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2006.05.09
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カテゴリ:理科好き情報
フロンガスというと、開発当時は夢の化学物質と呼ばれ、大変にモテていた。
何せ、無色無臭、無毒な上に化学的、熱的にも分解しにくく安定している。
フロンガスが開発されるまでは冷蔵庫の冷媒にアンモニアを用いていたが、ご存じのとおり臭い代物だった。
一時はエアコン冷媒、溶剤、ウレタンなどの発泡、殺虫剤などのスプレーにも使用されていたのである。

ところが時代が変わり、フロンの害が発見されたのである。
人畜無害だったはずの化学物質が間接的に人畜有害な作用があったのだ。
それがオゾン層破壊だったのだ。

オゾンというと酸素原子3つ結合の物質だから、酸素の親戚だろうと考えるかもしれないが、人体には有害なのである。
コピー機やブラウン管テレビを付けたときに独特の香りがすることがあるが、これがオゾン臭である。
酸素が電気モーターなどに反応して酸素がオゾンに化けるのである。
ちなみにオゾンの名前の由来はギリシャ語で「臭い」というそうだ。
普段の生活では少量の発生なのでわからないが、気体のみを見てみると薄い青色をしていて、脱臭効果がある。
(有害だが殺菌作用があるので水道水の殺菌にも利用されている。当然だが濃度管理されている。
  それに塩素のように臭いが残留しない上にオゾンは不安定な物質で残留性がなく、数十分で通常の水に戻るので魅力的だからだ。)
このオゾン成分の空気層が地上20~50kmくらいのところにあるのだが、これが破壊されると太陽から有害な紫外線が直接地上に降り注ぐのである。
フロンが紫外線に反応して分解して酸素に生成するとは、想像出来なかったのだろうが、
この紫外線から地上の生態系を守ってくれる衣を破壊するというのである。

破壊されたのなら、作ればいいと考えるかもしれないが、地上で作ってもあまり意味はない。それどころか公害になる。
確かに電気が有れば簡単に作れる気体なのだが、気体自体は有害であるし、地上で作ると光化学スモッグの原因物質なので、大気汚染を起こすからタチが悪い。
成層圏で作れれば結構良いのではあるが、これは現在のところ雷様の仕事なのだ。

1980年頃から急激にオゾン層密度が低下をはじめて、1993年頃に最も少なくなった。
1985年の「オゾン層の保護のためのウィーン条約」、1987年の「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」によりオゾンの製造が禁止されたので、現在のところ減少に歯止めがかかったのだが、増加には転じていない。
深刻な被害として皮膚ガンがある。
1997年頃の統計ではオーストラリアのクイーンズランド州では人口十万人に対して男性290人女性180人に皮膚ガンが発生している。
日本では十万人あたり5人だから、この数がどれほど多いかわかると思う。
オーストラリアでは紫外線情報も出るが、子ども達には外出時に長袖、帽子の着用を義務づけている。
白内障予防のサングラスなどもものすごい販売量だという。

無毒な物質が、実は環境破壊を起こして、有害な物質が実は我々を守っているとは、皮肉なことであるが、見た目で判断してはならない教訓なのかもしれない。
悪人顔の政治家や実業家も実はそれほど悪くないかもしれない。
マスコミの対応も悪いが、本物を見極める目も必要だということかもしれない。





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Last updated  2006.05.09 19:01:05
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