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Room of hobby

Room of hobby

第4話

「ん・・・、まぶし・・・」
 差し込む光に刹那は眩しそうに手を前にやり、光を遮った。
「んー・・・、何で俺こんな所で寝てるんだ?」
 辺りを見回すと、そこは公園の真ん中で空は赤と白の美しいグラディエーションをし、太陽が半分顔を出している状態だった。
「気が付いた?」
「うわっ!?」
 不思議そうに辺りを見回していた刹那の真横に白い机の上に座り、足を組んで座っている綾乃の姿があった。
「ちょ、そんなに驚かなくても。それに覚えてないの? さっきまでの事」
「さっきまでの・・・、あっ・・・」
 刹那は体を起こし、地べたに座り込み身体中を見回した。
「さっきまで痛かった傷口が塞がってる・・・?」
「ぁー、それは、この札であなたの傷口を私が塞いだからよ」
 綾乃はそう言うと、着物の袖から青い札を取り出し刹那の前でひらひらさせた。
「この札はね、治癒札(ちゆふだ)といって、傷とかを治すだけの札~。まっ、流石に死んだりしたら治すことができないけど」
「へぇ~・・・」
 刹那は手を握ったり開いたりして、手の感触を確かめた。
(あれだけ傷ついたのが嘘みたいだ・・・)
 綾乃は刹那のそんな様子をクスクスと笑い、話を続けた。
「流石に式神を倒すのはまだキツかったかな? まぁ、あなたの絵梨を護りたいって気持ちはよく分かったわ。絵梨のこと好きなのね~」
 綾乃はにやーっと笑い刹那の頭を撫でた。
「ちょ、あの、そんなんじゃないので!」
 刹那は顔を真っ赤にして綾乃の手を振り解き、首を垂れた。
「ただ、俺は・・・絵梨が傷つくのを何もせず見てるのが辛くて・・・」
 刹那はそう言うと俯き、その様子を見て綾乃は頭を掻きながら机の上から飛び降り、刹那の目の前に屈んだ。
「あんまり考え込まない方がいいと思うな~お姉さんは」
「え・・・?」
 刹那は不思議そうに綾乃の顔を見上げた。
「今の刹那君見てると、何もかも自分だけで解決しようとしてる。絵梨を護ってあげたい気持ちはよく分かるけど、もっとリラックスして考えた方がいいと思うなぁ~」
 綾乃はそう言うと優しく微笑み、お尻を叩きながら立ち上がった。
 刹那はただ黙ってまた下を向き、綾乃は刹那の頭を小突いて話を続けた。
「ほーら、もう悩むな! 少年! そろそろ帰るよ、空も暗くなってきたし、私も早く帰らないと絵梨に殺されちゃう」
 綾乃は冗談を言うような口調で言うと、刹那の腕を引っ張って立ち上がらせた。
「・・・そうですね、それじゃあ帰りましょうか」
 そういうと刹那と綾乃は帰路を急いだ。

   ◇   ◇   ◇

 陽は大分傾き、辺りは薄っすらと暗くなっていた。
「うわー、やばいやばい・・・! 絵梨に殺されるー!!」
 そこを急ぐ二人の人影、もちろん刹那と綾乃だ。
 綾乃は先ほどとは打って変わって、血相を変えて走っていた。
「だ、大丈夫ですか? 綾乃さん?」
 刹那は綾乃から少し遅れてそれでも必死に同じぐらいの速さで走っていた。
「大丈夫じゃないー! うぅ・・・今回はどんな酷い罰を受けるのか・・・・」
 綾乃は涙目になりながら只ひたすら帰路を急いでいた。
「それにしても、こんなに遠かったっけ・・・? 絵梨の家・・・」
 もう30分以上走っただろうか・・・。それでも一向に続く同じ道、同じ塀。
 そんな状況に些か不審を抱き、刹那はその場に止まり綾乃を静止させた。
