|
|
|
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
香納諒一執筆日記 [全305件]
10/24 月曜日 11時頃起床。ちょっと昨夜は調子に乗ったね。慌てて朝食とも昼食ともつかない食事を採ったのち、すぐに仕事。今日も「レミングの荒野」続きを推敲。今月分を終えて担当者に送ったのち、そのまま来月分も推敲を続ける。クライマックスのアクションシーンに入っている。文章の呼吸を整えることに気を配る。 夕食後、今日は息子と闘いごっこ。何歳になるまで、こういうことをしたがるのかな。 夜は仕事はパスして読書。2時頃には就寝。 10/25 火曜日 朝から「レミングの荒野」来月分を8割方推敲し終えたところで、どうにもストーリーの流れが悪い場面に出くわす。ここをなんとかしないことには先に行けないので、午後一杯、あれこれ手直し。 5時半頃に、友達の家で遊んでいる息子を迎えに行く。今日発売の「ビッグコミック」を買うため、帰りに一緒にコンビニに立ち寄り、ついでに息子のお菓子もあれこれ。 適当に遊びながら帰って来ると、自宅に着く直前になって、息子が照れ臭そうにしつつ「お父さんとこうして帰ると楽しいね」と言う。ほんとに楽しいね。 夕食前、今日からはできるだけ一緒に本を読む時間を取りたいと思い、「10分間、一緒に本を読むぞ」と息子に言い聞かせる。私は本を読むのもまた仕事のようなものだが、大概は深夜に酒をちびちびやりながら読んでいるので、息子の前ではあまり読書する姿を見せる機会がない。物書きとして大先輩である鹿島茂さんが、以前に「自分は本が多すぎて、そのあまりの多さによって息子が本嫌いになってしまった」と仰っていたことがある。少しずつでも、本を読む習慣をつけさせていきたいものだ。 夕食後、軽く一緒に遊んだのち、私はピアノの練習。和音を覚えて、弾ける曲を増やしていこう、という作戦で練習している。 10時頃から、夜の仕事。「レミングの荒野」目の前のシーンは訂正し終えたが、さらにその先のシーンもよくない。根本的にシーンを書き直す必要があるかもしれない。とにかく、ストーリーのリズムを整えることだ。 0時半頃までやって、今日は了。 このところ調子に乗って酒量を増やしていたら、どうも肝臓が疲れてきているみたいだ。今日は缶ビール1本に留めつつ、読書し、就寝。 10/26 水曜日 朝から「レミングの荒野」。来月分の原稿を推敲、続き。どうしても流れが悪いので、ついに根本的に手直しすることにする。 5時半頃に息子が帰ってきた。今夜から一歩早く眠らせることにしたので、夕食後に息子と遊ぶ習慣をやめ、夕食前に遊ぶことに決めていた。よって、仕事がまだ途中だが、中断し、遊ぶことにする。その前に、昨日から始めた、一緒に10分本を読むことをまずは実行。 夕食後、ピアノ練習し、風呂を浴び、10時頃からまた机に向かう。しばしやるうちに、結局今までに書いた原稿のうち80枚ぐらいは捨てた方がいいと思うようになる。 この判断にはさすがにめげるも、どうにもまとまりが悪いので、やむを得ないだろう。 だが、たとえストーリーとしてのまとまりが悪くても、書いたシーンの中には、物語が完結するために必要な要素は入っているものだ。それが何かを検討しつつ、あっちこっち新しい場面をいじったり捨てたりを繰り返し、今日は3時頃まで仕事。 軽く飲んですぐに就寝。とにかく仕上げなければならない。
