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2006年01月20日
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カテゴリ:戦争映画
1970 東映 監督:佐藤純彌
出演者:鶴田浩二、高倉健、梅宮辰夫、山本麟一、渡辺篤史ほか
122分 モノクロ(一部カラー)


 海軍特攻隊物なのだが、特攻隊そのものよりも直掩戦闘機隊の活動をメインに描いた作品。東映の大スターが総出演の豪華版で、鶴田浩二、高倉健を主に若き梅宮辰夫、千葉真一、菅原文太、渡瀬恒彦に加え、大木実、山本麟一、渡辺篤史、若山富三といった味のある役者が顔を揃える。
 海軍第1航空艦隊第26航空戦隊所属の大尉(鶴田)が最初の特攻隊となって生還後、臆病者のレッテルを貼られながらも、第203空の特攻機直掩隊の隊長を務めるという、生と死のはざまを描いたヒューマンドラマである。必死の特攻機に対して、生きて戻るという任務の重圧と後ろめたさの葛藤が、鶴田の名演技で実に良く描かれており、そこに高倉等の特攻部隊の荒れすさむ心具合がマッチしている。ストーリー展開も良く練られており、登場人物も設定もフィクションではあるが、迫真のものとなっている。ただ、ラスト近くなってからは、やや蛇足的なエピソードが盛り込まれ、流れが悪くなってしまっているのが残念。盛り上がった所で一気に終わらせた方が良かったかと思う。
 鶴田の演技は特に感銘を呼ぶ。重々しく真摯な姿勢が心を打ち、妻子の登場とともに涙を誘う。生まれたばかりの幼子のかわいらしさも涙を誘い、我が子を抱かずに去る後ろ姿はいと悲し。また、渡辺篤史演じる飛長の母息子のシーンは胸が熱くなる。本作の素晴らしいところは、こうした感動的シーンが数多くある中、その解決というか妥協点のような落とし所をきちんと説明しているところだ。観客に考えさせるのもいいが、一定の答えが出るのは見ていてすっきりする。ただ、役者の中で良くないのが梅宮辰夫と菅原文太。文太の方はセリフもほとんどないので良しとしても、梅宮辰夫は場違いなふくよかさと話し言葉で、思い切り映画の雰囲気を壊している。何でも出せばいいというもんじゃあないだろう。そこが東映クオリティなのだろう。

 映像はモノクロだが、ラストシーンだけカラーとなる。あえてモノクロ映像を使ったのは戦前の話という点でも悪くないが、ミニチュア特撮、改造零戦の映像をリアルに見せる意味でも活かされている。
 特撮は零戦の離着陸シーン、米軍グラマンとの空中戦など多くのカットがあり、東映特撮陣の高い技術が窺われる。特に離着陸時の脚の収納シーン、空中戦シーンの動きの滑らかさは秀逸。カクカクした動きも不自然な動きも少ない。また、噴煙を引きながらの機体やその爆発シーンはかなりリアルだ。敵空母などの艦船シーンだけはちょっとおもちゃ的だが、全体的には良くできている。
 陸上の零戦は模型のようだが、まあそこそこ良くできている。飛行状態の実機はテキサン。それでも、ミニチュア使用割合が高いので出現頻度は高くはない。
 ただ、音響は今ひとつ。敵艦からの射撃音がピヨピヨというのはちょっと変。
 
 特攻隊ものとしてはかなりシリアスな作りの部類になる。スター総出演と言ってもそれに溺れることなく、主題となるべき芯をしっかり押さえた良作と言えよう。監督は比較的反戦的と評されるタイプだが、その反戦感が程よく日本人的な死の美学となっているのも逆に良い。
 余談だが、映画冒頭に「この映画は宇垣纏中将とは何ら関係ありません」と出る。内容的には宇垣中将(終戦後に部下を連れて11機の彗星で艦爆で特攻出撃した)をモデルにしたとは思えないのだが、終戦後の出撃という共通点だけで出しているのだろうか。また、終戦翌日将軍が自決するシーンがあるが、多分大西中将であろう。何のキャプションも出ない。