「あの、綾乃さん。さっきからおかしいですよ?」
「それどころじゃないのよ! 早く帰らないと絵梨に! 絵梨にー!」
「落ち着いてください、綾乃さん! さっきからずっと同じ道を走っていますよ?」
「うん・・・?」
 綾乃はようやく落ち着き、その場に止まると辺りを見回した。
「確かに・・・何かおかしいわね・・・空も星ひとつ無い真っ暗闇だし・・・」
 綾乃は手を顎に当て考えるような素振りを見せ、緑の札を取り出し、先程刹那と闘わせた式神を呼び寄せた。
「ん、どうした? 姉さん」
「お願いリョク。この辺りの様子を見てきてくれない?」
「了解っ! それじゃあさっさと見てくるかなっと!」
 そういうとリョクと呼ばれた緑の小人は、空を飛び暗闇へと消えて行った。
「これで良しっと・・・、刹那君。私から離れないでね」
 刹那は緊迫した雰囲気を肌で感じ取り、綾乃の近くへと急いで向かった。
「うふふ・・・、まんまと私の結界領域の中に入ってきたわねぇ~・・・」
 刹那がまだ綾乃の元へとたどり着くより早く辺り一面に綾乃のものとは別の女性の声が木霊した。
「その声・・・聞き覚えがあるわね」
 綾乃は、両手を左右に伸ばし、絵梨と同じように黒い空間へと繋がる穴を出し。そこから二丁の短銃を取り出すと引き金の所に指を掛け銃をくるくると回し、声のする方へと二丁を突き出した。
「あらぁ・・・覚えててくれたのねぇ・・・元《退治する者》だった柿崎 楓(かきざき かえで)の娘。柿崎綾乃・・・」
 すると目の前でスキンクの時に巻き起こった竜巻が発生し中から髪を地面まで伸ばした着物姿の女性が姿を現した。
「やっぱりあなたね・・・、《人形使いのジョナ》」
 ジョナと呼ばれたその女性は妖艶な笑みを漏らすと足音も立てずに静かに綾乃と刹那の方へと近づいてきた。
「綾乃さん、どうかしたんですか?」
「ぁー、そういえば刹那君には見えないんだったね・・・えっと、私がまだ絵梨と同じぐらいの歳の時に母さんが退治したはずの5人の幹部の内の一人が今こっちに向かってきてる・・・」
 綾乃は近づいてくるジョナから目を逸らさずに1歩づつ後ろに下がりながら言った。
「退治したはずの・・・? 何で倒したはずの幹部の奴がここにいるんですか・・・?」
「分からない・・・。ただ一つ分かる事は、こいつを倒さないとこの空間からは抜け出せないって事・・・」
 尚も静かに近づいてくるジョナ。そして、綾乃は近くにあった電柱まで下がると、刹那を電柱の陰に隠した。
「ちょっとここに居てもらえるかなぁ~・・・刹那君。ちゃっちゃと終わらせてくるから」
 緊迫した様子を察した刹那は静かに頷き小さく声をかけた。
「気をつけてください・・・綾乃さん」 
 綾乃は刹那に向かって軽く微笑むと静かに近づいてくるジョナへと一気に飛び掛った。
「うふふ・・・威勢が良いのは好きよ・・・。でもね、威勢が良いだけじゃ私には勝てないわよ~?」
 ジョナが言葉を言い切る前に綾乃はジョナに向かって二丁の短銃からそれぞれ銀色の弾丸を放った。 
 しかし、ジョナは避ける様子も無く、手を前にかざすとジョナと綾乃の間に無数の少女の形をした人形を出現させた。 
「うっへー・・・気持ち悪っ・・・」 
 綾乃がぼそっと呟くように言うと、先程撃った弾丸は目の前を塞いだ人形に当たり、人形を粉々に吹き飛ばした。
「あらあら・・・可哀想なお人形さん・・・。粉々に砕け散って頭も腕も取れちゃったぁ・・・うふふふふ」
「なーに笑ってんだか・・・。むー、やっぱり二発だけで倒せるわけないよねー・・・」 