10/21 金曜日 今日もできるだけ早起きして仕事に入る。1時半から木彫の会なので、その前に仕事を進めておきたい。だが、ちょっとストーリーの流れを押さえ直したい個所に至っていて、書き進めるのが難しい。あと2ヶ月分書くと3章が終わり、クライマックスである4章に入るわけだが、ストーリー展開をもう一歩詰めたいといった欲求が起こってきている。 結局、1時過ぎまでやって4枚ぐらい。 木彫の会終了後、結構疲れたので、家に帰り着いたのち、夕食までは読書。 夜、続きを書くも、難航。結局、7枚ぐらいをやっと書き、今日の仕事は了。 軽く飲み、2時頃就寝。 10/22 土曜日 今日は幼稚園の稲刈りの日だったが、雨が降ったためにパスすることにする。その分、仕事をできるので、朝から2時半頃まで机に向かうつもりだったが、2時頃になると息子がやってきて、遊ぼうと言う。もうちょっと書きたいところだったが、今日は3時から高校の同窓生たちと飲み会があり、そのまま深夜まで帰らない。じゃ、遊ぼう、ということにして、仕事は2時で了。表に出て、野球をやる。色々コースを投げ分けてやるのを、結構器用に打つようになってきた。去年までは、家の中でやっていたのだが、体が大きくなったので、振るバットも長くなったし、もう到底中ではできないね。 息子と遊んでいるうちに、すっかり時間が経ってしまい、慌てて飲み屋のある中目黒へと走る。3時スタートの会に、3時10分ぐらいに着いたら、もうほとんどの友人がやって来ていた。 去年、本ちゃんの同窓会をやったのが11月の頭だったので、あれからおよそ1年が経った。その前後から、クラスも別々だけれどなんとなく気が合う同士が集まり、なんだかんだで月に1度とか二月に1度は飲むようになった。私は高校とあまり相性がよくなかったので、当時は積極的に友人を増やすこともなく暮らしていたけれど、今はもう楽しい酒飲みならば誰も彼もが友人だ。集え希望ヶ丘高校の友たちよ、ということで、お気に入りの素晴らしい居酒屋を三軒梯子し、11時過ぎまで盛り上がる。 ああ、極楽極楽。 10/23 日曜日 11時頃に一旦起きるも、軽い吐き気がしている。最近、気づいたが、私の場合は調子になって飲み続けると、ほとんど何も食べなくなるので、翌朝はお腹が空っぽ故に気持ち悪くなってしまう。それならば何か食べて眠ればいいのだが、そう思うのは素面の時だけで、一旦飲み出すとそういったことは完全に忘れる。 こりゃ、何か食べにゃいかんぞ、と思って起き出し、まずは軽く水を飲むと、あれよあれと吐き気が大きくなるも、トイレに行って戻そうとしても何も出てこない。お腹が空っぽなんだよね。で、ショウガ湯を作ってまずは飲む。これで吐き気が納まることもあのだけれど、よほど腹が空らしくて駄目なので、今度はインスタントのコーンスープを作って飲む。これで大分よくなってきたので、蕎麦でも茹でるかと思って冷蔵庫を開けると、昨日買って食べ残していたビッグマックを見つける。こんなの食ったら、気持ち悪くなるかな、と思いつつも、ビッグマックが好きなものだからえいやさっと気合いを入れて食べたら、大丈夫だった。 あとは軽く御飯を食べ、2時頃から机に向かうも、ああ、体が怠い。熱い紅茶にハチミツとレモンを入れたものを飲んで元気を出し、「レミングの荒野」の今月分を推敲し始める。 今日はどっちにしろ、疲労を抜きながらの仕事だね、と途中で気づき、のんびりと仕事。 夜は軽く読書ののち、飲み疲れたのだから、ほんとに軽く一杯ね、と自分に言い聞かせつつ、0時過ぎから一献。先日エアチャックした「LAW&ORDER 性犯罪捜査班」を1本観ると、先月から始まった「LAW&ORDER」の本シリーズのほうもついでに見たくなり、1本観る。先月からやはり最近スピンオフである「LAW&ORDER LA」が始まったので、これで「LAW&ORDER クリミナルインテント」と合わせ、ディック・ウルフ総指揮による「LAW&ORDER」がすべて日本で見られるようになった。嬉しいね。 調子に乗って見続けてしまい、3時頃就寝。
