今は外国人が冬休み。為替もアメリカ市場もさほど動かないのはそのせいで、決して行く先を楽観視しているためではない。

 ゼロ金利がいつまで続くのか予想は出来ないが、アメリカ景気がまだ下がり続ける事を考えれば

1.アメリカ向け輸出が減る(アメリカでは物が売れない。ドル安、自国通貨高になるので物が売れない)。
2.アメリカ向け輸出が減るため、中国等の新興国は景気を減速させる。
3.域内経済が強かったEUでは、アメリカ市場で失った金融機関の投資資金の穴埋めが難しく、金融機関は合併等で乗り越えようとする。融資基準も厳しく行ない、財務体質を強化する。
4.各企業はリスクを取った投資は行なわず、設備への投資も凍結。従業員の整理を行なうようになる。
5.収入不安を迎える従業員は財布の紐を締め、モノを買わなくなる。
6.企業は、輸出減、販売減により収益逼迫に直面する。

 どこかで聞いた話ではないだろうか。そう、デフレの進行懸念だ。収入が減るのに物価も安くなる。いつぞやの状況に逆戻りの可能性がある。

 金利が下がる。つまり株式市場は敬遠される。
 金利が下がる。つまり債券高となり、債券市場にお金が流れ込む。

 景気悪化が進む場合、中央銀行は中心金利である政策金利を下げる。預金利率も借金利率も徐々に下がる。お金を金融機関に預けずに、借金をしやすくしてお金の廻りに弾みをつけたい考え。

 今後クリスマス商戦の様子などがアメリカから聞こえてくると思われる。その芳しくない商戦をみながら日本株式市場は下げ続けるのではないだろうか。8000円を割っても不思議ではない。

 円ドルの関係では、さほど動かないのではないかと見ている。90円を割ったが、強い抵抗にあって90円台に押し戻されている。逆に言えば、90円割れが長く続くようだとドル売り円買いに対する抵抗勢力が消えたと考えてよいのではないだろうか。
市場では90円を割ったことに対するショックは大きいようで、80円台になってもどこまで円高が進むのか予想が付かないようだ。
円はいつまでも100円まで戻さないところを見ると、ドルの先安感は相当、根強いとみるべきではないか。

 アメリカのお家芸である自動車産業が大揺れに揺れている。もしあそこで、法的整理に当ててしまったら、アメリカ経済は腰砕けもいいところだろう。
確かに従業員への給料が高いのかもしれない、福利厚生に行き過ぎがあったのかもしれない。
それを是正する良い機会ではあるが、日本と違い、権利の主張が激しいお国柄である。長年の慣習を改めるのことはむつかしいのではないだろうか。

 アメリカドルはゼロ金利政策と量的緩和政策に出た。これ以上アメリカ景気が下げてしまった場合、他に手立てがあるのだろうか。その手立てを見ることが出来るだろう2009年は、非常に厳しい年となるだろう。

 この歴史的瞬間を生きる私たちは、生き証人だ。

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最終更新日  2008年12月23日 01時09分37秒
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2008年10月12日

【G7が事態を乗り切れていないことを自白】


…………………………………………

果たして今週の市況は!
第504号 2008年10月12日

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【G7が事態を乗り切れていないことを自白】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-
--◆銀行をつぶさない強い決意。IMFを最大限利用


【今後のポイント】


◇付録


[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――


--◆銀行をつぶさない強い決意。IMFを最大限利用
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 今回、ワシントンで今年最後の定例G7が開かれた。


 今年は年度が明けてすぐに起きたリーマンブラザーズの破綻。その影響によ
るAIGの経営不安と公的支援。サブプライムローン問題の火消しを誤ったが
ゆえに支払う代償は今後も続くことを、G7はその声明で明かしている。


 この声明は今後の世界各国の強い決意表明となっている。この決意表明が与
える世界各国の株式市場、為替市場、債券市場への影響は計り知れないだろう。
今回の声明を見てみたいと思う。(原文は財務省のページにあります)


 私が重要だと感じだ点は、


信用市場および短期金融市場を回復し銀行等が活動しやすい環境を作ること、
そのためには金融機関を公的資金や民間資金の投入で資本を増強できるよう整
えていくこと、
資産の正確な評価、透明性の高い開示、質の高い国際会計基準の実施、


 以上3点といえるだろう。


 最初の「信用市場および短期金融市場を回復し」とあるが、これはリーマン
が倒産した結果起きた現象だといえまいか。


 同社が保有や運用や起債した商品や債券は多く、それらの評価が市場で激減、
それを保有する金融機関は大きな評価減を余儀なくされるだろう。


 また、短期金融市場(CP=コマーシャルペーパー=企業の短期資金を調達
する方法=商品)は大混乱を迎えており、リーマンが破綻した結果、ついには
FRB(アメリカ中央銀行)が買い取る等を行なって安定させる旨の発表まで
飛び出す始末。短期金融市場の混乱で様々な業界の資金調達に支障をきたして
いた。


 アメリカでは、公的資金で銀行等が保有する不良債権を買い取る決議をして
も、幾らで買い取られるのか、買い取られても銀行が大きく損をして資本不足
(体力不足)に陥るのではないか、とも報道している。


 幾らで買い取られるのか、という点については、今年の春のG7でも今回の
会合でも明らかにしている通り、時価評価された金額ということになるだろう。
それ以上高い値段で買ったときに、国民が納得するだろうか。前回法案が通ら
なかったように、国民は無駄な税金の投入には敏感である。


 そのための厳しい会計基準の実施であり、透明性の高い開示であり、商品の
正確な評価を行なう、という声明である。


 資本不足に陥った場合はどうするのか。公的資金の導入について、今回の声
明で明らかにされた。これで資本不足に陥る金融機関は、一時国有化等の手段
でリーマンのように突然破綻する恐れが無くなるだろう。



