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カテゴリ:鉄道
“北陸新幹線の延伸で具体的ルートが決まっていない敦賀(福井県)-大阪間について、与党は18日、調整が難航していることから年内の決定を事実上見送る方向で検討に入った。三つのルート案をめぐる地元要望が強く、年明けの衆院解散・総選挙も取り沙汰される中、「あわてる必要はない」(与党関係者)と判断したようだ。”
http://news.livedoor.com/article/detail/12163833/ (H28.10.18 時事通信社) ルート選定先送りの理由は、地元の利害調整が進んでいないうえ、JR2社の意向やFGT・リニア計画の不透明・不確実性もあり、今急いで決めるべきではないとの判断であろう。 しかも、札幌延伸が完成する2030年まで、整備新幹線に回せる予算はなく、年内にルートを決めても、大阪全線開業の前倒しにつながらないという事情もある。 関西財界等が年内決定などと焦っているのは、金沢開業で北陸が東京シフトを強めていることへの危機感がある。 しかし、冷静になって考えれば、JR西案のように小浜・京都経由で新たに敦賀-新大阪間に新線建設すれば、2兆円近い建設費となる。 そのうち、地元は3分の1負担(実質的には6分の1程度だが)する必要がある。 府県単位の属地主義に囚われず関西全体で負担するとしても、3千億円程度必要だ。 北陸を繋ぎとめる対価としては、高すぎるであろう。 投資効果の点でも疑問だ。先の試算でも、同ルートのBC係数は0.5程度と、長野以降の整備新幹線が、いずれも1をクリアして着工にこぎつけているのに比べたら、どうしようもないレベルの低さだ。 京都-新大阪間のコストの高さに加え、元々、湖西線・JR京都線は高速運転しているため、短縮効果は少なく、京都駅・新大阪駅も大深度地下で乗換えに苦労、かつ大阪駅までの直通もできない等、建設費に比して、便益は少ないのだ。 問題外の舞鶴は別としても、3案どれもネックがありすぎだ。 米原→BC係数はクリアするがJR西が反対 小浜・京都→JR西が支持するもBC係数が低すぎ不許可 唯一可能な案は、小浜経由京都までの建設に留め、リニア開業後東海道新幹線に乗入れることだ。(実質、変形版湖西ルート) しかし、この場合も、JR西は京都-新大阪間の収入を東海に渡すことになるし、東海との協議が必要。また、地元負担も属地主義に囚われず、関西全体で負担するスキームが必要だ。 もともと、それほど便益の高い事業でないのに、JR2社間や地元負担の調整が面倒なら、そこまでしてやらなくてもいいという話にもなりかねません。 いずれにしても、リニア計画やFGTの開発状況を見ながら決定しても遅くない話で、一旦立ち止まった方がいいでしょう・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.10.20 21:03:39
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