カナダで暮らす ~ in Vancouver ~*初めてみるVancouver*”やっと着いた・・・・” 関空を六時に発ち、8時間くらいのフライトを経てようやくサンフランシスコに到着。そこからDomestick飛行機に乗るために、8時間という長い待ち時間を熱を出した体で苦しみながら耐えて、2時間くらいかけてようやくVancouver International Airportに到着。予定時刻を大幅に過ぎたため時刻は夜中の12時をまわっていた。 体は長時間のフライトと熱のせいで疲労しきってたものの、飛行機を降りた途端に私を包み込んだ少しひんやりした空気と、森の中に流れてるような川の匂いはしっかりと体が記憶している。 ”久しぶり・・・・!” たくさんの荷物を持って税関に向かって小走りしながら、体の中から笑みがこみあがってくる。 Sookから帰ってから三年、またこのカナダに降り立つ事ができた。そして今度は一人で。Sookから戻り、何をしてたのかあまり記憶にはない。ただ留学したい!!これだけは強く思ってた。どうしても留学をしたかった私は、交換留学制がある外国語大学に進学する事に決めた。関西外国語大学英米語学科、スペイン語学科、京都外国語大学英米語学科、フランス語学科。他の大学には、目もくれず外大だけを受験した。 が、私の留学熱に反比例して、見事に全部不合格。結局最後に受けた関西外国語大学の短期大学部だけが受かった。中学、高校と共学に行った私は、女子だけの学校なんて絶対行きたくなかった。母親にもそう豪語していた・・らしい。 ”短大なんていやだー!!” って言ってたわりには、浪人までする根性もなくあっさり短大へ進学決定。家からモノレールと京阪電車、そして徒歩20分と一時間半かけて、二年間通う事に。 外大だからって、先生はネイティブの人ばっかりで、英会話の授業ばっかり・・・なんてことはない。あくまで私は短大だったから、四年制の方は全然知らないけど、私自身外短(外大短期部)に行ったから英語が伸びた!とはまったく思っていない。ネイティブの先生の授業だって、週に1~2回くらい。英会話学校ではないので、授業形式は伝統的日本スタイル。先生が前に立って授業して、私達は聞いてる一方。ネイティブの先生じゃない英語のクラスは、高校の英語の延長みたいなもの。もちろんおもしろい授業もあったけど、私の短大生活は学校とバイトに明け暮れ淡々と過ぎていった。周りの子が就職活動している中で、”絶対留学する”と思っていた私は当然就職活動しないどころか、オリエンテーションにも出ない。一人ふらふらと二年になっても自分の好きな授業を取って気楽に学生をしておりました。当然卒業しても仕事はないから、フリーター。自分でお金を貯めようなんて思ってたけど、額が大きすぎて無理。 そこで、ある日父親にきいてみた。 ”ねぇ、留学してもいい??” ”・・・うん。” こんな具合に私の留学はあっさり決まった。留学先も友達に紹介してもらった斡旋会社に頼むと至極あっさり決定。そして2000年の11月3日の夕方すぎの飛行機で私は日本を後にした。実はこの日は熱がガンガンに出て来そうな嫌な予感がしてた。普段はほとんど風邪薬を飲まない私なのに、関空に着くや否やバファリン探しに走る。が、時はすでに遅し。サンフランシスコに着いた時にはすでに私の熱はぐんぐんあがっていた。8時間もの待ち時間、本来なら荷物を預けて、市内観光にでも繰り出せたのだろうが、発熱中の私にはそこに座ってるだけですでに苦痛。そして日が落ち、Vancouver行きの飛行機に乗った時は本気でお医者さんを呼んでもらおうと10分毎くらいに思った。 そんな熱でふらふらの体をひきずってようやく税関へ。真夜中だから空いてるだろうという私の淡い期待を見事に裏切り、私を待っていたのは、バケーションシーズン??と思わせるほどの長~い列。さっきまでの笑みが一気に体の奥へと引っ込んでいった・・・・・。 