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2008年12月29日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2006 トルコ 監督:セルダル・アカル
出演者:ネジャーティ・シャシュマズ、ビリー・ゼイン、ゲイリー・ビューシィほか
118分 カラー KURTLAR VADISI IRAK

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 イラク戦争を背景に、イラク北部のクルド自治区で起きた様々な事件をトルコ側視点から見た異色作。異色というよりも我々が目にする作品のほとんどが西側製作のため、本作から感じる違和感はかなり強い。トルコという国はEU加盟国でありながらもイスラム国家であり、第二次世界大戦時から独自の独立、依存路線を辿ってきた国である。親米のようであり、反米であるという、なかなか日本人には理解しづらいポジションであり、本作もそうした背景をしっかりと把握しておかなければ、単なるアンチアメリカ映画という印象しか残らない。アメリカでは公開されていないようだし、公開された国々でも評価は大きく二分されるようだ。 
 ちなみに、トルコはスンニ派イスラム教徒が大半の国家で、「クルド人民会議」のトルコ版PKKと対立してきた。イラク戦争でアメリカがクルド人組織を支援したことからアメリカとの溝が広まっている。

 本作では、全般に極悪アメリカ兵と小狡いクルド人が敵であり、トルコ人とアラブ人が善者として描かれている。何故、こういうポジションで本作が描かれなくてはならなかったか、ということを考えてみる必要があるようだ。
 本作で描かれている内容は、2003年7月4日の「フード事件」(イラク北部で米軍がトルコ軍特殊部隊本部を急襲し、11人のトルコ兵が拘束された事件)、2004年5月19日のムカラディーブ村での米軍によるイラク人結婚式襲撃事件などを題材にしていることは明らかで、さらに北部同盟兵士がトラックで護送中にトラックコンテナに銃撃を加えてタリバン兵を殺害したエピソード(このエピソードは「グアンタナモ、僕達が見た真実(2006英)」で描かれている)も米兵が行う仕業として描かれている。このほか、有名になった米兵によるアブグレイブ捕虜虐待事件(「アメリカン・ソルジャーズ(2005カナダ)」でも一部描かれる)も描かれる。
 従って、描かれている内容の真偽についてはいささか疑わしいものがあるが、少なくともイラク人のみならずトルコ人にとってもアメリカ人の傲慢さ、残虐さというものがどのように捉えてられているかは窺い知ることが出来る。キリスト教、正義の鉄拳を振りかざしてきた大国への敵意は根深く、民意にも反映されているのだと感じる。
 ただし、アメリカ全てを否定しているわけでもなさそうで、あくまでも悪者は米軍の一部であって、トルコが戦うのもトルコの名誉の回復のためという点をことさらに強調している感がある。この当たりはやはりトルコの置かれた微妙なポジションを感じる。

 トルコ視点(イスラム視点)という点では非常に興味深い作品ではあるが、全般のストーリーや流れという点では今ひとつ。反米なら反米で政治色一辺倒で突き進んでくれればいいが、イラク人女性やトルコ情報部員がスーパーアクションを繰り広げてしまうという陳腐さ。そのアクションもハリウッドに比べれば陳腐なもので、見た後の達成感や爽快感は感じられない。まあ、こんな作品があってもいいかというB級レベル。

 撮影はトルコで行われており、登場する兵器類はかなり少なめ。米軍が乗るジープ以外はトラックのみ。銃器類もあまり考証されているとは思えない。

興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★★
感涙度★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 2003年7月4日、イラク北部クルド自治区スレイマニエ市に駐留する多国籍軍のトルコ部隊司令部に米軍が踏み込んでくる。少佐を長とする11名のトルコ兵は拘束される。トルコ軍がイラクテロリストを支援したとの疑いだが、スレイマン少佐はトルコへの侮辱だとして自決する。
 裏で米軍を仕切っているのは元米兵で死の商人サム・マーシャルだった。サムはイラク人レイラの結婚式パーティを襲撃させ、子供を含む多数の民間イラク人を殺害する。さらに、暴走した米軍兵は臓器売買のための提供者としてイラク人を連れ去り、途中で空気穴と称してトラックに銃撃を加えイラク人を殺害する。臓器売買を手がけているのはユダヤ系アメリカ人で、生きて連れてこられたイラク人をアブグレイブ収容所の捕虜として臓器を取り出していた。
 スレイマン少佐の部下だった元トルコ諜報部員のポラットは、仲間のアブドュレー、メナティとともにアメリカ軍への報復を決意する。クルド人民兵の検問を突破し、ハリルトン・ホテルに爆弾を設置して占拠する。ホテルの支配人を通じてサムを呼び出したポラットだったが、サムは上手にもトルコ人の少年少女を連れてきており、サム殺害は失敗に終わる。
 婚約者を殺害されたレイラは復讐を試みようとするが、ケルクーキ師は自爆テロを許さなかった。しかし、幼い子供アリを殺害された父親はサム、クルド人、アラブ人、トルコ人を交えた三者会議を狙って自爆テロを決行する。しかし、サム殺害は失敗し、暗殺を狙っていたポラットらは米兵をついでに殺害する。米軍に追われたポラットらはレイラの手引きで米軍から逃れる。
 サムはトルコ代表のハサンを殺害し、ますますトルコの立場が悪くなる。クルド人代表にもケルクーキ師の殺害を求めるが、万人から崇拝されるケルクーキ師の暗殺は断られる。
 ポラットはサムへ贈られるピアノに爆弾を仕掛ける。ピアノは爆発するもののサムは生き延びる。ケルクーキ師のもとを訪れたポラットらとレイラはそこで米軍の襲撃を受ける。周囲を囲まれたレイラは婚約者から贈られたナイフで米兵を殺すが、サムによって射殺されてしまう。ポラットの腕の中で息絶えたレイラの敵討ちと、ポラットはサムと格闘戦になり、ついにサムを殺すのだった。





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最終更新日  2008年12月29日 07時14分24秒
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