10/19 水曜日 少しペースを落としつつ生きたいと思い、今月中は英会話はお休みすることにする。努力したり頑張ったりが趣味ではあるが、やっぱり、人間、休むことが大事なんだな、とみずからに言い聞かせる。 それにしろ、先週、ほとんど仕事しなかったことで、執筆にむけてまた頭が柔らかくなってきている。朝からやって、「女警察署長」6枚。その後、「このミス」に出すためのエッセイ2本。長さ的には3枚ぐらいだから、コラムといったところか。結構いい宣伝になるので、私は毎年律儀に書いて出している。 今夜も夜は読書。その後、「大都会」と「新必殺仕置人」を見て、就寝。高品格に酔いしれる。丸山刑事、たまらんなあ。 10/20 木曜日 今日も朝から仕事。だが、2時に、息子を幼稚園に迎えに行くことにする。このところ、週末できるだけ遊んだり、家族旅行や運動会などがあって息子と比較的過ごせていた分、幼稚園に迎えに行くのが疎かになっていた。 だが、大勢の子供の中で息子を見ると、色々と変化に気づけたりもする。それに、私にとっては息子の友人たちもみな、もう2年半も一緒に遊んでいる子たちばかりなので、他の子の変化を見ているのも楽しい。 わっと寄ってくるのを、ちぎっては投げちぎっては投げと、体同士でぶつかり合うのが、基本的に彼らとの遊びのパターンだ。「来い!」と言って、わっと寄って来る子たちを捕まえたり、抱え上げたり、振り回したり。でも、こういうことができるのも、もう幼稚園の間ぐらいだけなのだろう。小学校に入ってやろうとしたら、警察に通報されるだろうか。 今日は子供たちに押され、あっと思った時には転倒していた。この2年半で初めてのことだ。みんな、大きくなったね。 息子が親しい友達ふたりを家に誘っていたので、一緒に帰る。今日はかみさんはいないが、もう子供たちだけで遊ばせても大丈夫だろうと思い、私は帰宅後ずっとピアノの練習。 先日、ピアノの師匠に小田和正の「言葉にできない」を演奏して吹き込んで貰い、それを何度も聴き直しつつ部分部分で練習していけば弾けるようになるかと思いきや、とんでもない。これを弾くには、指があと6本ぐらい必要だぞ、と悟り、まずはもっと簡単なフォークソングを練習しつつ、コードを頭に叩き込んでいくことにした。少しやってると夢中になって面白い。 昼間仕事を中断した分、夜はまた仕事。 午前0時頃から酒をちびちび飲みつつ、仏様の顔を彫り始める。明日は木彫の会なので、できるだけ進めておきたい。 木彫にしろ、ピアノにしろ、それで生きてきた人の技術はすごいものだとしみじみ思う。私のような初心者から見ると、同じ人間とは思えない。こういうことが面白いんだな、と思う。
10/16 日曜日 朝5時ぐらいに猛烈な雨が降ったので、今日もまた延期かと心配し、布団の中でうとうとしてあまりよく眠れなかったが、7時に起き出すと綺麗に晴れている。今日は息子の幼稚園の運動会だ。 8時45分ぐらいに集合。まずは行進から始まる。今年は年長組なので、出る競技の数が多い。映像係のお父さんも、大忙しだ。側転、竹登り、綱引き、そして午前中のトリはリレーだった。息子と競う相手はある有名野球選手のお子さんで、体も大きい。息子はややビビり気味だったが、歩けるようになった直後ぐらいから、私は息子と一緒にただただ無意味に家の周辺を走って遊ぶようにしていたので、他の子供と比べてかなり走り方がしっかりしている。「大丈夫だよ。おまえのほうが早いと思うよ」と言っていたお父さんだ。蓋を開けてみれば、やはり息子のほうが早くて、なんとなくちょっと誇らしい。 その後、昼食の前に、年長組のお父さんたちの竹登り競争があり、今年は私もこれに出なければならない。だが、昨日、運動会に先駆けて、息子とふたりで竹登り競争を本気でやったら、今日は両腕とも猛烈な筋肉痛だ。