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表記の演奏会を聴きに、末広町の神田キリスト教会へ行ってきた。
最初に、この演奏会を紹介してくれたテナーソリストの金沢さんにはお礼を言いたい。チケット料金の1500円は、もう安すぎるくらいだった。 何が素晴らしかったかと言えば、それはもうダントツでアルト(カウンターテナー)とバスのソリスト・・・これほど素晴らしい声と声楽テクニックのソロを聴いたのは、ほぼ初めてかもしれない、それほどそのサウンドに魅了されてしまった。 演奏されたのは、バッハのカンタータ4曲・・・木管、弦、オルガンの楽器と合唱、ソリストの共演・・・ただ、合唱とソリストのアンサンブルは無く、ソロは、アリアとレチタティーヴォを一人で歌うのだが、1曲だけ、アルトとテナーの二重唱があった。 アルトのソロを歌ったのは、カウンターテナーの上杉清仁氏・・・春コンなどのルネバロ部門でよく聴く素人カウンターテナーとは、まったく次元が違う美しさ・・・男声が女声の音域を歌うので、どうしても違和感が抜けきらなかったのだが、上杉氏の歌唱は、そういった音域のカテゴリーを超越したものだった。安定したパッセージや美しいロングトーン・・・通常のテノールとはまったく異なった発声法・・・聴いた感じでは、かなり頭の奥の方から聴こえてくるような・・・ バスのソロを歌ったのは、春日保人氏・・・もう第一声から自然な美しい声に引き込まれてしまった。普通のオペラ歌手のバリトン、バスだと、どうしても強めのヴィブラートがかかり、役の性格を出すような歌唱になるのだが、春日氏の歌唱は、なんというか、自然な美しさ・・・整然とした倍音の響き・・・もちろんバスなので低音がメインで響くのだが、その中にも高い倍音が適度に含まれ、なんというかそのサウンドに魅了されてしまう、これが「良い声」なんだなあと感じた。 テナーソロの金沢氏も頑張っていて、素晴らしい歌唱だったのだが、この二人と比較してしまうと、どうしても頑張っている感が抜けなかった。ただ、アルトの上杉氏との二重唱は、金沢氏の強みとも言えるアンサンブル力が十分に発揮された素晴らしい二重唱だった。 バッハの音楽は、今まであまり聴いてこなかったのだが、この演奏会を聴いて「音楽の父」というわれる所以が少し分かったような気がした。とにかく行って良かった演奏会だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.01 21:02:41
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