 綾乃はそう言うと続けて弾丸を撃ち込み目の前を立ち塞がる人形を次々と打ち落として行った。
「うふふ・・・どれだけ壊しても私には届かなぁーい・・・。壊せば壊す程人形達は増えて行く~・・・うふふふふ」
 ジョナは静かに笑うと、また手を前にかざし今度はその手を上に挙げた。
 すると、先程綾乃が吹き飛ばした人形の腕や足、顔などが宙に浮かぶとそれぞれからまた体が生えてきて、どんどんと数を増やして行った。
「あちゃー・・・どうしたもんかなぁー・・・」
 綾乃は少し焦ったような様子を見せ、二丁の銃に話かけるように静かに言葉を発した。
「聞こえる? 瑚蝶蘭(こちょうらん)」
『何でしょうか? 綾乃さん』
 辺り一面に気品のある若い男の声が木霊した。
 その声は二丁の銃から発せられていて、綾乃は少し早口に喋りだした。
「ごめんね、瑚蝶蘭・・・。今ピンチなの力を貸してくれないかな?」
『綾乃さんのお願いを僕が断るとお思いですか? 勿論お助けしますよ』
「ありがと! それじゃあ、何時もの行きますかぁー!」
 綾乃はそう言うと、足を肩幅に広げまた銃を回し、今度はクロスさせて前に銃を突き出した。
「Ghost extermination、開始するよ!」
『綾乃さん好きですねー・・・、そのポーズ・・・』
 瑚蝶蘭は呆れたように言った。
「こうしないと決まらなくてね♪」
 綾乃はどこに向けてか分からないがウインクをすると、もう眼前まで迫っている人形の群れへ向かって二丁の銃を向けると、銃はグリップの所から紅く染まって行き、持っていた銃は瞬く間に真紅に染まった。
「はじめっから最大出力で行くよ~! 瑚蝶蘭耐え抜きなさいよねー!」
『分かってますって、綾乃さん。僕がそう簡単に壊れるはずが無いでしょう?』
 瑚蝶蘭がそう言い切ると同時に綾乃は引き金を引き二丁の短銃の銃身から大きな炎を噴出した。
「喰らいなさい! 地獄の業火、インフェルノ・バレット!!」
 途端に銃身から大きな炎の塊が目の前を塞いでいた人形達を焼き払い、ジョナの元へと到達し、直撃と同時に大きな火柱が立ち、轟々と音を立て、真っ暗だった空を明るく照らした。
「これで・・・終わり、かな?」
『油断しないでください、綾乃さん。この程度であのジョナが消滅するとは思えません』
 音を立てていた炎は段々静かになり、残るは小さな炎だけになった。しかし・・・
「うふふ・・・その銃の言う通りよ~・・・、私を甘く見ないでちょうだぁーい・・・」
 そこには傷一つ負っていないジョナと、焼け爛れた無数の人形がいた。
「むー・・・やっぱし手ごわいなー・・・ここは私に免じて見逃してくれちゃったりしないかな~・・・? なーんて・・・あはははは・・・」
 綾乃は驚いた表情を見せつつも苦笑いをして、頭を掻く素振りをした。
「うふふ・・・そうねぇ・・・、あなたが向こうで隠れている子を壊してくれたら・・・考えてあげない事も無いわぁ~、うふふふふ・・・」
 ジョナはそういいながら刹那の方に指を指して静かに笑った。
「それぐらいで許していただけるなら、そりゃもうあんな餓鬼んちょの一人や二人、一瞬にして吹き飛ばして差し上げますよ! あはははは・・・」
 綾乃は苦笑いしながら刹那の方に向き直り、ゆっくりと刹那に近づき出した。
「あ、綾乃さん・・・? 何してるんですか・・・?」
「ごめんね、刹那君。私だってこんな所で死にたく無いんだ~・・・」
 綾乃は俯きながら静かにそういうと、瑚蝶蘭を刹那に向けて今にも発砲しようとした、その時─!