まったく私ゃ何やってるんだろうね、と思いつつ、えいやっと真ん中の高さを上る。一番低い高さでお茶を濁していたお父さんたちも結構いたので、してやったりと思っていたら、息子が親しくしている友人のお父さんたち数人は果敢に一番高い竹を登りきり、しまった、いい恰好を見せそこなって敗北の香納おいちゃんである。 園舎の一部を耐震補強工事中なので、今年の昼食は園庭で食べる。私は昨年は昼飯が終わったあと、ちゃっかりと園舎のピアノの下に潜り込んで昼寝をしたら、ちょっとのつもりが結構長時間眠ってしまい、午後の競技を少し見過ごした。だが、今年はばっちりと午後もビデオに収める。 最後は年長組の子供たちが、「秋川の思い出」と題して、秋川合宿の模様をお遊戯で皆に披露するのが恒例だ。毎年、これを見ているうちに感激のあまり泣き出すお母さんたちがいる。今年はついにわが息子の番になったと思うと、私も感慨一入。 2時半頃にお開きになり、今年も見に来てくれた横浜の父母と祐天寺駅前で別れて帰宅。 風呂に入り、珍しく仕事もせずにのんびりする。昼飯の弁当の残りで夕食。 この日は程良く疲れたので、珍しく11時頃には布団に入って眠ってしまうことにする。これで明日から朝型に転じられるといいなと思う。 10/17 月曜日 朝8時頃に起床。よおく寝た。朝の運動と、朝食。10時頃から机に向かう。少しずつ仕事を再開することにして始めてみると、良い感じで集中力が蘇っている。いいぞ、と思う。 「女警察署長」の続きを書く。一点、キャラクターの描き方に引っかかりがあるが、とにかく書き進める。 5時過ぎまで仕事したあと、今夜は学芸大学の鰻屋で、祥伝社のH氏に打ち合わせを兼ねて鰻を奢って貰う。来年の新連載の相談を詰め、あとは鰻に舌鼓を打つ。ここの鰻の味が、学大の中では今、最も好きだ。それに日本酒は雪中梅を置いているし、瓶ビールは私の好きな温度に冷えているしで、ここで飲むことが私は大好きだ。 今夜は店の女将さんと少し世間話をすると、私の作品を偶然にして既に2冊も読んでくれていることを知る。なんて素晴らしい店なのだろう。 もう一軒回ろうかとも迷うが、行きつけの「中川」が今日は休みだったので、8時半頃にH氏と別れて引き上げる。飲めば必ず明け方になっていた頃の香納さんは段々と息を潜めつつあり、今は美味い酒をからっと呑み、あとは家で本を読んだり映画を観たり、それに仕事をすることのほうが楽しい。 10/18 火曜日 今日も朝8時頃に起き出し、ぴしっと10時頃から仕事。夕方までで、「女警察署長」10枚ほど進むも、まだキャラクターの描き方への違和感あり。夕食後は息子が将棋をやりたいと言い出し、私が王と金銀だけ残して、対戦。まだ駒の動かし方もよく覚えていないけれど、「これはこうでしょ。じゃ、どうやればいいの?」と考えさせると、それなりに結構ゲームになる。無論のこと私が相手の王を追い詰め、さて、そろそろ詰めちゃお、と思うも、あれれっと1手違いで詰まらなかったら、あっという間に逆転され、私のほうが詰んで。あれま。 驚き、ちょっと嬉しいお父さんだ。 深夜は読書。3時頃就寝。■「時の地図(下)」(フェリクス・J・パルマ 宮崎真紀 ハヤカワ文庫)語り口や物語の立て方が面白くて、結構快調に進んだが、クライマックスに至って、私にはドラマトゥルギーが間違っているように感じられた。
