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2009年01月09日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1999 アルゼンチン 監督:マルセロ・シャプセス
出演者:ドキュメンタリー
88分 カラー CHE, A MAN OF THIS WORLD



チェ・ゲバラ 人々のために(DVD) ◆20%OFF!
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 1953年に蜂起したキューバ革命をカストロとともに戦い、1967年にボリビアで死ぬまで、世界の共産主義武力革命を志した革命家「エルネスト・チェ・ゲバラ」のドキュメンタリー。ゲバラの出身地アルゼンチンの監督マルセロ・シャプセスが手がけ、日本でも2003年に公開されている。
 本編の映像は、当時の記録映像とゲバラとともに戦った関係者や家族などのインタビュー映像で構成されている。一応アルゼンチンでの出生から、南米旅行、キューバ革命、コンゴ闘争、ボリビア闘争での死までを通して扱っている。中核となるのは、あくまで関係者のインタビューであり、彼らが語るチェ・ゲバラ像をつなぎ合わせることによって、彼の革命家としての姿を描こうと試みている。
 挿入されるゲバラやカストロの演説など、当時の記録映像はなかなか貴重なものだが、さすがに保存状態は良くない。また、関係者のコメントも興味深いものではあるが、近年、関係映画や書籍が増えているため、さほど新鮮には感じられなかった。制作当時であればまた少し印象が異なったかも知れない。

 本作はチェ・ゲバラを再評価・高評価するぞという意向が如実で、チェ・ゲバラ万歳的な展開がどうもいただけない。もちろん、ゲバラ支持的なドキュメンタリーならそれで良い訳なのだが、やっぱり歴史の再評価という観点では、もっと客観的な視点やゲバラ批判的な内容も欲しかったところ。特に、カストロへの直撃取材やインタビューなんかは欲しいし、それがほとんど無いところで大幅減点。
 ちなみに、カストロの個人的意見という点では「コマンダンテ(2003)」で少しゲバラについて語っており、本作のニュアンスとはちょっと違う感じがする。金や名誉・地位にこだわらず、貧しい庶民を救い、理想郷を作るためにだけ生きる純粋な革命家。こうしたイメージばかりが先行し、評価されがちだが、では何故彼が革命に失敗し、彼についていく人間が減っていったのか。その辺りを紐解くキーワードがもう少し欲しかった。カストロの冷徹なまでの現実主義からの視点が余りに薄いのだ。
 ただ、ゲバラがいかに冷静で、聡明な人物であったかは良く表現できている。特に側近らが語るゲバラ像からは、モラルに厳しくも人に優しい一面が映し出され、人を観察し操る術に長けていることがわかる。また、いち早く東欧の社会主義に不信感を抱き、勤労意欲向上の重要性に着目していたゲバラが、工業省の幹部らといかに議論を交わしていたかは実に興味深い。結局、ゲバラと彼以外の者のレベルの差が著しすぎたことに失望するのだが。

 本作で、もう一つ決定的な欠陥はやはり映像にある。断片的な記録映像の挿入が著しく見にくい。関連性の薄い映像も多く、インタビューと被ってしまっているし、これならわざわざ映像にせずに書籍でもいいのではないかというレベル。加えて、テロップの用い方、インタビューの挿入の仕方が機械的で、段々飽きてくる。真実を明らかにしていくというドキュメンタリーならばそれでも良いのだろうが、偉人と称される伝記タイプのドキュメンタリーなので、もう少し起承転結や盛り上がりの場面を作っても面白かったのでは。
 また、登場する関係者がわかりにくい。一応最初はテロップが出ることはでるのだが、次第に誰が誰だかわからなくなってくるのが難点。私が理解できた範囲内では、学生時代の友人アルベルト・グラナドス、キューバ上陸戦に参加させてもらえなかった女性同志メルバ・エルナンデス、都市ゲリラ側指導者エンリケ・オルトスキ、後任軍医オスカー・フェルナンデス・メル、14歳でゲバラの元で戦ったジョエル・イグレシアス、ゲバラの副官アリストイデス・ゲラ、ゲバラの護衛隊長アルベルト・カステラノス、護衛隊員ホセ・メンデーサ・アルグディン、ゲバラの娘アレイダ・ゲバラ・マルチ、エベリオ・スルエタ・パレラ、工業省副大臣だったオルランド・ボンゴ、写真家リボリオ・ノバル、有名なゲバラ像を撮影した写真家アルベルト・ディアス・コルダ、コンゴ闘争の同志アリー・ビエガス・タマーヨが証言者として登場している。

 少佐の階級章の付いたベレー帽に髭もじゃのチェ・ゲバラ。インパクトのある出で立ちに、理想的な革命家としてカリスマ的な人気を誇るゲバラだが、本作を見てもなお彼に共鳴できない自分がいる。理想像を貫き通すことの難しさ、モラルを維持することの難しさ、誰もが感じることではあろうが、なおそれを実行しようとしたゲバラへの嫉妬心なのかもしれない。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★





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最終更新日  2009年01月09日 11時54分02秒
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