 さて、問題はアメリカを超えて、欧州に幅広く影響を与えている。


 様々な国で銀行への公的資金の投入や、銀行の一時国有化、株式市場の停止、
預金者保護の上限を取り払うなど、様々な手法で動揺を押さえ込む様子が伺え
る。これは各国で対応しているが、EUではこれを暗に批判し、欧州で統一し
た救済を行なったほうが望ましい、としている。


 以前このマガジンでドイツやイタリア、イギリスやスイスなどと書いたが、
それどころではなかった。アイスランドに至ってはロシア中央銀行から支援を
受けるほどの狼狽振りだ。



 また先日は、FRBやECB(欧州中央銀行)、スイス国立銀行(中央銀行)、
カナダ銀行(中央銀行)、イングランド銀行(中央銀行)、スウェーデン中央
銀行が共同で、国の重要な政策金利を0.5%引き下げる、という報道も出て
きた。


 これを私は聞いたとき、さしてインパクトを感じずに「どういう意図でその
ような共同声明を発表したのか」理解できなかった。


 時間が経って振り返ってみると、


1.国際的な金融緊張の緩和を狙って金利を下げた
2.石油や資源などの市場では大きな下落が続き、インフレ(商品価格が上が
り続けること)懸念が大幅に後退した


 などとする意図があることがわかった。



 だがこの私の感触は、為替プレーヤーや株式市場でも同様に消化難だったよ
うで、市場に大きなプラス効果を生まなかった。かえってそれだけ深刻な事態
なのだ、という自覚を生んだとも言われる。


 かくして為替市場では一時円ドルが98円台を付け、ダウ平均株価は一時、
8000ドル割れ。日経平均も8200円台まで下げ、バブル崩壊後の最安値
7607円まで進むのではないか、とまで言われている。



 今回のG7の決定が与える影響は、長いスパンでみれば大きい影響力だとは
言えると思うが、目先のところ買いなのか売りなのか、すぐに判断が付かない
のではないだろうか。


 私の元にも、FX業者2社から注意喚起が来た。今回のG7表明が為替市場
に与える影響は大きく、振幅の激しい展開になるだろう、と。


 ますます商品の毀損が進んで、アメリカ株式市場が売られ進むだろう、と読
めるのか。アメリカ経済の下落を嫌気してドルが売られ進むと読めるのか。欧
州での政策金利下げを嫌気して、ユーロが売られ進むと読めるのか。果たして
私には目先の判断はつかない。



 だが、アメリカ景気の下落はこの先もまだ進む。金融機関が保有する不良債
権はまだ、時価評価されていないからだ。この評価が出来ない限り、公的資金
の投入も、金融機関に対する不安も、払拭されない。


 この評価が進めば、住宅市場の下落とともに怯える懸念もやや和らぐだろう。
バブル崩壊後の日本のように、しばらくは傷が癒えない状況が続くだろうと思
われる。



 アメリカ株式市場の下落は、ドルの下落も進むと思われる。欧州での金融機
に対する評価もこれから続々問題が出てくるだろう。EUとしての組織力の見
せ所といえる。ユーロも売られ進むのではないだろうか。イギリスポンドも売
られ進んでしまうだろう。


 どの国も政策金利を引き下げ、低金利政策の時代が幕を開ける。


 そうなると、低金利で我慢が出来ないバイヤーは何に投資をするのだろうか。
高利回りを求めるには、どうすれば良いのだろうか。


 明快な答えは無いが、恐らく有事の金、というのが1つの答えではないだろ
うか。株と為替と債券は関連性が高い。どれか1つに影響が及べば他の2つに
も関連が及ぶ。投資対象として古くから広く認知されているが故だろう。投資
信託が沢山設定されていることからも理解できる。


 不動産という答えも出てきそうだが、上場されたREITも初めて倒産を見
せるなど、その動きに予断(決め付けて考えないこと)は許されない。また、
消費が徐々に鈍る動きを見せている日本でも、賃貸料の取りはぐれなども懸念
要素として大きくなりそうだ。


 原油も将来は景気の低迷で消費が活発化しないのではないか、と見られて、
どんどん投資資金が抜け出ているようだ。産出国では1バレル100ドル以下
では売れない、などと発言する官僚も居たようだが、全く状況は変わってきて
いる。



 日本は驚くほど平穏といえる。大和生命やニューシティ・レジデンスの倒産、
AIGの影響でAIGきらめきやアリコの売却など日本でも無縁ではない。
だが、バブル崩壊後のような惨憺たる状況から見れば驚くほど平穏といえるだ
ろう。


 投資性の高い生命保険、為替商品、債券商品は大きく値を下げ、毀損してい
るはずだ。皆さんも無関係ではないだろう。見直しの良い時期といえる。




[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 まだ、サブプライムローンの行き過ぎに対するゆがみの訂正は、リーマンの
破綻やAIGの対応などでは終わらず、その行き先はまだ底が見えません。


 世界各国で協調して政策金利を引き下げて対応するなど、その横の連携は、
目を見張るほど素晴らしい動きですが、今後の対応については、新興国への対
応を含めて、まだ波乱含みといえます。


 アメリカ1国の問題では収まらず、世界的な混乱を招いたいま、一体何に投
資をすればよいのでしょう。


 アメリカ国民の多くが投資している401k(確定拠出年金)。アメリカ株
式市場の急落で、一体どれだけの国民の年金が減ってしまったことでしょう。
それほど、アメリカ国民は真剣に現状を心配しています。



最終更新日  2008年10月13日 01時02分06秒
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2008年09月28日

【米FRBが将来像を示す】



…………………………………………

果たして今週の市況は!
第503号 2008年 9月28日

…………………………………………

【米FRBが将来像を示す】
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―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-
--◆海外経済の減速と日本経済の未来像

