映画:「夕凪の街 桜の国」
7月下旬から上映されていましたが、ようやく観て来ました。東銀座のシネパトスでしたが、1回しか上映されていないこともあってか満席で、時間ぎりぎりに行ったので、あやうく立ち見となるところでした。映画のほうは、とっても感動で!良かったです。現代に生きる女性の世界とその叔母に当る女性の生きる昭和33年の両方が舞台となっています。前半は昭和33年を舞台とし、後半はそれを回想にして、交互に縫う形式を進んでいきます。現代の女性(七波【ななみ】)は田中麗奈で自然体に演じてこれがなかなかうまい。叔母(麻生久美子)との対比に時代を感じさせて良かったです。この叔母、父、七波の弟、それぞれの恋を軸にして、被爆者の罪悪感と心の傷を描いていきます。この家族のそれぞれの時代を行き来きすることで、今もまだ戦争は終わっていないんだという反戦のテーマを強く感じさせるものとなりました。戦争を知らない世代にとっては、田中麗奈演じる七波に共感できるところがあって、感情移入する部分が大きかったと思います。被爆者した母の娘に生まれたことを主体的に受け止める姿勢に感動でした。麻生久美子さんの叔母役、伊崎充則さんの父役も良かったです。