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2007年06月30日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2005 ロシア  監督:ヴァジリ・チィギンスキー
出演者:ドミトリー・オルロフ、ウラジミール・ゴスティウキン、ニーナ・ルスナローヴァ、ユーリ・ステファノフほか
95分 カラー PERVYY POSLE BOGA /FIRST AFTER GOD


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 第二次世界大戦時のソヴィエト潜水艦隊の活躍を題材にした、アクション系ヒューマンドラマ。近年の量産型ロシア戦争映画の流れで製作されたものだが、内容映像ともにチープ感は強い。ロシア映画の特徴でもあるねちっこい人物描写は健在で、本作は「英雄」である潜水艦長アレクサンドレ・マリーニン大尉を主人公に、女性との絡みの中で悲壮感を際だたせていく。被害者意識的視点の流れで、結局はソヴィエト軍賞賛に至るのはおきまりのコースだが、昔に比べると悲壮感やソヴィエト軍賞賛の表現も薄くなってきている感じはある。
 マリーニン大尉は実在の人物だそうで、モデルは多分、Alexander Ivanovich Marineskoのことだと思われる。彼はソヴィエト海軍で有数の撃沈トン数を誇る潜水艦長であったが、ドイツの民間船ガストロフ号(映画「ガストロフ号の悲劇(1959独)」にもなっている)を撃沈したことにより、評価が下げられ実際は「英雄」ではなく「赤旗勲章」を授与されている。死後の1990年になって改めて「英雄」を授与されていることから、本作の映画化につながったものと思われる。マリーニン大尉が乗艦しているのは中型潜水艦「S-113」(架空)でドイツのグレタ号を撃沈したとしている。実際の乗艦も「S-13」のいわゆるS型潜水艦で、映画中では乗員が「親衛隊」の称号を得ていることが描かれているが、実際は「赤旗勲章」である。こうしてみると、ガストロフ号の話は出てこないし、西側から見ると民間船や病院船を撃沈した戦犯的な苦しい立場なのに、単に英雄として描かれるあたりは事実と食い違う点も多いので、実在のマリンスコ大尉を題材にしたフィクション映画と捉えた方がよさそうである。

 潜水艦を題材にしてはいるが、潜水艦映画と呼べるほどの描写もなく、映像、緊迫感ともに期待はほとんでできない。マリーニン大尉は実在の人物ということで、その人間ドラマとしての色合いが濃いが、それにしても人物描写の掘り下げが甘く、関連する登場人物に深みが足りない。男女の恋愛にしても、それまでの伏線がほとんどないので盛り上がらないし、本作で最もサスペンス的シーンのはずのGPU(ゲーペーウー)の執拗な監視も思ったより盛り上がらない。全体に薄っぺらく、心情移入できるだけの描写がないのが寂しい。

 主役のドミトリー・オルノフは存在感のある大男だが、現代風の感じが強く、第二次大戦時の英雄という雰囲気ではない。潜水艦の甲板長役には「捕虜大隊(2004露)」でも存在感のあったユーリ・ステファノフ。今やロシア戦争映画の顔になりつつあるか。

 撮影はロシアのバレンツ海を中心に行われたようで、内海の様子や自然風景はいかにもロシア的。ただし、戦争(潜水艦)映画としてはスケール感が乏しく、廉価映画であることは間違いない。登場する潜水艦もドック係留中のもの以外はCGだし、艦内部のシーンは本物の潜水艦を利用しているようだが、満足できるだけの量はない。ドイツ艦隊や水中戦闘シーンもCGのようだが、出来はそんなに悪くはないが、インパクトを残すほどでもない。実際に登場する艦船のほとんどは漁船改造型の哨戒艇のようなものばかり。このほか、ドイツ軍戦闘機としてBf-109が一瞬登場し実機映像ぽく見えたが、どこかからの流用か。所属は第373空軍援護隊となっていた。興味深かったのは、マリーニン大尉の敬礼がグーからパーに変化させながら行っているシーン。他の兵はそうしていないのだが、マリーニン独自の敬礼なのだろうか。

 全体に描写が甘く、盛り上がりに欠けてしまった映画。英雄を描こうとしすぎた結果なのか、単に脚本が駄目だったのか。戦闘シーンも駄目レベルだし、全てが中途半端になってしまったのが残念。素直に伝記ものとしたほうが面白かったろうに。
 

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
  1944年秋、レニングラードで家族を失った少女ターニャは、フィンランドのソヴィエト海軍潜水艦基地へ働きに行く。同乗の船にはいかめしい顔をした特務官少佐(GPU)も乗っていた。港にはドイツ軍の艦船を多数撃沈し「英雄」の称号を与えられた潜水艦長サーシャ・マリーニン大尉が上陸してくる。旅団長(大佐)が出迎える中、給仕として働き始めたターニャは彼に一目惚れする。帰還する潜水艦を歓迎するのは、負けたら帰ってこないから帰還潜水艦は常に勝利者という理由だ。
 特務官の少佐は森の中で自傷して逃げようとする若い兵ゴルシコフを逮捕する。さらに、こともあろうに英雄のマリーニンを監視しはじめる。マリーニンの父親は海軍中将だったが粛正で逮捕され、兄のロマンは白軍士官だったため、マリーニンにも疑いをかけていたのだ。特務官少佐はゴルシコフをマリーニンに預け、マリーニンはゴルシコフを機関士にする。
 マリーニンは町で知り合ったフランス人女性アンナ・テレザ・マリア、通称アーニャと懇意になる。ホテルで逢い引きしている際、ドイツ軍の護送船団が迫ってきたとの報がはいる。しかし、マリーニンはそれを無視し、かわりにガリエフ少佐が出撃するが撃沈されてしまう。恋人のマーシャは泣き崩れるが、規定通り遺品だけが帰っていく。マリーニンは自戒の念に駆られるが、追い打ちをかけるように特務官少佐から潜水艦勤務を禁止されてしまう。
 特務官少佐はさらにマリーニン大尉を追い込みはじめ、兄ロマンが生きているかのような偽情報を流す。マリーニンはアーニャの助けで兄の所在を探し始める。しかし、その先には特務官少佐が待ちかまえており、マリーニン大尉はニセ英雄として逮捕されてしまう。一方、ターニャはマリーニンがアーニャと一緒にいるところを目撃し、一方的に失恋したと泣きじゃくる。
 マリーニンを護送する船が海軍の艦船によって取り囲まれる。ドイツ軍の大規模輸送船団が発見され、海軍旅団長はマリーニンを出撃させろとの艦隊司令官命令を提示し、特務官少佐からマリーニンを奪い返す。
 出撃したマリーニンは敵駆逐艦の爆雷攻撃で損傷を受けるも、勇敢に浮上して魚雷を発射。さらに艦砲で攻撃を仕掛ける。敵艦を撃沈させるも被害甚大で副艦長らが戦死する。
 基地では、消息不明のマリーニンの艦が失われたと報じられるが、マリーニンはボロボロになった艦で帰還する。特務官少佐は取り上げた銃をマリーニンに返上する。それを見たターニャは「彼は神の次に尊い人なのだ」と感じるのだった。



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最終更新日  2007年06月30日 09時39分17秒
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