10/15 土曜日 今日は息子の幼稚園の運動会だが、空模様がおかしい。朝の6時頃になんとなく目覚めたあと、天気が気になってうとうとしていると、7時過ぎになって、延期の電話が来たとかみさんが教えてくれる。延期の日程は1日で、明日の日曜日に仕切り直すことになる。天気予報によれば、明日は大丈夫そうなのだ。 寝直し、なにしろ今は仕事を一切しない休養期間中なので、たっぷりと休むことにして11時前に起床。昨日の夕食の残りもので軽く朝食を終えて本を読み始めていると、午前中だけ幼稚園に行って普通の授業を受けていた息子とかみさんが帰ってくる。 そして、園には運動会のための竹登りの棒が、既に設置されているという。この園では、年長組の父親は、子供たちと同じようにこの竹登りをしなければならない。子供の頃には難なくできたが、今は果たしてできるだろうかと、実をいえば私も含めて多くの父親が、ちょっぴり心配している。 「○○ちゃんのお父さんや××ちゃんのお父さんは、先週の日曜日にこっそり園に行って練習したんですって」とカミさんが言うのを聞いて、私は「なんと……」と仰け反る。ずるいぞずるいぞ。 それじゃ、うちもこの午後に行こうということになり、せっかく行くのならば、父と子の真剣対決だ、という話がまとまり、2時頃から家族で出かけていく。 息子は一番高い棒の天辺まで楽々登るとのことだったが、なあに、お父さんだって、上半身の筋肉を鍛えたいと思い、毎日、ぶら下がり健康機で懸垂の練習をしているのだ。 この棒は、高・中・低の3種類が並び、例年、大概のお父さんが「低」の棒でお茶を濁すが、私は中は硬いもんね。寿司だって鰻重だって、一番高いのまでは躊躇って無理だけれど、せめて松竹梅の「竹」は注文する私だぞ! というわけで、息子が一番高い竹を、私が中を登ることにして、いっせいのせで競争したところ、私のほうが背が高い分、断然有利で、あっという間に勝利。 どうだ、父の実力を見たか、と胸を張るも、それじゃあ今度は一番高い竹の天辺まで、どっちがちゃんと上れるかだよ、と言われて第2戦に挑んだところ、息子はするすると上まで登るも、私は半分ぐらいまでで脱落……。 こんなはずじゃない、と、それからムキになって竹登りに挑む続けることおよそ30分、気がつけば筋肉疲労で両腕とも肘から先がぱんぱんになっていて、おいおい、これじゃあ明日の本ちゃんに上れないよ。 そういうわけで、慌てて終了となり、買い物をして図書館に寄って、4時過ぎに帰宅。 ふと考えてみると、家族でこんなふうに買い物をするのも久しぶりのことで、やっぱりいつも仕事ばかりしてるんじゃなく、ちゃんとゆったりと過ごさねば駄目だなあ、としみじみ思う。 食事前にまた息子の自転車の練習をすると、ついに完全に乗れるようになる。私が自転車を乗れるようになったのは小学校の2年だった記憶があるから、息子のほうがずっと早い。 怖々と乗っている姿が可愛い。 帰宅後、軽く休んでから机に向かって■「時の地図」の下巻を読み進めているうちに、どうにも段々と自分の小説を書きたくなってくる。 たった4日しか休んでいないのに、もう仕事がしたくなるなんて。私って、こういう人間だったのか。 もう充分に疲労は抜けたのだろうか。疲労が抜けていないのに仕事を始めて、結局また行き詰まることになると辛い。 結局今夜はまだ仕事せず、ひたすらに読書。
10/13 木曜日 リラックス二日目。今日は好きな作家の短篇集や短篇連作集を読みまくることにして、何から読もうと考えるに、自然とすっと星新一に手が伸びる。ああ、幸せ。小中学校の頃、どれだけこのショートショートを夢中で貪り読んだことか。その幸せな記憶に浸りつつ、それじゃあもひとつ幸せをと、■「金田一耕助の冒険」を何編か走り読み。今読み返すと、事件が案外とちょろいんだなあ、と気づきも、この雰囲気があれば、それでいいのだ。 その後、ミステリの短篇集を味わい直したくて、■「エラリー・クイーンの冒険」■「黒後家蜘蛛の会」、そして■「ポアロ登場」などを拾い読みすると、どれも謎解きはちゃらいよね、という気分に。