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カテゴリ:戦争映画
1937 振進キネマ社 製作:井上麗吉 解説:静田錦波
22分 モノクロ 中国戦線に出征して、戦死した紙芝居屋の青年の遺志を継いで、妹が紙芝居をやるという設定だが、ストーリーにはほとんど関係ない。というのも、本編のほとんどが、中国戦線参戦への正当性と、対シナ(満州)政策についてのプロパガンダ的内容で構成されているからだ。映画としての娯楽性、芸術性はほとんど皆無に等しく、戦意高揚国策映画そのものである。それにしても、内容がこなれていないので、はっきり言って学園祭の自主製作映画程度のレベルだ。 風変わりなのは、役者は子供、女性と多数出てくるが、会話音声は一人の男性が多数の声色を使っている。これが解説の静田錦波という人物なのか。多分、紙芝居か講談のような雰囲気をねらったものと思われる。また、紙芝居と言いながら、紙芝居が人形劇だったり実写に化けていく手法は独特。それしか手法がなかったのか、奇をてらったのか、なんとも微妙なところ。 映像中に挿入される兵器類としては、ソ連軍のものが出てくる。赤の広場を行進していると思われるBA-27装甲車、ZIS-32型トラックと思われるもの、兵隊を乗せた車台を牽引するChTZ-S-65スターリッツ砲牽引車である。このほか、ソビエト軍爆撃機として模型が登場するが、どう見ても形状は大型のp-38ライトニング。しかも、都市爆撃をするシーンの特撮では、グルグル回転するp-38似の爆撃機と、明らかに紙製の建物群がなんとも貧相。特撮技術に関しては稚拙な時代と感じる。このほか、中国戦線での戦闘シーンは記録映像ではなく、この作品のために撮影された物のようだ。 興奮度★ 沈痛度★ 爽快度★ 感涙度★ (以下 ネタバレ注意) 紙芝居屋の青年五木は、子供達に紙芝居を見せてやる。お題は「迫る国難」。・・・(紙芝居から実写・人形劇に)・・・ 盧溝橋事件(制作年1937年)にはじまり、中国人民軍250万の軍勢は数万の日本人に抗日戦線を張り始める。その背景には欧米の列強の中国権益の覇権争いがあり、愚かな中国人はその手先として日本に刃向かうのだった。 中隊ラッパ手の五木上等兵(紙芝居屋の青年)は総攻撃で敵弾に倒れる。それを見た中隊長(大尉)は自ら敵弾の中を助けに行こうとするが、部下がそれを押しとどめて戦友の上等兵が向かう。しかし、五木は既に息絶え絶えで、最後に、子供達に見せてやると書きためた紙芝居の下絵を戦友に託す。 負傷して内地に帰った戦友は、五木の妹の所へ赴き、五木の紙芝居遺稿を手渡す。妹は兄の遺志を継いで紙芝居を完成し、子供達に見せてやるのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年11月11日 14時54分54秒
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