【今後のポイント】

◇付録

[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

--◆海外経済の減速と日本経済の未来像
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 先日アメリカの中央銀行に相当するFRBの議長が、こんな発言をした。「
アメリカは今後、潜在成長率(すべての設備と働ける人の労働力)を大幅に下
回る成長率となるだろう」(趣旨)。


 つまり、この先アメリカ経済は大幅に減速するだろう、としているのだ。


 世界経済第1位の国の経済の監視を続けている組織の長の発言だ。これを否
定するには相当の根拠が必要だろう。差異はあってもハズレは無いだろうと考
える。つまり信用に値する発言と見てよい。


 これを元に様々なシミュレーションを描かなければいけない。つまり、アメ
リカ経済が減速すれば


(1)世界中でアメリカ向け輸出が減る
(2)これまで伝統的な投資対象(株や債券)が好調であれば原油市場は縮小
してきたが、原油市場の高騰がぶり返す恐れがある。
(3)中国やロシアなどでも、独自に成長路線を描けるほどの力強さは疑問。
(4)域内経済の盛んなEUでさえ、ドイツやイタリアの失速に足を引っ張ら
れる。
(5)アメリカ経済の減速はドル安を招く可能性が高い
(6)イギリスやスイスの経済は予想以上に減速が早い見込み
(7)外国人投資家は海外投資を縮小させる見込み


 まだこれ以上にも影響があると思われるが、今回のアメリカ証券会社の破綻、
アメリカ第1位の保険会社破綻といった事態にまで追い込まれた今回のサブプ
ライムローン(借り手の信用度が低い人向けの住宅購入資金貸付)問題は佳境
を迎える。


 さて、ここで面白い見解が見られている。面白いというと大変失礼な言い方
かもしれないが、ここで紹介したい。


 日本銀行の副総裁は、日本の景気停滞は一時的なもので、長くは続かないだ
ろう。その根拠に設備過剰や雇用過剰、債務過剰という状態ではないこと、金
融の世界は他国と比べて比較的平穏であること、金利は実質はゼロ以下である
こと、を述べている(趣旨)。


 私はこの観点に疑問を呈したい。


 経済が現在どういう状態なのかを点検するときに、何に着目しなければいけ
ないのかという点について、日本銀行の会議では散々話し合われている形跡が
ある。


 国内総生産指数(GDP)、雇用情勢、鉱工業生産指数、企業の社長による
先行きの見解(業況判断指数)、物価指数(消費者、生産者)、マンション等
販売戸数、貿易収支、M2+CD(現在はM3=市中の通貨流通量)などなど、
これ以外にも様々な景気動向を勘案して、景気が上向きなのか、下がる傾向を
示していないか、異常な数値を示す統計は出ていないか、政策変更で将来像が
変わってきたのではないか、等を毎回確認している。


 これに加えて海外市場の動向がどうなっているのか、どうなっていくのか、
を勘案しなければいけない。鎖国をしている訳でもないのに海外の経済事情を
抜きに、日本の経済事情を予測できるはずが無い。


 今回副総裁は、バブル崩壊後のアダとされてきた3つの過剰(設備、雇用、
債務)と国内の金融事情の平穏、実質的なゼロ金利の3点を根拠としているが、
その3点が原因として経済が上昇を始めるのだろうか。


 日本は永らく構造的に、海外への輸出で経済が回ってきた国である。資源が
無いので仕方が無いとの意見も聞こえるが、国内の需要(内需)を満たす手法
も模索されたが、従来のバラマキ(要らないダムを作る、道を作る等)では、
限界があることを日本は理解した。


 だが海外輸出が好調なときでも、日本経済は停滞を続けた。この原因につい
てはまだ誰も明快な答えを出していないと思われる。


 株式市場が停滞していたのも、日本経済が停滞を続けていた遠因となってい
るとも言えるのではないか。外国人による日本投資が途絶えてしまい、お金が
入ってこない。日本国民は利率の高い国の商品へ投資してしまい、どんどんお
金が国外へ出て行ってしまう。


 つまりお金の回り方の変化が明らかに生じていて、それを把握できる適切な
指数が無いのではないか、と勘ぐっている。


 それはともかく、海外経済の停滞・減速が招く将来像には、日本景気の停滞
より良い状態は想像できない。日本だけが独自に景気を回復する、というのは
考えにくい。根拠薄弱としか言えない。


 思い切った政策、例えば介護保険料は向こう3年間は徴収しない、退職した
60才代の層が働いても所得税を徴収しない、など誰も考えないような思い切
ったアイディアが出てくればビックサプライズとなって株式市場や円を上昇さ
せるだろう。




 麻生新内閣は、早々に大臣を罷免した。余り良くない兆候である。


 個人的には麻生氏の孤軍奮闘振りは評価したいが、回りが付いて来ていない
感が強い。マスコミの報道どおり、解散・選挙までの暫定なのか、という残念
感が付きまとう。



 今はアメリカで大事な法案が通るかどうかで市場は混乱している。恐らく通
過するのではないかと見ているが、通過しても、今回のサブプライムローン問
題に出口を提供する、という事であって、アメリカ経済の減速をすぐに止める
ことは出来ないと考えている。


 今後も年末から年度末に掛けて、景気の減速感が強まるだろう。


 株式市場等の投資先が不安定、もしくは低調になると、投資先を失った投資
家は再び原油市場に戻るのではないか、と見ている。もしくは資源市場かもし
れないし、穀物市場かもしれない。


 現在は円はハイリスク通貨として見られており、円を使った投資を回収(円
買い)する動きを見せている。また、違う見方として、金融市場が混乱してい
ない通貨として買われている、との指摘もあった。