それはそれでいいわけだが、何かもうちょっと違うのを読みたいな、と思いつつ、本棚を漁り、そうそう、と思いついて、鯨統一郎さんの■「なみだ研究所へようこそ!」を読む。まだ半分ぐらいを読み残したままになっていたのだ。同時代の作家だけれど、まだお会いしたことがないが、私は■「邪馬台国はどこですか?」以来ずっと、この人のファンだ。謎解きをユーモアにまぶして書いているのではなく、ユーモアそのものが謎解きと直結している――すなわち、この人の場合、作品の雰囲気自体が、ああだから、なるほどこういう謎解きなのね、と直結してるところが好きだ。 短篇にプラスアルファをつけるのは、どうするのかな、なんてことを時折考えつつ、一日幸せな読書だった。 が、眠る前には今日もやはり「新必殺仕置人」を観る。 10/14 金曜日 9時過ぎに起床。散歩してきて、その後、昨日の夕食の残りのナポリタンと食パンで朝食。食事をしながら、■映画版「ハゲタカ」の出だしを観る。日本映画も、こういったアメリカンテイストの出だしを上手く作るようになってきたんだな、と思うも、その域から一歩飛び出る魅力までは感じられず、最後まで観るかどうか疑問。しかしながら、柴田恭平がきちんと出てきたところで、おっ、観ようか、という気になる。やっぱり役者の魅力――小説でいえば、キャラクターの魅力をきっちりと書き込むことが大事なんだな。 30分ほど観て、仕事部屋へ。リラックスして仕事なんかしないもんね、というのの今日は3日目だ。今日はいよいよ長篇を読むことにして、まずは先日から楽しんでいた■「終わらざる夏(上)」を読了。ディテールがいいなあ。細部はこういうふうに書くんだな。浅田次郎さんがデビューされた頃、なんてあざとい手で小説を書くのだと思って敬遠した時期があったが、今の私にとっては浅田次郎先生という感じで、古本屋で著書に出会うたびに買ってしまう。もう短編は7割がた読んでいるはずだ。自分の感覚が随分変わったんだなと思う。 2冊目は、今度は、ここ数日楽しみつつページを繰っている■「時の地図」の下巻を読み進める。本を読むことが栄養になって、4日前の疲れ果てていた状態が消えていくのがわかる。仕事をする元気がなくなった時には、休憩を取るのが最良の方法だということらしい。 昼飯は軽く枝豆で終わりにして、そのままずっと4時半頃まで読書。そこで帰ってきた息子が、今日は早速自転車の練習をするという。10日ほど前、「毎日、ちょっとずつでいいから練習したら、1週間後には乗れるようになっている」と言い聞かせて、夕方に必ず練習させるようにした。昨日、大分乗れるようになったので、今日はやる気満々なのだろう。 しかし、いざ始めると、「あと何往復で終わり」といったことを言い出すので、私はちょっと不機嫌になる。なにしろ私らの世代は皆「巨人の星」と「あしたのジョー」で育っているので、思い込んだら試練の道を、明日は真っ白な灰になる、である。 が、息子にはどうも口ではやる気のないように見せたがる癖があるというか、いわゆるひとつの素直にならずにシラケを一旦経てから熱さを表現するような、そんな若き日のショーケンのようなところがあるので、口ではこうは言っても実際には熱い心があるのだろう、と親は信じている。 今日は結局、途中から怖々でも乗れるようになったので、今まではずっと家の前の30メートルぐらいを往復していたのだが、さらに足を伸ばして50メートルぐらいの幅を行ったり来たりするように変える。 すると、道の端まで行き着く度に、「楽しい、面白い」と声を上げるようになる。 おめでとう、息子よ。 次は何を一緒に練習しようかな。 イチローの父さんやダルビッシュの父さんや、それに浜口京子の父さんたちみたいに、私も子供がやることを一緒になって猛烈に応援できる父さんになりたいよ。まだ、自分の夢を追うことで忙しいのだけれど。 夜もまた読書。柳ジョージが亡くなってしまったことを、昼間ネットで知った影響で、今夜は彼のベストアルバムを聴きながら、ひたすらに読む。 読書も映像も、自分の興味の対象にあるものを、再びきっちりと楽しんでいきたいものだ。その先に、新しい作品への取り組みがあると信じている。
