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カテゴリ:戦争映画
1952 アメリカ 監督:アンドレ・ド・トス
出演者:ゲイリー・クーパー、フィリス・サクスター、デヴィッド・ブライアン、ポール・ケリー、フィル・ケリーほか 93分 カラー SPRINGFIELD RIFLE スプリングフィールド銃(DVD) ◆20%OFF! DVD検索「スプリングフィールド銃」を探す(楽天) 南北戦争を舞台に、北軍の輸送作戦を妨害する南軍スパイを探るサスペンスアクション。いわゆる西部劇的な傾向が強い作品で、ゲイリー・クーパーを主役とするヒーロー活劇でもある。表題のスプリングフィールド銃とは、本作では北軍の制式採用となったレバーアクション小銃M1873のことを指しており、1発ずつ弾込めしなくてもよい新型銃である。だが、生産は南北戦争終了の1865年より後の1873年であり、時代錯誤がある上に、本作品のストーリー上、スプリングフィールド銃の存在が占める割合は低いので、命名としてはやや疑問がある。 銃のことはさておき、ストーリー自体は二転三転する謎解きムードでなかなか楽しめる。ヒーローであるゲイリー・クーパーが悪者になるはずがないので(笑)、薄々と先が読めてはいるものの、展開するテンポの良さもあいまって画面に引き込まれる。ただ、ラスト近くの作りがやや粗雑で、表題のスプリングフィールド銃が登場する辺りから怪しい雲行き。せっかくそれまでのサスペンス的な緊張感が粗雑なアクションで台無しになってしまっているのが残念だ。 もちろん北軍カーニー少佐役のゲイリー・クーパーの存在感は素晴らしいが、脇を支える役者陣の個性もなかなか豊かだ。上官のハドソン中佐役のポール・ケリー、テニック大尉役のフィル・ケリーが自身の存在感をたっぷりと表現しており、ゲイリー・クーパーが浮きすぎない役割をはたしている。 南北戦争とはいえ、南軍と北軍の戦いはなく、南軍側のゲリラとの戦いなので、小銃と拳銃といった程度の戦闘シーンしかない。いわば典型的な西部劇であって、勇猛な戦闘シーンは期待できない。ただ、撮影スケールはまあまあの規模で、荒野を使用した野生馬の群居シーンは立派。まあ、もう少しロングショットで空間を表せていたらとは思うが、この時代ならこんなものか。 勧善懲悪の西部劇を楽しむならば及第点。でもそれ以上のものではないことも確か。 興奮度★★★ 沈痛度★★ 爽快度★★★ 感涙度★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) アメリカ合衆国北軍は来る総攻撃に控え、馬の調達を図っていた。しかし、ことごとく輸送ルートで謎のゲリラに襲撃されて失敗に終わっていた。ハレック将軍は作戦部長のシャープ大佐に対策を講じるよう命じる。しかし、兵員の増加も探偵(ジョージ)も一人しか雇えず、難儀する。 シャープ大佐は現地の司令官ジョン・ハドソン中佐のもとを訪れ、ハドソン中佐は第5騎兵隊新任のレックス・カーニー少佐がグレイロック峠を越える新しいルートで馬の輸送任務を遂行中だと答える。今回は成功かと思われたが、再び数倍の敵に待ち伏せされ、カーニー少佐は馬を放棄して退却する。 戻ったカーニー少佐をテニック大尉が敵前逃亡したと告発する。かつての教え子だったカーニー少佐を擁護するハドソン中佐だったが、結局軍法会議にかけざるを得ず、軍法会議ではかつての部下スノウ軍曹らがカーニー少佐は勇敢だったと弁護するも、有罪判決で軍を罷免されてしまう。今度軍の敷地に入ったときは銃殺だ。 カーニーのもとへ妻エリンが訪ねてくる。息子のもとに帰って欲しいと頼む妻にカーニーはまだやるべきことがあるといって断る。カーニーは地元の村に留まっていたが、ある日作戦に失敗したテニック大尉と喧嘩となり、思わず軍の敷地内に入ってしまい、逮捕される。同時に捕虜となった二人の男シムズとミゼルとともに収監され、3人は協力して監獄から脱走に成功する。3人は北軍に馬を納入している牧場主マクールのもとに行く。ゲリラの黒幕は脱走の手引きをしたピート・エルムとともにマクールだったのだ。 マクールは5回の襲撃で1000頭の馬を獲ており、南軍に売り渡しにいくことに。カーニーもその手伝いをすることとなる。エルムはカーニーに事ある毎に反抗するが、カーニーは力でそれをねじ伏せ、マクールの信任を得る。 マクールのもので馬を売るカーニーを見て、エリック大尉は苦々しく思っているが、カーニーが密かに入っていった小屋にエリック大尉も入っていく。そこにはシャープ大佐、ラムジー・プール軍曹らがおり、実はエリック大尉との確執も全て隠密作戦だったのだ。カーニーは息子が父の汚名を恥じて家出したことを知らされ、任務を終了して欲しいと願うが、シャープ大佐は許さない。そして、マクールを殺害するよう命じる。マクールの後がまに座れば、北軍にいる南軍スパイからの接触があるだろうと踏んだのだ。 カーニーは泣いて頼む妻を無理矢理帰らせ、テニック大尉との連携作戦を実行する。テニック大尉の攻撃でマクールが死亡。しかしテニック大尉も戦死してしまう。カーニーは無事にマクールの後がまに座り、エルムと協力することに。しかし、なかなか南軍スパイからの連絡がない。そしてついに南軍スパイからの連絡がある。なんとそれはハドソン中佐だった。馬の買値の下二桁が地図の番号だったのだ。 シャープ大佐らはハドソン中佐の摘発に乗り出そうとするが、息子が発見されたとの報をカーニーが妻に知らせたために、ハドソン中佐が感づき、ハドソン中佐はシャープ大佐やプール軍曹らを殺害し、カーニー少佐も捕らえてしまう。シャープ大佐殺害の汚名を着せられたカーニー少佐は処刑の直前にスノウ軍曹によって救出される。カーニーと6名の兵は、新型のスプリングフィールド銃を携えて、ハドソン中佐のいる襲撃場所に向かうが、すでにジョンソン中尉の隊が襲撃を受けて引き返す途中だった。カーニー少佐はジョンソン中尉らに新型銃を与えて、ハドソン中佐らを襲撃することにする。 包囲されたハドソン中佐らゲリラ隊はなんとか逃げようとするが、新型銃の威力に壊滅する。カーニー少佐は逃げるハドソン中佐を捕らえるのだった。 カーニー少佐は戦功から情報省長官に推薦され、息子も無事に戻ってくる。そして、スプリングフィールド銃は制式に標準装備になるのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月09日 08時44分55秒
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