そして、長い税関を無事通り抜け、その足でImmigrationへ。ここで、学生Visaを発行してもらう。フィナーレはスーツケースとの再会。空港には私を迎にきた人が待ってくれてるはず。ただでさえ遅れてるんだから、急がなきゃ!!という私の焦りをあざ笑うかのように、スーツケースが出てこない! ”もぉぉぉぉぉ!!!”とイライラしながら、”最後まで出てこなかったらどうしよう・・・・・”と不安にもなってくる。ようやく出てきたスーツケースを引きずりおろし、”Exit"の方に向かってまっすぐ歩いていく。そして、扉を開けた。 ”Vancouverだ・・・・・。” とにかく迎えの人を探さなくっちゃ・・・と思う間もなく簡単に見つかった。車に乗って真っ暗な夜の道を走って行く。広い道路にずーっと真っ暗な木々が並ぶ。真夜中とはいえこんなに暗いなんて・・・・・。ずーっと走っても真っ暗な道で家もほとんど見えない。あんまりにも暗い道なので、挙句の果てには、”ほんとにこの人ちゃんと送ってくれるのかな・・・。誘拐されてるんじゃないよね・・・・”と段々不安になってくる。 そして、ようやく住宅のある道まで来た。真夜中なので、どの家も灯りがすっかり消えてる。暗い道の中突然真っ黒な大きなもみの木ような木が見えた・・・と思ったら車が静かに止まった。 ”さ、着いたよ。” さっきの大きなもみの木(と勝手に私が呼んでた。)のある家から2件目のパステルピンクの2階建ての家、それが私がこれから8ヶ月間暮らす、KGIC のFirst Dormitoryだった。 ホームステイの方が、英語も勉強できるだろうし、いい経験になるんだろうけど、ホームステイに関する様々なトラブルも本で読んだことがあるし、何より、他人様の家、やっぱり気を使う。ちっちゃな事だけど、私は人の家の冷蔵庫って勝手に開けられない。Sookでも、”自分のお家のようにしてくれていいからね。おなかが空いたり、喉が渇いたら冷蔵庫から好きに出して食べて飲んでくれていいからね。”と優しく言われたけど、やっぱりなんか抵抗あって、ほとんど開けずじまい。その点、寮なら誰かの家っていうわけでもないし、お金を払っている以上みんな同じ立場だし、それにホームステイより安いし、ごはんも自分の好きなものを料理できるし、と今回は寮に暮らす事に決めた。 *Welcome to First Dormitory !!! * ポーチ(前庭??)を通って、数段の階段を上り、真っ白なドアについてる金の取っ手を開ける。その途端目に飛び込んできたのはおびただしい数の靴。 ”・・・一体何人居るわけ?!?!?!?!” こんなに大勢居るとは思ってもみなかったから、正直緊張した。さすがに12時を過ぎていたのでみんな寝静まってて、Cordinatorと呼ばれる寮長みたいな人が出迎えてくれた。入り口のすぐ左手にある階段を上って、彼は私の部屋に案内してくれた。階段を上りきったすぐ左が私の部屋。 ”コンコン” ”Yeah, Come in " 部屋は全部相部屋。私の部屋には2つのベッドと2つの勉強机、そしてクローゼットがあった。ベッドがふたつもあるのでそれだけで部屋はいっぱい。とにかく疲れきっていたので、荷物を適当にクローゼットに入れるとあっという間に寝てしまった。 *The First Day in Canada * " 起きないの??遅刻だよ!” その声で飛び起きた。今何時?!あわてて服を着替えて、カバンを掴んで外に出た。 ”寒い・・・!” そう思ったけど、上着を取りに帰る事まで頭がまわんない。とにかく挨拶や自己紹介もする暇もなくバス停まで一緒に連れてきてもらった。何がなんだかさっぱりわからないから、バスだってどうやって乗ってどうやってお金を払うのかわかんない。 ”今日はPassがないから、お金払って、そして帰りに買いに行けばいいよ。えーと、ロンドンドラッグにあったよね・・・” と二人の日本人の子が話してる。内容がまったく分からないので、ただきいてるだけ。