 どちらにせよ、日本経済を好感して買われている訳ではないことは確かなよ
うだ。海外経済が落ち込むであろう場合は、アメリカドルを嫌気して円/ドル
が買われ進む可能性が強いのではないか、と見ている。



[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


今回はリーマンブラザーズの破綻、AIGの救済など、前代未聞の状態を招い
ています。


更に証券会社の上位2社が、銀行として持ち株会社化するのをFRBが認めた、
とする報道もありました。2社は銀行としてFRB(中央銀行)の管轄下に置
く、という事なのではないかと報道されています。


以前も書きましたが、国をまたぐお金のやり取りがある場合に、銀行が倒産し
てお金の流れが止まってしまうと混乱が国をまたいでしまう事から、銀行が国
際業務を行なうためには、ある程度守らなければいけない規定があります。そ
れを今後は踏まえて営業を行なわなければいけない事となります。


証券会社はハイリターン商売を行なうことが出来た反面、ハイリスクを伴いま
す。FRBは大手は今後そういうハイリスク取引を許さない、という事なのか
もしれません。


アメリカのこの動きは、海外にもいずれ飛び火すると思います。アジアや欧州
のリーマンの跡を継ぐ日本第1位の野村証券ですが、果たしてどのように展開
するのか、見ものです。




最終更新日  2008年09月29日 22時33分00秒
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2008年09月14日

【金融に激震。世界中で大幅な反応を示す】

…………………………………………

果たして今週の市況は!
第502号 2008年 9月15日

…………………………………………

【金融に激震。世界中で大幅な反応を示す】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-
--◆米欧連携。金融と財政で最後の一締めか。

【今後のポイント】

◇付録

[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

--◆米欧連携。金融と財政で最後の一締めか。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 さて、皆さんご存知かもしれないが、アメリカ証券業界4位のリーマンブラ
ザーズが、アメリカ連邦破産法第11条の適用を申請した。


 負債の軽減や支払いの延期など、つまり資金繰りが何とも出来ないので、法
で守ってもらう、というショッキングな事件だ。


 この場合、経営陣は従来のままらしい。らしい、というのは法律上は現経営
陣の経営の継続が可能ということであって、詳細な事情はまだ把握できない。


 と、同時に、世界に冠たるAIGグループだが、これも短期資金の資金繰り
難となり、FRB(アメリカの中央銀行)に400億ドルのつなぎ融資(目先
の支払い原資を融資)して欲しい、と申請したとニューヨークタイムズが報じ
た。と、同時にAIGは数社に100億ドル(日本円でおよそ1兆円)規模の
増資引き受けを持ちかけているようだ。


 アメリカの巨大企業が2社も今回のサブプライムローン問題で動き出した。
春頃に発表となったFSA(金融安定化フォーラム11カ国の専門家集団)に
よる今回の諸問題に対応する手立て、特にG7が定めた「100日以内に実行
しなければいけない4つの事項」を実施した現れ、と言えると思う。(4点の
詳細は4月12日号を見て頂きたい。)


 私はこの4点を実行すべし、関係各国は実行することを確約した、と発表さ
れたとき、大きく暗たんたる気持ちとなった。特にアメリカやイギリスが良く
この内容を呑み込んだな、と疑心暗鬼だった。マスコミも切羽詰った報道は、
さして見られなかった。


 特に金融商品を時価評価せよ、というくだりでは、いまだ進んでいる住宅ロ
ーン関連の証券化商品の値崩れによって更に悪化している資産を再評価させた
結果、AIGのような巨大なコングロマリットでさえも繋ぎ資金を要する事態
にまで追い詰められた。これは大変な驚きといってよい。




 為替市場では、ドルはほぼ全方位について売られ進み、円/ドルは急騰した。



 円は全方位について買われ進んでいる。ユーロ、ポンド、豪ドル、ニュージ
ーランドドル(以下、NZドル)、果てはカナダドル、スイスフランに対して
も円が買われている。やはり高金利であるユーロ、豪ドル、NZドルに対して
の円高は急で、3円以上の開きがある。



 これは低金利通貨を売って高金利通貨を買うという手法で投資していた者の
買い戻し、と見られる。アメリカ経済の先行きを悲観してドルを売る。また、
非常に低金利であり、非常に多数の参加者が居る「円売り」というハイリスク
通貨に対するポジションのクローズ=円買い。これらが同時進行で進んでおり、
全方位的なドル売り、全方位的な円買い、という症状だ。


 上記の発表後、まずアメリカのFRBは声明を発表。いままでお金を貸すた
めの担保に債券等を受け入れていたが、特定の条件を満たす株でも担保に出来
る、といってきた。つまりなりふり構わずお金を借りてくれ、という姿勢だ。
その声明のほかに、200億ドルの貸し出しを表明した。


 更に欧州の中央銀行では、市場の情勢に応じて、300億ユーロの貸し出し
を開始。警戒感をあらわにしている。その上イギリス中央銀行では50億ポン
ドの貸し出しを表明。異例の措置、と声明を発表し、警戒感を表している。


 カナダも需要に応じて貸し出しに応じるとしており、今回の「リーマン・A
IG事件」は世界的な金融市場の混乱を招いている。


 今回のアメリカ金融では混乱をきたし、銀行間貸し借り市場(インターバン
ク市場)では、お金の借り手が増加し金利が上昇。政策金利を2倍上回る水準
まで切り上がっている。


 リーマンが保有する負債は、逆に言えばお金を返して貰うはずの金融機関側
もお金を返してもらえないかもしれない、という状況になる。金融機関が恐れ
るのは、リーマン社が販売したものを保有するお客の換金であろう。リーマン
社の商品が紙くずになるのではないか、そんな恐怖心が換金売りを急ぎ、銀行
も手元資金を増やそうと躍起になっているのだろう。