 何かが黒い空から飛び込んできたと思ったら、その刹那、綾乃の首元に仮初之華の刃を押し当てていた。
「え、絵梨!! どうしてここに!?」
「家にお姉が居なくて、何時まで経っても帰ってこないから何かあったのかと思って探しに来たら・・・、何なのこの有様は?」
 絵梨が呆れたような、怒ったような言い方で綾乃の首に刃を押し付けたまま言った。
「い、いやぁー・・・。何か変なお姉さんに絡まれちゃって~・・・」
「そんな事はどうでもいいの。今お姉、刹那に向かって瑚蝶蘭を発砲しようとしたでしょ? その理由を聞いてるのよ」 
 絵梨は手を握る力を一層強めて、綾乃の首を今にも切り落とさんばかりの勢いで刃を押し当てた。
「こ、これはあいつを油断させて隙を窺がって反撃に転じようとだなぁー・・・」
「嘘でしょ?」
「うぐっ・・・、すみません・・・嘘です・・・」
 絵梨はジョナの方を一瞥すると大きくため息を吐いて綾乃を解放した。
「はぁー・・・、今回だけは許してあげる。でもね、今度また刹那に向かって発砲しようとしたら・・・今度は本当に首を切り落とすからね?」
「了解しましたーっ!」
 絵梨は綾乃を一睨みして、ジョナに向かって仮初之華を構えた。
「さて、それじゃあさっさとこの怪しいお姉さまを倒してお姉に説教しないとね」
 ジョナは微動だにせず、着物の裾を口元に寄せると、静かに笑った。
「あらあら・・・、2対1じゃ分が悪いわねぇ~・・・。まぁ・・・勝てない事も無いんだけどねぇ~・・・・うふふふふ・・・」
「勝てるかどうか・・・試してみる?」
 絵梨はジョナを睨み付け、今にも飛び出しそうな勢いで地面を踏みしめた。
「うふふ・・・威勢が良いわね~・・・でも、今日は偵察だけだからこの辺りで退散させてもらうわぁ・・・」
「え・・・?」
 絵梨が拍子抜けた様子でジョナを見るとジョナは手を挙げ、次の瞬間には後ろで焼け爛れていた人形が消え、空には星が少しずつ輝き出した。
「それじゃあ、新米さん・・・またいつか会いましょう・・・うふふ」
 ジョナはそういうと、また漆黒の闇の中へと溶け込むように消えていった。
「ま、待ちなさい! ちっ・・・逃げられた・・・」
 絵梨はその場に立ち止まると、仮初之華は刀身から徐々に消えて行き、そこには何時もの静寂と雑踏だけが残った。
「ふぅ・・・、刹那・・・大丈夫・・・?」
 絵梨は一息つくと、電柱の影に隠れていた刹那へと近づいた。
「あぁ・・・何とか・・・」
 刹那が電柱から出てくると、絵梨は腕を組んで、疑うような眼差しで刹那を見据えた。
「そう・・・。所で刹那・・・何でお姉と一緒に居たのかしら?」
「そ・・・それは・・・」
 刹那が口ごもっていると、一人取り残されていた綾乃が割って入り込んだ。
「そ、それはだね~! ちょーっと刹那君と話がしたくて私が学校の帰りに引きとめたからさぁ~! そのせいで何か、大変な目に合わせちゃってごめんね! 刹那君! なははははー!」
 絵梨はまたも疑う様な眼差しで綾乃を見た。
「嘘ね」
「う、嘘じゃないよー! ね! 刹那君!」
 綾乃があたふたしながら刹那に話を振ると、刹那は決心したように絵梨に言った。
「お前が傷つく所を見たく無いから、俺が綾乃さんに稽古をつけてくれるように頼んだんだ」
「はぁ・・・?」
 絵梨は拍子抜けた表情をして、刹那の顔を見た。
