集美軽工業大学での講義・・・
以前からジョンパパより依頼されていた大学での講義。本日午前中に出掛けてきた。私なんかが一体何を話せるのかちょっと心配だったが、これから彼女たちが社会に出て一つでも得るものがあればと思い、教壇に立った。話の題は、中国不動産営業と日本の不動産営業の違いについて話をしようと考えていた。しかし、いきなり話に入っても面白くないので、ちょっとした問題を2つばかりしてから話をしようと考えていた。実はこのテストの答えが今日の話の最後に役立つ事となるような問題。一つはある図形を順番に5つほど書いていき、次にくる図形の形を考えるという問題。この問題は慶応幼稚園で出た問題。この問題幼稚園児たちの正解率は70%と高いが、大人に同じ問題を出したときの正解率は20%に下がってしまう。大人になるにつれて、”先入観”や”常識”また”固定観念”なるものが邪魔をし、書かれた図形を自分なりに解釈してしまった段階でこれ以外のものに見えなくなってしまうのだ。子供のような感受性を持ちつつ大人になると言うのは素敵だが、なかなかこうはいかない人が多いのだ。仕事でも同じ事が言える。いつも会社から与えられている仕事をこなすのは誰でも出来る事。いつもの事を当たり前に捉えず、”他にいい方法はないか”とか”もっと効率よく出来るのでは?”など常にいろいろな角度から物事を見る事ができる人は、こういう固定観念や常識、先入観なるものが普通の人たちより少ない。やはり常に進化し続ける人間でありたいと思う。ようやっと、正解者が出た。4人目だ。やはり彼女達はまだ頭が柔らかそうだ。次に出した問題は、やはり図形。3つの図形を書き、その3つに共通する形を書くという問題。これはけっこう難しい問題のようで、学生一人だけが答えたが不正解。この問題は私が考えたもの。自分が考えた問題を他の人が正解できないのはなんか嬉しい。ちょっと意地悪な私。(笑)ここで面白いのは、共通する形と言っているだけで平面の図形とは言っていない事。しかし、ここでけっこう重要なのは、一問目の問題の正解が平面の図形だった為、既に彼女達の頭の中には先入観や固定観念があり、2問目の答えも”平面の図形”を多分考えてしまっていると言う点。頭の中でこの先入観や固定観念にとらわれては絶対に正解はできない。仕事で言えばいつもこなしている仕事でも間違いが起きるときがある。これはだいたい先入観と固定観念。”いつも大丈夫だったのに・・”とか”こんな事想定外だよ”とか”こんな事今までなかったよ”などがそれである。仕事に間違いは付きもの。しかし、事前に危険回避予測ができる人は、やはりこの先入観と固定観念というものが少ない人だろう。当たり前の事を当たり前に見ない事が出来、且つ新しい方向性を見出せる人だ。まあ、こいう人材が社員としての資質の全てではないが、少なからず私はこういう人材がほしいと思う。他の企業の人たちはどうだろうか・・・あまりに難しいのか一人答えた後に、ヒントを出した。”この答えは立体の図形です。”と。するとジョンパパの手があがり、答えを書く。大正解!!さすが柔軟性のあるジョンパパである。しかし、この答えを書いても生徒達はまだ・・・・という感じ。なんでこの形になるかが分からないようである。これも重要な事。実はやはり一問目の答えがまだ先入観、固定観念として頭に残っている為、目→頭→一問目の答えと重ねてしまう。という事をやってしまっているようだ。一問目の答えは、何個か図形を順番に書き、その順番がカギとなる問題。2問目の答えは、3つの図形の見方がカギとなる問題。つまり1問目や2問目は、同じように図形は書いているが、答えを出す為には全く異なる見方をしなければならないのだ。ん~、やっぱり先入観と固定観念が何事においても事を先に進ませない毒薬になっているのが分かる。そんな事をしながら中国不動産営業と日本の不動産営業の違いについて2,30分ばかり話をし、終了。先に書いた最初の図形問題と私が今日生徒達に話した話がなぜつながるのか、それは人は物の見方や捉え方の違いでいかようにも自分自身が変わる事ができ、新しい道が開けるという事言いたかったのだ。人の悪いところは良く目につくものだし、誰でも気がつく事。しかし見方を変えてその人の良いところを見つけるのはけっこう難しかったりする。自分の固定観念や先入観を取り払い、見方や捉え方を変える事で、この盲目になりがちな事がはっきりと見えるようになってくる。この生徒達がこれから社会に出て出会うであろう、仕事の壁や人間関係。あらゆる問題も一番良い解決策を講じるには、見方や捉え方を変える事がとても大切な方法の一つだと思っている私。ただ社会はこれだけで渡っていけるほど甘くはないのも事実。そんな事を考えながら、貴重な体験をさせてもらったジョンパパに感謝しつつ、アモイ不動産会社の社員達にもいろいろと教えていきたいと思うひろしでした。