ラストまですっきりぽんぽん(@小清水亜美)だった「おとボク」に乾杯! - 乙女はお姉さまに恋してる
乙女はお姉さまに恋してる第12話「ラストダンスは永遠に」(最終回)前回、瑞穂は一体どちらを選ぶのか!?という引きであったが、結局「これから本格的に恋のバトルが始まる」という形で終わった最終回。まりやと貴子の争奪戦を描くには尺が足りなかったということだが、ストーリー自体は、瑞穂が直面する様々な問題を通じ、自身が成長していくという物であったので観ている方としては十分納得の行くものであった。最終回らしくOP映像は無く、アバンから無音タイトルへ行き、直接本編へと繋がる構成であった。こういうシリアスな始まり方も良いなぁ。瑞穂の「僕は」という一人称で否が応にも事実を直視させられる貴子の絶望的な表情が凄まじかった。学園で会ってもそっけない態度を取る貴子。瑞穂を許せないらしく、「お姉さま」と言わず「瑞穂さん」と呼ぶ。周りに聞こえないように耳元で言うのが強烈。女は怖いなぁ(ブルブル)。瑞穂の立場を、奏の語る演劇になぞらえているのが上手かった。「お姫様に正体を知られてしまった天使は、そのまま飛び立ち、二度とお姫様の前に現れることはなかったのです」という言葉が瑞穂の未来を暗示していて、切ないシーンとなっていた。自分のせいで瑞穂がいなくなってしまう、ということに怯え、涙を流す貴子。瑞穂を止めなければ、と思いつつどうしても踏み出せない貴子の描写が細かかった。また、「一人くらい幽霊がまじっていても」という一子の言葉も、瑞穂の立場を象徴するものであった。瑞穂の葛藤を視聴者がきちんと忘れないように、違う台詞で繰り返し印象付ける、上手い手法であると思う。しかし久しぶりに一子のマシンガントークを聞いたなぁ。そういう特技があるキャラだってこと忘れてたよ。「けじめをつける」というから、てっきり全校生徒の前で男であることをバラすのかと思ってドキドキしたよ。貴子の言葉で「けじめとは学校を辞めることである」と分かったけれども。いよいよダンスパーティ。美智子さん×圭さんのレズレズカップル登場。二人の力関係の一旦が見えて面白かった。「ネコ」であるらしい圭さんの弱気な返事が嗜虐心をそそられたよ(笑)。ショックを隠せない貴子は、仕事に没頭することで瑞穂のことを考えないようにする。ダンスパーティ当日も会場へ足を運ぶことが出来ず、雪の降るテラスでひたすら悩み続けるのだった。貴子との和解を提案するまりや。ずっと対立してきたけれど、自分達は似たもの同士であるという。デートの際に瑞穂に言われた言葉でもって貴子の背中を押してやるまりや。心が決まった貴子は勇気を奮って会場へと向かうのであった。ひとりひとり言葉を交わしながらダンスを続ける瑞穂。奏や由佳里の感謝の言葉、「これからもよろしくお願いします」という台詞に顔を曇らせる瑞穂の姿は非常に切なかった。いよいよラストダンス。どうしようか周りを見渡す瑞穂の目に映ったのは、駆けつけた貴子の姿であった。男であっても女であっても、「お姉さま」は「お姉さま」であるから関係ない、と言う貴子。学校を辞めようとする瑞穂の決意を止めようと必死に言葉をつぐ。自分の裸を見てキスまでしたのだから責任を取れ、という言い方が実に貴子らしくて笑った。ラストでついに告白…とうい所でまりやによって邪魔されてしまう。貴子の方が背が高いのが胸キュンだった。しかしこのカップルもアリだなぁ。ツンデレ同士(笑)。しっかり見つめあってるし。ラストは「有頂天ホテル」のOPっぽくカットインと枠を使い、瑞穂たちの「その後」を描写。お姉さまとして皆から慕われる瑞穂の晴れやかな笑顔が良かった。正にタイトル通り「ラストダンスは永遠に終わらない」。季節が移り変わっても仲睦まじく過ごす瑞穂達。積み上げられたチョコに震えるヨダ絵の瑞穂が可愛かった。そして最後は、ガランとした机の上に置かれた卒業証書の絵で幕。無事卒業できたんだね。良かった良かった。最後までクオリティを落とすことなく、きちんとストーリーを纏めてきた「おとボク」。後腐れなく、すっきりと完結させてくれた。終了後も、出来ればもう少し彼女達のエピソードが見たい、と思わせる良い出来であった。瑞穂くん、お疲れ様。PS2版乙女はお姉さまに恋してるDVDOP/Aice5 ED/榊原ゆい サントラ/磯江俊道