「だーかーらー! 俺はお前を護りたい。だから稽古してもらって強くなりたかったんだ!」
「あ、あんたねぇ・・・お姉に稽古付けてもらったぐらいでこの私を護れるとでも思ってるの?」
 刹那が顔を赤らめながら言うものだから、絵梨まで少し顔を赤く染めながら言った。
「な、何だよ文句あるかよ!! これぐらいしかお前を護る方法が思いつかなかったんだよ!」
「別に私はあなたみたいなひ弱な奴に護られなくても一人で戦えるわ」
「お前なー! 人が折角護ってやろうって言ってんだから素直に受け止めて応援するなりできないのかよ!!」
「だーかーらー! 私は別に一人でも闘えるの!! 全く、あなた何かが稽古した所で霊が見えないと無意味だっていうのが分からないのかしら・・・」
 絵梨はむすっとした表情で腕を組みながら刹那を見た。
 二人が言い合っているのを見て、綾乃はニヤニヤと笑いながら、二人をなだめた。
「はいはい、こんな所で夫婦喧嘩しないのー」
「だれがっ!」
「こんな奴と!!」
「あらー・・・息もぴったりで羨ましい事ね~、なはは!」
 その後も絵梨と刹那の二人は、時間も忘れて口喧嘩していたせいで、近隣住民に迷惑をかけた事はいうまでもない。

   ◇   ◇   ◇   

「それでは、今日はこれで失礼しますね」
「ういー、じゃあまた明日今日と同じ公園でね」
 夜も暗く、またナイトメアの一員に襲われるかもしれない、ということで刹那は自宅まで送ってもらっていた。
 結局、あの後絵梨と刹那は近隣住民から苦情が来たせいで、渋々帰る事になった。
 帰りの道で二人は、顔を赤らめたまま一言も喋らないで、綾乃はずっとニヤニヤしてるという、酷い状況だった。
「んでー・・・、絵梨」
 刹那は、恥ずかしそうに頭を掻きながら絵梨に話しかけた。
 しかし、絵梨は刹那に背を向けたまま聞いていた。
「えっとー・・・、今日言った事は忘れてくれ。うん」
「うん・・・」
 絵梨は俯きながら刹那の方に振り向くと、顔を上げ、微笑みながら言った。
「また明日、学校でね!」
「おうよっ!」
 そういうと絵梨はまた俯き、急ぎ足で走り去った。
「それじゃあ、綾乃さんも、また明日」
「あいあい、まったねー!」
 綾乃はまたニヤニヤしながら絵梨の後を追うように、走って行った。
「さって・・・」
 刹那は自宅に向きを帰ると、静かにドアを開けた。
「ただいまー・・・」
 刹那は恐る恐るそういうと、靴を脱ぎ捨て、静かにリビングの方へと歩いて行った。
 そこには、ソファーですやすやと眠る妹と、台所で食器を洗う母親の姿があった。
「母さん、今帰ったー・・・」
 刹那がそう言うと、母はチラっと刹那を見て、食器を洗うのを止め、刹那に怒鳴りつけた。
「せーつーなー・・・、今何時だと思ってるの!」
「いやー、これには色々と深い事情がありましてー・・・」
「事情? それなら遅くなるーって電話ぐらいちゃんと入れなさい! お母さん心配したのよ!」
「ごめんなさい・・・」
「今度からはちゃんと連絡入れなさいよ~?」
「了解ー・・・」
「それでよし。さっ、ご飯食べて早く寝なさい~、明日も学校あるでしょ~?」
 刹那は用意された晩御飯を食べると、お風呂に浸かり、疲れ切っていたのか、ベッドに入るなり、すぐに眠ってしまった。

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