 リーマン救済については、バンクオブアメリカと中国の金融機関が合同で行
なうと聞いていたが、中国側ではアメリカ経済の混乱を懸念し、そういう中に
進んでいく必要は無い、という空気が大きいようだ。結局バンクオブアメリカ
のみがリーマン買収に応じたが、投資銀行部門等ほかの部門についての売却先
はこれから選定するものと見られている。


 中国は以前から、国内の金融機関がアメリカの金融機関の増資に応じるのを
懸念していたようだ。混乱が収まらないアメリカの金融機関の増資に応じ、万
が一増資したアメリカの金融機関が赤字決算を続ければ、株主責任を負いかね
ない、それを嫌う空気が存在し、そういってはばからない政府高官も居たよう
だ。


 最後に1点、着眼したい点がある。中国の貸し出し金利の引き下げ報道だ。


 中国内部では、景気の減速が始まったと認識していることになる。金利を上
げることで借金金利の上昇=貸し出しを抑制し続けてきたが、北京五輪を終え、
世界経済の混乱もあり、景気の減速が意外に早いのではないか、と警戒してい
る。


 中国経済については、アジアや日本からの物資を大量に受け入れている国に
なったが、その経済が落ち込み始めたとなると、ますます日本経済にはマイナ
スに働きかねない。


 欧州圏への食い込みが足りない日本勢としては、従来から食い込み合戦を繰
り広げていた中国という巨大な経済圏において、今後の戦略の再検討を迫られ
るだろう。


 

 どちらにせよ、日本株式市場にプラスに働く材料は、海外には無い。国内も
自民党総裁選、果ては衆議院議員選挙か、などとも言われ、空白期間を作り出
している。全くのんきなものだと腹が立つ。世界中で繰り広げられている死闘
を我関せずとして目先の話ばかりしている。自国の話ばかりしている。


 経済の建て直しも結構。消費税論議も大いに結構。構造改革も勿論結構。だ
が、どの話もすんなり私の胸に入ってこない。私が、私が、というサル山合戦
のように見えてしまうのは、私の情報収集不足なのだろうか。「パンが無いな
らケーキを食べればいいのに」というベルサイユ宮殿での世間知らずな台詞と、
大差無いのではないだろうか。



[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


今回の経済混乱は、リーマンとAIGの2社で済むのかどうか、という不安を
誰でも持つと思います。それをアメリカ政府やFRBが「もうない」とは言わ
ないと思います。ずっと後になって「もう峠は越えたと思われる」などと感想
を漏らすかもしれませんが。


私が素直に感じた点は、やはり年内にどうしても住宅ローン問題の山を越えた
いのだな、という点です。それはやはり4月に発表されたG7表明に基づきま
す。もしそうであれば、今回の2社で済まず、またはアメリカに収まらず、イ
ギリスやカナダ、スイス、ドイツ等でも懸念される報道が出るかもしれません。
今回がきっかけとなって、世界中で政策金利を引き下げるのではないでしょう
か。世界中での景気の腰砕けです。



アメリカの平均株価は節目をどんどん割っていきます。今回はアメリカ債券市
場で大幅に買われ進んでいるようです。日本でも同じ現象が起きるでしょう。
恐らく12000円割れは避けられません。問題は割れたあとに政府がどう動
くのか、という点です。


こんな時に悠長に選挙を行なう時間はありません。経済の腰砕けが迫っている
のに、新総裁(新閣僚)の指示の元、与野党が協力して事に当たれないのでし
ょうか。


12000円を割ったら大変です。実体経済への影響の進行度合いが早まりま
す。昔と違って間接金融(銀行からの貸し借り)より直接金融(株式市場など
を活用した資金繰り)の割合が大きいのです。


全く選挙とは何をのんきな・・・という気持ちが判りますでしょうか。



最終更新日  2008年09月16日 01時29分34秒
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2008年08月03日

【参考にならない相場始まる】

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果たして今週の市況は!
第499号 2008年 8月 4日

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【参考にならない相場始まる】
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―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-
--◆夏期休暇で低商い
--◆福田改造内閣

【今後のポイント】

[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

--◆夏期休暇で低商い
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 株式市場では、外国人が夏期休暇に入るなどして、商いが関さんとしている。
国内勢は個人投資家がお盆休み等で、にわかにトレードをする方が多いかもし
れないが、商いが関さんとしているという事は、注文の激突数が少ないことを
示し、株価は上下動にぶれやすい。


 私もやり始めた当初は、お盆や年末は日中に市場を見られるとあって、熱心
に売買の板を眺めていた。突然買いの板が出てきたり、売りの分厚い板が突然
消えたりと、不思議な様子をリアルタイムに楽しむことが出来た。


 さて、平均株価はズルズルと値を崩し、1万3千円を割ってしまう。長期の
投資スパンでは買い所と見られるが、目先の短期勝負では現時点は目を覆うば
かりだ。


 アメリカ株式市場を始めとした海外の環境も芳しくなく、為替市場もリスク
の回避と見られる円買い(キャリートレードの巻き返し)が散見されるようだ。


 特にアメリカ株式市場では、一時ほどの大騒ぎは無いものの金融機関に対す
る懐疑的な見方は継続しており、S&P500等の指数を押し下げる先導をし
ている。


 オバマ氏の経済政策提言なども具体的な色彩を帯びず、まだ消化難といえそ
うだ。


 欧州圏ではインフレ傾向が強く出ており、関係各国でしきりに、EU政策金
利を早急に見直すべき、との声で溢れている。


 ドイツは予想を上回る速さで景気の減速が進んでいる可能性があり、EU圏
のエンジンである同国の動きについては注目に値する。


 ともあれ、現在の株式市場は、市場参加者が少なく、ちょっとしたきっかけ
で流れが出来やすい。


 今の株式市場の動きは、研究に値しない、といっても過言では無いのではな
いだろうか。全く得るものが無いとまでは言わないが、過去のチャートを確認
するなり、まだ見ぬ投信やETFの構成などの研究のほうが遥かに良いと考え
る。



