本:「勝ち続ける力」 羽生善治+柳瀬尚紀
将棋の羽生善治さんと数多くの外国文学の翻訳を手掛けている柳瀬尚紀さんの対談をベースにした一冊。将棋界の先頭を走り続ける羽生さんの発言にとても刺激を受けました。仕事に、趣味に、あらゆるものへの取り組む姿勢や考え方という側面で、非常に刺激を受けました。以下、内容を要約したものを挙げて見ました。・ものすごく変化が激しい時代には、誰もがその変化をすべてフォローしきれない。 だからこそ、自分の個性やカラーを出しやすい状況になっている。・独創的な思想や創造的な思考に頭を切り替える時、記憶は足を引っ張る。・人は全然わかりそうもないことには、関心をもたない。 なんとかわかりそうだけれども、わからないことが一番たのしい。・将棋界と離れたところでどれだけ価値を見出してくれるかが、今後は大事になってくる。・数学者と棋士はちょっと似ている。何となくすごいなと見えるところが。 人が何かに魅せられている姿には、必ず魅せられるものだ。・一つ一つの手にはさほど個性はないとしても、それだけ選別を続ければ個性がかなり出てくる。・瞬間的に高いレベルの作品を残そうとする場合、感情の起伏が大きかったり、 世間一般の常識から見たら、やや問題があるかなという人のほうがいい気がする。・過密になれば、勘は冴えてきます。対局の間が開けば、体力的には十分なので、 集中力が増します。・新しい戦法や手を試しているほうが、面白いということはあります。 あとはそういうアプローチをすると一番進歩が速いんです。・紙一重の戦いというのは、微妙な差をどれだけ見切れるかどうかにかかっていると 思っているんです。これらの言葉、物事の本質をついていて、面白いなと思います。何かに取り組む時のヒントに使えそうです。