そしてバスに乗って一息、初めて自己紹介をした。男の子はタジと呼ばれてて北海道から来てる子。もう一人の女の子は、東京からで、名前はユーコ。婚約者が今アメリカに仕事で行ってるからその期間彼女もカナダで語学留学する事にしたらしい。ユーコは一ヶ月の滞在予定。 そしてバスはEdmond Stationに着いた。そのまま目の前にある電車、Sky Trainに乗る。 ”あっ!!電車きてる!!!” 二人と一緒に走った。あれ?!改札は?!え?!え?!私切符買ってないよ!!!!驚いた事に、ここには改札機なんてないらしい。そして、バスもSky Trainと呼ばれてるモノレールもSeaBusという船も全部同じTransLinks社が経営してるため、全部連絡してて切符が全部同じ。1,2,3ゾーンとわかれていてそのゾーン内の移動ならバスに乗ってもSkyTrainに乗ってもSeaBusに乗っても全部一つの切符で行けちゃうらしい。しかも一定の時間以内なら何回でも乗り降りできる。交通費が馬鹿にならない日本と比べるとなんていい国・・・・。と感激してしまった。 ちなみにこのSkyTrain、モノレールなんだけど、めちゃくちゃ早い。私が知ってるモノレールとは比べ物にならにほど早い。そのSkyTrainに乗る事20分弱、Burnabyという駅で降りた。 *KGICって?* 長ーいエスカレータを上って、地上に上がってみてびっくり!!!高層ビルがたくさん!!!DownTownー繁華街、っていうだけあってまさに都会。可愛い家が並んでてのどか~だった寮付近とは大違い! Vancouverで、感心したのが、路や道路がきちんと碁盤の目のように区切られている事。変に曲がりくねったりしていないし、”○○street"とか路が交差するところには必ず書いてあるから、今自分がどこにいるのかとっても分かり易い。 とはいえ、初めての土地。何にもわかんない私はただひたすらみんなが行く道を一緒について歩くだけ。 7分ほど歩いたところで、高いビルの一つにみんな吸い込まれるように入っていく。 ”こんなビルの中に学校なんてあるの?!” だって、普通のビジネス街にあるビル。普通のビジネスマンの人もロビーにいるし、留学生ばっかりが乗ってるエレベーターにも、普通に働いてるビジネスマンの人も一緒に乗ってる。 そして、ある階で留学生らしき人達がどっと降り、私達も一緒についていく。 "King Geroge Internationl College " -KGIC これが私がこれから半年以上通う学校だった。学生数の割りには小さなドアを開けると、まずは左手にちょっと団欒できるようなソファ。4~5人くらいは座れるかな。そしてソファの横には、ドリンクとお菓子の自動販売機。ドリンクっていっても日本みたいなたくさんの種類がある缶ジュースじゃなくて、ここにあったのは、カップドリンク。そしてお菓子の自動販売機では、てのひらサイズほどもある巨大なクッキーや、ミニサイズのポテトチップスやドリトスなどのスナック菓子が売ってる。 入り口を入ってすぐ右手には教室が二つくらい、そしてその奥にレセプションがあった。そこのずっと左には教室が7~8つくらいあった。 新入生はまずここのレセプションに集められて、一度このビルを出て、信号を渡りワンブロックほど行ったところにある別の5階建てくらいの小さめのビルに連れて行かれて、クラス分けをされる。 授業はフルタイムとパートタイムがあって、時間とお金にあわせて自分の授業を取れるようになっている。私はフルタイムだったので、文法、リスニング、そしてconversationを取ることになってる。 クラス分けが終わり、明日からいよいよ授業が始まる!そして、帰り道わからない私のために、タジが一緒に帰ってくれることに。 ジャンル別一覧
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