カテゴリ:マンガ/アニメ
永野護さんと言えば、先鋭的なメカデザインをなさる創作者の代表格と言っていいと思います。
しかしながら先鋭的すぎて、おもちゃとの相性が超絶悪かったのも事実です。Zガンダムのデザインも、好嫌真っ二つに分かれてましたし。 『重戦機エルガイム』の時もそうでしたが、永野さんのデザインは、とにかくおもちゃでの展開が異常に厳しいものがありました。しかしながら「これぞ主役機!」というデザインコンセプトを持っていたのも確かで、例えば永野メカの特徴なら『ヒールの高い足』というのがあります。Zガンダムもそうですが、百式なども同様で、メインメカとして非常にレベルの高いまとまり方をしていると、まあ個人的には思います。 ちなみに私は過去にメカデザインを担当した案件もあったのですが、その時は発注書に『モーターヘッドのように』とあって、リアル系等身大人型パワードスーツのデザインでどうしろと困惑したことがあります。結局は構造無視でヒールを膝裏まで上げるようなデザインと能力(後付け設定)を付けてOKもらいましたが。 私よりも永野護さんです。 永野さんのデザインは秀逸だと思います。しかし秀逸すぎて時代にそぐわない部分があったことも確かで、FSSのモーターヘッドはガレージキットしか無い状態が長く続きましたし、Zガンダムの完全変形も最近までかかりました。しかし人気があるのも確かなので、バランスがよく分からない部分が多い。 これは、時代を先取りしすぎて『商売』になっていなかったとも言えます。プラモ技術がやっとこ追いついたとも言えるでしょう。しかし広く普遍化することが無かったので、この場合は『カルト的人気を誇る』という場所にとどまってしまうと思います。 現在は、大河原御大の流れをくむカトキハジメさんなどが主流になっています。カトキさんのすごいところは永野メカもかみ砕いて自分なりにリファインしているところで、カトキさんのフィルターを通せば多くの人が永野メカを理解できるようにはなったわけです。 が、それは永野護というクリエイターが視聴者にプレゼンテーションする能力を欠いていたとも言えるので、難しいところ。『アーティスト』は、テレビアニメでは求めていないんですよ。シド・ミードさんがデザインした∀ガンダムも同じ宿業を背負っていると言えるかもしれません。動けばかっこいいんですが……。 商業デザインではないアート成分は、お金に繋がりにくそうだというまとめかたでいいのかな。ガンダムで我の強さを出したら「こんなんガンダムじゃねー!」と怒る人もいるはいるので。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月21日 22時05分50秒
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