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2007年07月22日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2006 ロシア・ベラルーシ  監督:ジノヴィ・ロイズマン
出演者:アンドレイ・パニン、デニス・ニキフォロフ、アンソレイ・ソコロフほか
100分 カラー POSLEDNIY BRONEPOEZD /THE LAST ARMORDE TRAIN


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 第二次世界大戦のソヴィエト・ドイツ攻防戦を舞台に、戦略上の重要拠点である鉄橋攻防でのソヴィエト軍装甲列車の活躍を描いたアクション系ヒューマンドラマ。特に歴史的事実に基づいたものではなさそうだ。
 撮影に用いた道具類、爆薬量、エキストラともにスケール感の大きい作品で、アクションに関して言えばかなり見応えはある。オープニングの映像、挿入音楽、効果音などもいかにもロシア風で、なかなか格好良い。だが、内容に関して言えば、ハリウッド映画を意識しているのか、せっかくのロシア映画的なねちっこさがない。前半までは戦争アクション色の濃い展開だが、後半になるにつれ、無意味なラブロマンスや格闘アクションが挿入されてしまい、映画のリアル感や流れが一気に阻害されてしまったのが残念。特に、後半に挿入されたロシア美女のヌードシーンや主人公による徒手格闘シーンは全くの蛇足であった。さらに、画面転換の際に映像が止まったり、ブチ切れたりしているのは、DVD化にあたって元テープが短く編集されているのか、単に仕事が雑なのか、見ていて目障りだった。

 本作は、独ソ戦の中でもソヴィエト軍の装甲列車というレアな題材であり、いわば列車アクションと言うにふさわしい。だが、せっかくの列車アクションなのに、格闘シーンなどはアメリカ映画の劣化コピーのようなイメージで、アクションや展開に斬新さがないのがなんとも寂しい。さらに、せっかくの装甲列車自体の作り込みや映像が今ひとつで、装甲列車が関わる戦闘シーンが少ない上、搭載兵器類がほとんど映されないのは減点要素。もっと装甲列車の活躍があると良かったのだが。
 アクションにかかる爆薬使用量はかなり多い。惜しげもなく建物や構造物を破壊しているので、迫力は十分感じる。ただし、炸裂箇所や爆薬の量がシーンとマッチしていない箇所もあり、リアル感という点では今ひとつ。
 ストーリーで興味深かったのは、ソヴィエト赤軍の粛正等がごく普通に描かれ、スターリンも赤軍幹部も善人には描かれていないこと。本作では、特に政治的意図もないのだろうが、ごく普通にソヴィエトスターリン体制の恥部を描ける時代になったのだと感慨を覚えた。もちろん、ソヴィエト軍賛美の傾向は強いのだが、決してドイツ軍が極悪というわけでもない。むしろ、ソヴィエト映画の楽しさは、コテコテの政治色にもあったのだが、そうした色合いが薄くなってきたのはロシア人の趣向が変わってきたと言うことなのだろう。

 主人公は、元陸軍少将(旅団長)だった政治犯兵(アンドレイ・パニン)で、見た目も渋く、アクションシーンもそこそここなしているのだが、声がかん高くてビックリ。妙に違和感を感じる。その他の兵はとってつけたような役柄だったが、特にインパクトなし。看護兵トーマ役はかなりの美少女で、ヌードシーンも披露。ヌード自体はストーリーを阻害する極悪なものだったが、彼女のヌードを入れてみたい監督の気持ちはよくわかる(笑)。なお、独兵がきちんとドイツ語を話していたのは好感。

 ドイツ軍の軍装がちょっと変な感じだが、迷彩服を着用しソヴィエト兵に化けるのは、いわゆるドイツ降下猟兵を描いているのだろう。バルジの戦いでアメリカ兵に化けたドイツ降下猟兵の逸話は有名だが、対ソヴィエト戦でもこうした活動は頻繁に行われていたのだろうか。
 その降下猟兵が乗ってくるのは、ANT-7(R-6)風の曳航機に曳かれたグライダー。グライダーはYAK-14風にも見えるがちょっと違う。いずれの滑空、着陸シーンとも限りなく実機に見えるのだが、もしミニチュアやCGだとすれば、かなりの技術だ。このほか、ドイツ軍用車としてBTR-40装甲車が登場している。ソヴィエト軍装甲列車は実物大のものを製作してはいるが、前述のとおりあまり迫力はない。

 ストーリーの流れや全体のコンセプトという点では、かなり中途半端で残念な出来。前半までの出来が後半に引き続いていれば合格点だったかもしれない。時刻表示をしながら進めていくストーリーながら、緊迫感がなかったのはシナリオや編集に問題があったように思える。
 なお、邦題に関しては、期待する方が良くないのだろうが、何が限界戦線なのか意味不明。