--◆福田改造内閣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 さて、福田改造内閣が発進した。


 個人的に感じるところは、今回の改造については、国民的な感心が向いてい
たのだろうか、という懸念だ。


 改造内閣がスタートしたことで、国民は何か期待できるのだろうか。


 重要なポストは、良く言えば重厚な布陣となっており、逆に言えば重要なポ
ストについては前内閣と比べて若者の勢いを摘んでしまった、と言えるのでは
ないか。


 経済財政担当=与謝野氏、金融担当=茂木氏、国土交通担当=谷垣氏、財務
担当=伊吹氏など。この中で誰も留任は居ない。つまり、今までの流れとは打
って変わって全く違う方向になる可能性がある。


 この布陣は、党内の派閥力学をそのまま反映させた人事なのではないかと、
大いに危惧する。福田内閣は来月9月まで存続する、とも言われるが、解散・
総選挙を睨んだ布陣なのではないか、と疑って止まない。


 党内派閥の力学を優先して組まれている場合、消費税増税や景気対策、外交
問題や高齢化社会対策、税源移譲による赤字の削減など、議論の行く末が果た
してどういう展開をたどるのか、従来の議論が全く振り出しに戻ってしまうの
か、非常に懸念している。


 総括すれば、今回の布陣にはやや失望している。


 福田内閣が終了するまでの間にどういう成果が出るのか未知数だが、私とし
ては期待できないのではないか、と感じる。今後の福田内閣の動向を見守りた
い。




[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 為替市場や株式市場では、動向に安定感がありません。市場参加者が少ない
ためであり、サブプライムローン問題がどこで噴出するのか、といった疑心暗
鬼の状態を抜け切れていない、とする解説も見えます。


 何にせよ現時点では、底値を買った、と思ったら更に落ち込んだ、という展
開も十分ありえるため、特に短期売買の人には、軽はずみな売買はお奨めでき
ません。


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最終更新日  2008年08月04日 22時44分28秒
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2008年08月02日

【世界の景気懸念が正念場を迎える】


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果たして今週の市況は!
第498号 2008年 7月29日

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【世界の景気懸念が正念場を迎える】
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―◆INDEX◆―――――――――――――――――――――――――――

-■ 今日の論点 ■-
--◆アメリカ金融・アメリカ不動産と景気の連動
--◆日本経済の現状を見て株式市場は

【今後のポイント】

◇付録

[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

--◆アメリカ金融・アメリカ不動産と景気の連動
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今の日本株式市場は、アメリカの株式市場と連動を繰り返している。この、
鏡相場の連続はどこで終わるのだろうか。日本株式市場の行く末を案ずるなら
ば、アメリカ株式市場の概観を知る必要がある、という結論はそう遠くないと
考えられる。


 アメリカ株式市場の概観と一口にいっても、株式市場も無数企業のの集合体
である。ダウ平均株価は30社のみの計算値だが、それでもその30社が他社
へ与える影響は大きい。


 根本的に会社は、大きな流れに逆らうことは容易ではない。アメリカ全体を
覆う問題とはかけ離れた存在にはならない。その問題とは原油高であり、サブ
プライムローン問題である。


 まだアメリカでは地価の下落は止まず、販売戸数も上昇せず、地域に偏りは
あるもののその下落幅は大きい。


 アメリカでは、今回のサブプライムローン問題で家を手放す必要がなくなる
ように低利のローンへ借り換えを行なえるよう、法制の準備を進めている。昨
年の7月から問題が出ているのに、いまだにそんな話が続いているのである。


 地価の下落、住宅販売価格の下落は、既存住宅の価格下落を招く。それが、
担保価値の低下へとつながり、借金返済の増額へと連鎖する。


 まだこの状態は続くと見られており、不動産関連の債券や証券を保有する金
融機関、つまりメリルリンチ、ゴールドマンサックス、シティ等々は公募増資
等の手段でお金を集め、同時に戦略の練り直しを迫られている。


 この金融機関への懸念が強まったり弱まったりしているのが現在である。


 為替の世界でもドルだけ買い進まれたり、売られ進んだりしている。珍しく
他の通貨は(円に対して)ボックス圏(一定の範囲内で上下動する)相場とな
っている。


 最近の日本株式市場は、アメリカ株式市場の影響を強く受けているが、為替
で円高が進んだり円安が進んだりハッキリしない状況で、株式市場は為替動向
を消化できていないようだ。




--◆日本経済の現状を見て株式市場は
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 さて、目を日本国内に転じると、原油高の影響は他国ほどではないにしても、
着実に消費者物価へ反映してきている。


 身近なものがどんどん値上げする報道を見かけるようになり、実際に野菜や
インスタント商品、マクドナルドやラーメン等の外食も値上げが続いている。


 前回号でも述べたが、経済財政担当大臣はかろうじて景気は減速していない、
としたが、簡単に点検していきたい。


 まず不動産だが、住宅着工数は6月時点で前月比8万戸減。前年同月で28
万戸減となっている。法改正で検査が厳しくなった影響もあるが、都市圏の下
降は大きく、外国人による買い上げ等の動きは殆ど見られない。


 住宅着工数は個人消費のうえで大きな支出を伴うため、消費の活発化を見る
上で重要な指標となる。


 次に鉱工業生産指数では、5月時点で前月比3%アップ。前年同月でも3%
アップとなっている。これは海外への輸出が支えた面が大きく現れており、特
にアジア方面への輸出減が、鉱工業生産指数を押し下げると見ている。