興奮度★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★★★★★


(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧ください)
 昭和19年10月マニラ。第1航空艦隊司令部で、第26航空戦隊の司令官矢代少将は特攻隊出撃の命令を受ける。特攻攻撃の無謀さに反対する矢代少将であったが、杉浦中将の勝ち目はなくとも敵に損失を与え、終戦締結のきっかけをつくるのだ、という熱弁に従わざるを得なかった。
 矢代少将は、第26航空戦隊の宗方大尉(鶴田)に6機の特攻隊編成を命じる。特攻を予期していた宗方は自分を含め残り5名の人選に入るが、あくまで自由意志を尊重する。その中で、歴戦の先任下士官堂本上飛曹(山本)のように、一撃で死すよりも戦って生き残る事を選択するものもいた。
 宗方大尉ら6機は爆装零戦に搭乗し敵艦隊に向けて出撃するが、自らの死でこれ以上の特攻を阻止しようと矢代少将自らも特攻に出撃するのだった。群がる敵戦闘機に特攻機も直掩機も撃墜され、矢代少将のみが敵艦に突入。宗方大尉は矢代少将を守るために爆弾を投下して空中戦を行い、唯一負傷して帰還した。しかし、特攻隊であるのに生還した宗方大尉を参謀らは臆病者として見る。
 負傷のため、内地に送還された宗方大尉だが、昭和20年5月、元の上官立石大佐によって第203航空隊の特攻機直掩戦闘機隊の隊長を命ぜられる。初めは固辞した宗方大尉だったが、特攻機の成功率がたった13%にすぎず、67%が敵戦闘機に撃墜される現状に、特攻隊を生きて敵艦に送り届ける任務を引き受ける。
 宗方大尉は特攻機と同数以上の直掩機を要望する。その成果があって特攻攻撃は大成果を生む。そして、後続の特攻隊員指揮官として矢代少将の息子矢代中尉(高倉)が着任する。
 そこに、特攻に出撃しながらエンジン不調を理由に吉川飛長(渡辺)が3度目の帰還をする。整備担当の荒牧上整曹(若山)はそんなはずはないと言い切る。宗方大尉は機体の試験飛行を行う。宗方は何の故障もなかったが高度7,000mで振動があると嘘の報告をする。宗方にとっては死ぬ覚悟のない兵に死ねとは言えなかったのだ。矢代中尉はこの報告に疑問を覚え、自ら再飛行する。矢代中尉は自ら特攻で生還した宗方大尉を臆病と非難し、そんな者に直掩などして欲しくないと言い放つ。
 臆病者とレッテルを貼られた吉川飛長には実はたった一人の盲目の母がいた。母を残して死ねないという気持ちから帰還していたのだが、宗方大尉は吉川飛長を搭乗員からはずし、しばらく気持ちの整理がつくまで待つ事を進言する。一方、新任の少尉の中に堂本上飛曹の弟堂本少尉(梅宮)がいた。再会を果たした兄弟だが、兄の上飛曹は弟の特攻隊志願をやめるよう説得する。しかし、弟は頑なに特攻を決意するのだった。
 ある晩、ついに吉川飛長が脱柵し、母親のもとへ逃げる。しかし、盲目の母は臆病な吉川を叱りつけるのだった。途方にくれた吉川は首を吊ろうとしたところへ、宗方大尉と同期生がやってくる。隊に連れ戻った宗方大尉は、ちょうど帰ってきた吉川と遭遇した、と嘘の証言で吉川の脱柵をかばう。吉川は今度こそ特攻で死のうと決意する。その姿を見て矢代中尉は宗方大尉の考え方がわかってくるのだった。
 いよいよ203空全機をあげての特攻作戦が近づく。しかし敵機の空襲があり、地上の零戦が被弾する。矢代中尉は誘爆を恐れて機体を飛ばそうとしたところ、吉川飛長が割り込んで飛んでいく。消火や爆弾投下を試みるも叶わず、吉川飛長は「卑怯者でなかったと母に伝えて下さい」と言い残し爆死する。
 東京から鹿屋基地に宗方大尉の妻子が訪ねてくる。生まれたばかりの男の子と引き合わせるために矢代中尉が手配するが、宗方は自分だけ会うわけにはいかないと固辞する。しかし、特攻菊水隊24機、直掩12機の出撃間際に、矢代中尉の配慮で妻子と顔を合わせる事ができる。
 そして、いよいよ矢代中尉ら24機が出撃する。途中で敵機の攻撃を受け、矢代中尉は目を被弾。宗方大尉が誘導して矢代中尉は敵空母へ突入する。堂本上飛曹も敵砲弾にやられ、弟とともに敵艦へ突入する。基地に戻った宗方は基地がもぬけの殻になっているのに驚く。荒牧上整曹によれば終戦になったというのだ。上層部は終戦が近い事を知りながら特攻隊を出したのだ。宗方大尉は、これで生き残る理由もなくなったと、立石大佐の制止も聞かずに、単身零戦に搭乗し夕日のかなたへ消えていくのだった。



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最終更新日  2006年01月20日 07時31分25秒
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