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カテゴリ:小説
エレベーターに乗り、私と羽鳥君は十階に着いた。
羽鳥君は、何食わぬ顔で大会議室のドアを開けた。 もちろん、だれもいなくて、暗かった。 私は、正面にある窓の外をみた。 大きなガラス張りの窓がある室内だった。 窓の外に広がる風景は都会の夜景。 この大学は、東京タワーが見える位置にある。 だから、東京タワーはもちろんのこと、 都会の夜景を楽しむは絶好のポイントかもしれない。 「すごいね~キレイだね~」 私は、ただただ驚くばかりだった。 「オレのお気に入りの場所。夜景がキレイだろ。 この夜景を見ながらボーっとするのが好きなんだよね」 と、羽鳥くんが教えてくれた。 「でもさ、勝手に入っていいの?」 と私が尋ねると、彼はこう答えた。 「別に、何も言われて無いよ。だから、大丈夫でしょ。 それより、立ち話もなんだから、適当にすわって」 言われるままに、会議室のイスに腰掛ける私。 さすが、来賓の方を呼ぶ行事をする部屋とあって、 なかなか座り心地が良いイスだった。 隣には、都市伝説に願掛けをするくらい好きな人と 都会のキレイな夜景を二人っきりで眺めている。 バツが悪いなんてどんでもなく、 願ってもないシチュエーションに 私は、照れつつも嬉しさでいっぱいだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年11月21日 23時49分53秒
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