 鉱工業生産指数は、上流工程と見られており、今後の経済の予測をある程度
推測するために使われる。


 次に輸出入について、6月の速報値では、輸入・輸出ともほぼ同額となって
おり(1386億円の貿易黒字=輸出過多)、ここ5年間ではほぼ見られない
形となっている。皆さんご想像の通り原油高が響いており、短月の輸入額とし
ては過去最高となっている。この状態は早晩ひっくり返る気配は無く、貿易赤
字(輸入過多)におちいる可能性は大きい。


 日本景気を支えてきたといわれた輸出が減る場合、輸出で儲けている企業の
利益が上がらない計算となる。日本経済の先行きにはマイナスである。


 最後に物価指数を確認したい。企業物価指数は、企業が企業へ売る時の価格
の推移だが、前年比で5.6%も上昇させている。企業活動にコストが掛かっ
ている事が予想され、それを徐々に反映させていると思われる。直近5年間で
最大の上げ幅となっている。


 消費者物価指数は、6月時点で前年比1.9%増となっている。インフレの
進行懸念を後押ししたのはこの発表であるが、他国では消費者物価指数が大幅
に上昇しており、日本は円高の影響なのか、企業努力なのか、その上昇幅は小
さい。それでも直近5年間では最大の上げ幅で、この傾向は続くと見られてい
る。


 単純に比較は出来ないが、企業同士での物価指数は大幅な上昇なのに、消費
者物価指数はそれに比べて小幅な上昇にとどまっている。これは先行き是正さ
れると見られ、その意味では消費者物価指数が今後しばらくは下げる見込みが
無いと思われる。


 株式市場は、こういった状況の中で推移していることを考えると、消費者の
購買力(モノを買う余力)が無い中で、企業の成績が上がる余地について懸念
を持つのは自然で、市場の全体的な流れとしては、先行き懸念が強い、と見ざ
るを得ない。


 国内では原油高の影響を受けて景気が下降局面を向かえ、サブプライムロー
ン問題で傷付いた金融機関がお金の貸し渋りを始めれば、小泉政権当時の経済
状況に逆戻りである。


 日本国内の金融機関は貸し渋りをするほどの影響を受けている報道は出てい
ないが、既にアメリカ国内ではその現象が如実に現れており、各企業も資金繰
りに困っているほか、地方銀行の倒産も7行に上るなど、まだ緊張感は解けて
いない。


 厳しい状況を迎える株式市場だが、今後の展開には予断を許せず、根拠の無
い楽観はすぐに腰砕けとなってしまうだろう。



[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 債券市場では、アメリカ債券市場の大幅高を受けて、盛況のようです。久し
ぶりの低金利(債券高)の状況を招き、その意味でも株式市場からの資金流出
懸念は高いといえるでしょう。


 短期で見れば下落局面ですが、3年後、5年後の単位で見る場合は、買い局
面なのではないかと思われます。


 ですが個別の銘柄をずばっと買うと、その方法はハイリターンですが、ハイ
リスクとなります。年金で投資される方などはETF等の投信などで、分散さ
れたほうが良いと思います。


 為替市場を見て判るとおり、高金利通貨だから買われる、という時代はすで
に一区切りがついた感があります。


 どこの国でも徐々にではありますが、今年後半から来年に掛けては、政策金
利を下げてくると思いますので、半年や1年単位で見た場合はショートポジシ
ョン(売り)になると思いますが高金利通貨はスワップが高いので注意が必要
です。



◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆◆―――◆

付 録



1.

こんばんわ!

配信が遅れて本当に済みません・・・。
実はパソコンがトラブルに見舞われていました。ハードディスクの故障です。

電源を入れるたびに青色の画面に「win32k.sysが読めません」「ページファイ
ルが見つかりません」等々の様々なエラーの数々。これらブルースクリーンは
致命的なエラーを示すことが多く、もう駄目か、と半ばあきらめていました。

ですがハードディスクを一晩置いて冷やし、再度電源を入れると・・・・!
起動しました!
即行でバックアップを取り、スキャンディスクをやってディスクを修復、再起
動。何とか元通りになりました。

ハードディスクは消耗品です。ディスクの肥大化は悲劇の肥大化を招きます。
皆さんもバックアップを取りましょう!

ちなみに私のバックアップ先は、4GBのメモリースティックです。


2.

*果たして今週の藍(あい)は! 9月28日生まれ 6歳10ヶ月


 「夏休み」


 いよいよ夏休みに突入!


 藍の夏休みの宿題は、朝顔の観察。心に残った出来事の絵日記だけだそうで
す。


 ですが藍は、家内が働きに出て行くため、学童(がくどう)に毎日通う日々
です。何とも可哀想にも思うのですが、友達に会えるからいいのかな、とも思
います。


 藍は相変わらずぎゃんぎゃんと家内に怒鳴られ続けているのですが、昨今の
残虐な事件や突発的な事件の報道を聞くと、まさか藍も将来は・・などと心配
してしまいます。




最終更新日  2008年08月02日 12時26分45秒
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2008年07月13日

【疑念増す「サブプライム問題の終焉」】

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果たして今週の市況は!
第497号 2008年 7月14日

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【疑念増す「サブプライム問題の終焉」】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

―∞目次∞――――――――――――――――――――――――――――――

 ★政府系住宅金融機関を巡る後手

 ■今後のポイント

[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

 ★政府系住宅金融機関を巡る後手


 本日昼ごろ、アメリカ財務省は、代表的な政府系住宅金融機関である2社に
対しての支援策を発表した。


 内容は大規模になる模様で、株式の取得や米国債を担保としたお金の貸出し、
等となるようだ。


 やや前に格付け会社が、この2社に関する格付けを低下させている。格下げ
の原因は、保有している住宅ローン関連の商品について「回収が難しい状況」
「住宅ローン商品の価値が激減」などの理由によるようだ。