10/11 火曜日 「女警察署長」快調に進んできたはずなのに、ここに来て進まない。疲労著しい。 朝から、体と気分を騙し騙し仕事で、夕方4時半頃まで粘る。すると仕事部屋に、息子と息子の友人のふたりが呼びにきて、「怪獣ごっこ」をしようという。ちょうどカミさんはマッサージで留守なのだ。仕事で無理だと応えるが、残念そうに引き上げたのが可哀想だし、このまま机に向かっていても進まないので、気分転換を兼ねて、3、40分ほど一緒に遊ぶ。汗びっしょりになって、気持ちよかった。その後、息子の自転車の練習につきあう。 夕食後、今日は風呂はパスしてすぐに机に向かうも、やはり原稿が進まない。疲労著しい。11時40分までやり、これ以上ずっと机に坐っていると、明日も疲労でどうしようもなくなると思い、とにかくここで切り上げる。 この疲労の原因がわからない。一夏ずっと、「レミングの荒野」と格闘した疲労が出てきたのだろうか……。昨日一日リラックスをして、普通ならばガンガン書けるはずなのに、小さな点が気になったり、作品のできへの不安に襲われたりして、一向に筆が進まない。 酒を飲み始め、気分転換が必要と思うも、疲れ果ててしまっていて、本を読む気にも、録画しておいた映画やドラマを観る気にもならない。自分は何か病気なんじゃないかと思いつつ、ユーチューブで好きな音楽を聴いたり、励まされる言葉を見つけ出して観たりしつつ、ひたすらに飲む。 そして、4時頃になって、はっと気づく。一旦、きちんと休むべきだろう。 朝起きて、仕事に入る瞬間に、ワクワク感よりも、怖さとか疲労感が大きくなってきたのは要注意であろうと思う。単純に、文章が出てこない。 小説を書くのが好きなので、家にいる限りは毎日、毎日、仕事をしている。そのほうが楽だし、楽しいからだが、ちょっと頭のネジが擦り切れてきたというか、心のゴムが伸びきってしまってきたような感じがある。 この3ヶ月ほど、きちんと仕事をしてきたにもかかわらず、思ったような執筆量に至らないことがずっと続いてきた。 結局のところ、根本的に、生活や生き方を変える時が近づいてきたのかもしれないとも思う。 デビューして最初の10年、私は長篇は書き下ろしでしかやらなかった。次の10年は、長篇は連載でしか書かなかった。不器用な人間なので、そんなふうでよかったのだろう。 次の執筆スタイルについて、去年ぐらいから考え始めていた。そして、そこに向かって、スムーズな移行ができたらいいな、きっとできるにちがない、といったようなことも思っていたが、結局、しばらくは頭を冷やす期間を置き、えいやっと切り替えるしかないのかもしれない。 幸いなことに、仕事のやり方を変える時期かという予感があったので、この先の連載の開始時期については、どの社に対しても正確な話をしていない。休み、仕込み、悩み、動く、といった時間はあるということだ。 親しい友人のひとりが、ミュージシャンをしている。震災の影響で、今年は収入が大きく減り、大変な苦労を強いられている。 ふと、その友人のことを思う。自分も今、苦しんでいるが、もっと良い小説を書きたい、もっと良い形で書けるはずだ、そのためにはどうしたらいいか、といったふうに考えて悩めるのは、恵まれているのだと思う。 大分飲み、4時過ぎにころっと眠りに落ちる。 10/12 水曜日。 昨夜眠る前に、やはり目の前の仕事をきちんとやっつけたいので、「女警察署長」の進め方についていくつかメモを取っていた。