興奮度★★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★



!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 ソヴィエト軍陣地にソヴィエト軍の脱走兵の集団がやってきて混乱となる。その機に乗じてドイツ軍が襲撃をかけて全滅させる。ドイツ軍指揮官はソヴィエト軍中尉の軍服に着替えて、戦線の要衝となっているドルチ川鉄橋の守備隊に接近する。ツェフツォフ中尉を名乗る独兵は、上空からグライダーで侵入してきたドイツ軍降下猟兵と呼応して、ソヴィエト軍ヤホントフ大尉の守備隊を撃破し、鉄橋の奪取に成功する。
7月15日7時15分、ソヴィエト軍の第63歩兵団司令部の兵団長は、ヤホントフ大尉と連絡がつかなくなったことから、鉄橋が奪取された可能性が高いと判断した。しかし、攻撃部隊を組織するのに時間がかかるため、急遽虎の子の装甲列車をドルチ川鉄橋に向かわせることにする。すぐさま、オリホフカ駅に列車兵が召集される。
 鉄橋では事情を知らないソヴィエト軍列車が通過していく。ドイツ兵のツェフツォフ中尉は列車に便乗してマリヤモボ駅まで一緒に行動する。列車には囚人兵の一群が乗っており、政治犯のレソルプやラザリ、ミーシャといった兵がいた。些細な喧嘩からシェルパン中佐の懲罰を受けている最中に、列車はドイツ軍に占領された陣地からの砲撃を受ける。レソルプの手引きでラザリ、ミーシャ、その場にいた看護兵のトーマはファデエフ機関士とともに機関車を動かして脱出に成功する。さらに、ドイツ軍の背後にまわってドイツ軍を殲滅する。茫然自失のシェルパン少佐は自殺し、レソルプらはそのまま姿を消そうとするが、鉢合わせした装甲列車に見つかってしまい、逃亡兵として監禁されてしまう。
 尋問の際にレソルプは「兵団長に会わせろ」と不審な発言をするが、実は彼は元旅団長の陸軍少将だったのだ。スターリンの粛正で政治犯となっていた。
 第63歩兵団がマリヤモボに到着し、兵団長は副官のギャリボイ大佐にツェフツォフ中尉を連れて偵察に行くよう命じる。ツェフツォフ中尉はギャリボイ大佐から装甲列車の情報を聞き出し、先回りして装甲列車を待ちかまえる。レソルプらを乗せた装甲列車が駅に到着し、ツェフツォフ中尉は列車のソヴィエト兵を皆殺しにする。唯一監禁されていたレソルプらだけが難を逃れ、床下から脱出して装甲列車ごと逃亡に成功する。その際、ギャリボイ大佐も脱出に成功し、装甲列車に飛び乗る。ツェフツォフ中尉は、勲章欲しさに装甲列車奪取失敗を報告せずに追跡を開始する。
 レソルプはギャリボイ大佐がドイツ軍に情報を売ったことを知り、自分を政治犯送りにした男でもあるギャリボイ大佐に罪を償えと射殺する。
 7月16日12時、クリチェボ退避駅に装甲列車が着く。そこにはドイツ兵がいたが列車で攻撃して制圧。捕虜となっていたソヴィエト兵らがドイツ兵を撲殺する。その中から希望者を乗せて列車は出発。さらに、ドイツ兵と仲良くしていたために目の敵にされていた美女ソフィヤも乗せてやる。ソフィヤはドイツ人でロシア人に育てられた女だった。次第にレソルプとソフィアは恋仲になっていく。また、ミーシャは看護兵のトーマに恋心を寄せていく。
 ドルチ川近くに第63歩兵団が到着し、装甲列車の到着を待つ。装甲列車は追いかけてきたツェフツォフ中尉(ディートリッヒ中佐)に襲撃を受けるが、これを撃退。ツェフツォフ中尉と降下猟兵隊長のクリューゲは内争を始め、追われたツェフツォフ中尉は、まんまとレソルプの装甲列車に乗り込むことに成功する。ツェフツォフ中尉は装甲列車を鉄橋にやらないように、空襲から避けるためセメント工場に避難することを提案する。さらに、厭戦的なソヴィエト兵を煽動して味方に付け、ドイツ軍に情報を流す。ドイツ軍はセメント工場に接近し、レソルプらは危機一髪のところで工場を脱出する。
 工場を出て第63歩兵団の待つ鉄橋付近へ移動する装甲列車の中で、ついにツェフツォフ中尉が行動を起こす。ツェフツォフ中尉は屋根で警戒に当たっていたラザリを刺し、反乱兵達が列車内を制圧する。異変に気づいたレソルプらだったが、機関士のファデエフが肩を撃たれ、ミーシャも危機一髪のところをトーマに助けられる。レソルプはツェフツォフ中尉と一騎打ちとなり、列車から転落。付近の廃屋での決闘で、ついにレソルプはツェフツォフ中尉を倒す。
 装甲列車が予定時間に到着しないため、第63歩兵団長は鉄橋への突撃を開始。しかし、ドイツ軍陣地の反撃で兵がバタバタと倒れていく。その時、ようやく装甲列車が到着し、ドイツ兵は逃げていく。
 その後、レソルプはプラハに行き死ぬ。ソフィアは行方がしれない。ミーシャとトーマは戦後も生き残る。ラザリは9日後に死亡。機関士は1947年まで装甲列車の運転をした。


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最終更新日  2007年07月22日 10時19分14秒
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