 この後、商品を買った機関投資家等に対してこの2社は、違約金として数十
億ドルを支払っている。つまり、格付け低下についての責任を取った形となる。


 この支払いが決定的な「財務状況の悪化」を招いて、今回の救済劇となった
ようだ。


 よく考えてみると、格付けが低下する前のこの2社は、住宅ローンの返済を
当て込んだ債券を多く発行しており、その債券の悪化が格付け低下=救済劇へ
と発展している。


 アメリカ政府高官は「サブプライムローン問題は沈静化した」旨の発言を繰
り返していたが、事態をよく把握していなかったのではないか、と疑念を持た
ざるを得ない。


 政府内に、サブプライムローンがまだ問題を引きずっている、との懸念がま
だあれば、あらかじめこの2社に対する対応策も準備できただろう。


 今回の救済策はこれから議会を通過する予定だ。つまりまだ発効されていな
い。全く後手を踏んでいるとしか見えない。


 住宅ローンの返済を見込んだ、各種金融商品はまだ下落を続け、そういった
商品を買い向かうものも出てきているが、適正な商品値段で買われているとは
言えず、各金融機関も損失確定にまだ動いているようだ。


 いまだにLIBOR(ロンドン銀行間取引市場=銀行同士でお金を貸し借り
する市場)の利率は高いまま。欧州やイギリス、スイスなどでの旺盛な資金需
要が続いている様子が伺える。


 まだ明確になっていないようだが、FSF(金融安定化フォーラム=国際組
織)の勧告に沿った「金融商品」の再評価方法やリスクさらされ度合いの表現
方法などを、米国内の各銀行が財務省の指導の下、用いると見られる。


 いまだサブプライムローン問題は終焉が見えず、米国内の住宅事情も価格の
下落が続いている。


 格付け機関が各銀行の決算発表を見て、更に格付け低下などの事態になれば、
救済策や合併、増資などの報道に溢れるだろう。



 そのような中、日本政府高官の間では「米国や欧州での金融機関が様々な形
で傷付いており、その体力を補うための最後の貸し手は、日本の金融機関とな
るかもしれない」といった発言も出ているようだ。


 これはおごり高ぶった見方とはいえまいか。


 国内のメガバンクの資金の貸しっぷりは、先日もアメリカのニューヨークタ
イムズに掲載されていた。「みずほがメリルリンチに、三井住友がバークレイ
ズに資本注入。その次は東京三菱か。」と。


 確かに日本がお金の貸し手となることもあるだろう。だが、ソブリンファン
ド(政府系運用会社)や中東の石油マネーなど、お金の貸し手はまだまだ居る。


 無神経な発言が、諸国の神経を逆撫でしない事を祈りたい。



 さて話がずれたが、現在の日本経済について触れておきたい。


 内閣府が月例経済報告を行なった。それによると「横ばい」の判断は崩して
いない。


 特徴的な部分は「アジア向け輸出が減少、アメリカ向けは横ばい、欧州向け
についても減少傾向が見えている」と分析している。


 現在は内需(国内で消費されること)が盛り上がっておらず、外需頼み(輸
出頼み)の経済状況であるにもかかわらず、輸出が落ち込んで来ていては、今
後の見通しに明るいものは見えないと言わざるを得ないのではないか。


 発表した大田経済担当大臣は「ギリギリで踏ん張っている」との表現を使い、
今後の景気低迷は避けられないが、まだ「日本景気は下降している」との表現
には至らない、と非常に苦しい胸のうちを吐露している。


 これは個人的な見解だが、大田氏は間接的に元・金融担当大臣、経済財政政
策担当大臣の竹中平蔵氏と繋がりがある。彼女の指摘は偏りを余り感じず、厳
しい政界にあってその軸をぶれずに主張を繰り返すその姿勢に注目している。



 さて、アメリカ経済が減速から後退へと懸念が増す中、アメリカへの輸出割
合が低くなったとはいえアメリカ経済を無視することは出来ず、アメリカ経済
の立ち直りが遅れれば、あるいはサブプライムローン問題が長引けば、日本経
済は下降へ向かうと思われる。


 平均株価は13000円の大台をかろうじて維持しているが、割るのは時間
の問題で、問題はどこまで落ち込んでしまうのか、という点だろう。


 株式市場へ影響を与える為替市場では、円ドルの関係が定まらず、だが長期
スパンで見てアメリカ経済が落ち込む=ドル安が進むという見方はまだ多い。
今以上に円高が進むのかどうかに注目したい。


 一方でユーロ円は最安値を更新中で、欧州圏での政策金利の上昇が、円売り
を加速させているようだ。


 ただ金利の高いオーストラリアドルやニュージーランドドルも、景気の高騰
に対する警戒感が強く、中央銀行はインフレ警戒型の姿勢をあらわにしている。
欧州ではさらに強い口調で警戒感が強く、ドイツやイギリスの動向を見守りた
い。




[kabu104.com]-――――――――――――――――――――――――――――

■今後のポイント


 アメリカの代表的な政府系住宅金融機関に対する救済策が、緊急声明として
発表されました。


 この2社が発行する商品を購入している金融機関は多い模様で、日本の銀行
も無関係ではありません。


 もしアメリカ政府が救済せず見過ごすならば、世界中の銀行で評価損(含み
損)としての計上を迫られたことでしょう。


 サブプライムローン問題が今年の夏、徐々に迫ってきています。株式市場や
為替市場で大きな反応が見られると思われます。


 個々の銘柄に問題がなくても、売られすぎる銘柄が出てきます。それでも今
回の問題が発端で、まだ底では無い可能性があります。専門用語で「市場リス
ク=どうしても拭い去ることが出来ない市場全体に掛かるリスク」といいます。


 リスクの分散は市場リスク、つまり債券市場や為替市場、金市場など、違う
市場への投資を行なってこそ、といえるでしょう。


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最終更新日  2008年07月15日 00時33分57秒
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