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カテゴリ:鉄道
大阪府はリニアが大阪まで全線開業を前倒し・同時開業した場合の経済効果を試算、年間6,700億円、18年間で12.1兆円の経済効果が見込めること、これは近畿圏だけでなく全国に及ぶため、早期全線開業に向けた公的支援の必要性を訴えている。
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23887/00178243/gaiyou.pdf#search='%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2+%E5%A4%A7%E9%98%AA+%E5%9C%B0%E5%85%83%E8%B2%A0%E6%8B%85' (H27.1.21. 大阪府HP リニア中央新幹線の全線同時開業に向けた検討~中間とりまとめ案) リニアは大阪まで一括全線開業した方が経済的効果も利便性も高いから、できるならそうした方がよいことはわかりきっている話である。 ただ、このレポートを見て感じるのは、リニアの経済効果は、近畿圏だけでない、全国に及ぶのだから、負担は近畿圏にだけでなく、なるべく全国で負担してくれということを強調し過ぎていないかということだ。 大阪までの全線開業を求め乍ら、近畿圏地元(とりわけ大阪府)の負担はできる限り値切り、国や他地域に負担を押し付けようという意図が見え透けているように思える。 大阪政財界は、民間企業であるJR東海にリニア全線開業を執拗に求めて、JR東海との関係がギクシャクしたものになったし、他地域からは「大阪政財界は、金も出さずに要求ばかりする」といった批判を浴びることになった。 さすがに、今頃になって大阪政財界も、渋々財政負担には応じる姿勢を示しているものの、こんなレポートを出して、「負担が偏在しないよう、可能な限り適正な分散を」等と締めくくっているあたり、全く懲りない面々である。 試算で示している全国への波及効果は、産業活動誘発・観光誘致で他地域が近畿圏とほぼ同額、インバウンド観光は近畿圏の7倍などということになっている。 しかし、山陽や九州へも時間短縮効果があるといっても、リニア開業後は新大阪での乗換(おそらく地下駅となるリニア駅とは20分程度必要)ということを考えれば、航空からの移転がどれほど進むだろうか。 また、リニア開業→羽田空港国際線増加によるインバウンド観光増加などというのは、相当程度こじつけという感じである。 こんなものまで効果に含めて、他地域への効果を水増しして、自らの負担を値切ろうというのでは、そもそも負担の意思があるのか、疑われるような話ではないだろうか。 そもそも、近畿圏内ですら、リニアの経済効果など限られるものだ。 奈良ルートなら滋賀県は無関係でしょうし、京都では「のぞみ」廃止によりかえって不便になるくらいの話である。 リニアというものが、点と点を高速で結ぶものという性格を考えるなら、リニア全線開業で利益を受けるのは大阪府だけといってもいい話である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.03.08 20:51:13
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