結局のところ、やっぱり貧乏性で、こういうことをしてしまう。朝食後、それを今から実行するか、とも思うも、とにかくはまず疲労を抜くところから入ってみよう、と己に言い聞かせ、今日は何年かぶりでただの映画三昧の日にしてみることにする。 考えてみれば、40代の前半ぐらいまでは、仕事の合間にこういった日を入れていたのに、いつしか毎日毎日小説を書き続けることが快感になってしまって、こういう休息日を取らなくなった。そうなると、映画への興味や愛情がいくらか減るもので、丸一日映画を観るなんて、別にしなくたっていいよ、といった気分で生きるようになるから、不思議だ。 しかし、興味をどれだけ広く深く持てるかが、生きている中で何かを分けていくような気がする。 久々にダスティン・ホフマンを観たくなり、まずは■「新しい人生の始め方」を鑑賞。ホフマンも良いし、相手の女優さんであるエマ・トンプソンもまた良い。この手のタイプの映画としては、男と女の出会いと絡みを、おそらくはあと10分ぐらいは前に持って来るのが常道のような気がしつつ観るも、全編を見終わった時には、出会い前のストーリーの組み立て方が絶妙だったと認めざるを得なくなる。脚本の押さえ方が着実な作品だった。 2本目にはがらっと雰囲気を変え、■「ダイ・ハード4」を観る。ブルース・ウィルスの役柄が好きなんだな、このシリーズは。「3」よりも面白かった気がする。 その後、やっぱり日本映画を1本観たいと思い、山中貞雄が脚本に参加した■「日本遊客伝」を見る。半分ぐらい観た時点で、そうか、これって随分昔に観ているな、と思い出すも、観たことを忘れてたんだから、まあいいや、と最後まで観る。賛否両論別れる作品なんだろうな、と思う。単純な勧善懲悪や娯楽作品から少し離れている。いずれにしろ、久しぶりにのんびりとちゃんばら映画を堪能したことに、嬉し。 私は目が悪いので、2、3本映画を観ると結構疲れてしまう。目を休め休め、今度は■「新仁義なき闘い」。だけど半分ほど観たところで、あれれ、これってやっぱり既に一度観てるぞ、と思い出す。 マッサージ器で首の周辺や顳顬などをマッサージしたあと、今度は韓国映画の■「母なる証明」を見始める。このボン・ジュノ監督の■「殺人の記憶」「漢江の怪物」の2本はともに、頭をぐわんぐわんと殴りつけられたような驚きとともに観たので、この「母なる証明」もぜひ観たいと思っていた。 前半を観たあたりで、日が暮れ始める。数日前から、毎日、日暮れ時には息子と自転車の練習をしているので、今日もつきあう。大分乗れるようになってきた。 夕食後、ちょっと映画に飽きてきたので、何かドラマを観てやれと思い立ち、■「大都会2」を見始める。私は倉本総が脚本を書いた「大都会」が好きで、その反動によってこの「2」のほうにはどうも馴染めずにきた。だが、こうして見直してみると、若かった頃の渡哲也の魅力にあっという間に引き込まれ、1話と2話を続けて観る。優作さんもそうだが、小池朝雄係長もまたいいなあ。 深夜となり、大分酒も回ってきつつ、もう少し「大都会2」を観るかと思いつつも、いやいや、と思い直し、自然と手は■「新必殺仕置人」のDVDへと伸びる。これもまた、「必殺仕置人」があまりに好きだったために、すっかり軽んじて時が経ってしまった作品だが、一昨年ぐらいから、ぽつりぽつりと見直すたび、作品の魅力にショックを受けること度々だ。鉄つぁんがいいのは勿論だが、今観ると、中村嘉津雄がなんともかんともいいんだなあ。 やっぱり映像三昧の日の〆は「新必殺仕置人」に限る。 |一覧|Recommend Item |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||