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2009年01月23日
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カテゴリ:アニメ
女王陛下を迎え益々盛り上がるカリー勝負

ラウの眼が開いた!

従者に囁く女王陛下
「陛下宣く、長らく皆の前に出られず心配をかけました。ですがすっかり体調も戻りこうしてカリーを食するまでになりました。我が夫、亡きアルバートも好んで食したカリー。皆の健闘を期待します」

歓声!勝負開始

会場に行かないソーマ
再会したミーナはソーマの知るミーナでは無かった

(私の神ソーマ様。我が力はあなたの為に!)

神の右手で凄い勢いでスパイスを選び炒めるアグニ

右手が別の生き物の様だ、なんて良い香り…
これが神のカーリーの右手、楽勝とウエスト

しかし…
悪魔の右手で凄い勢いでスパイスを選び炒めるセバスチャン

こっちも凄い!香りも負けていない
舌打ちウエストだが
鍋にファントム社のチョコレートを入れるセバスチャン
カレーにチョコレート?気持ち悪い…引く観客

さすが菓子メーカーたるファントム社。宣伝の仕方が斬新と笑うウエスト
あれは歴とした調味料とアグニ

カカオ、油脂、ミルク、砂糖のブレンドが香ばしさや苦み、更にはまろやかなコクも…

一体どこからそんなアイデアを?
「我が主の命でしたので」セバスチャン

「カリーにでもぶち込んでおけ!」の言葉通りに…

「主に命じられた以上それがどんな無茶でも実現して見せますよ。私はあくまで執事ですから」不敵な笑み

「物は言い様だね」ラウ
「嫌みのつもりか?」シエル
シエルにニコとセバスチャン
ハッとするアグニ
「何という主従の絆」
ソーマの姿はない
(王子…やはり私を許しては下さらないのですね…否だからこそ負けられないのです!私は)

青い海老を手にするアグニ
「ブルーオマール!ブルターニュの澄んだ海にしか生息しないと言われている幻のオマールエビ!シャルトルの青に負けぬ鮮やかな殻に包まれたその姿はまさに青いドレスを纏った麗しき貴婦人!ドレスの下の引き締まった身は高級且つ繊細な甘みで人々を魅了すると言う…」
うっとりドルイット
これこそカリー最高級ブランド。小手先の邪道な調味料など…とウエスト
「私は私の全力を持って、セバスチャン殿!あなたを倒します」
食材を目にも止まらぬ高速で刻む

焦る料理人がアンジェから渡された中身をカリーに…

タイムアップ!これより審査

まずはパーショントビ?社のビーフカリー

大きくカットされたビーフ…実に贅沢だが
単調な味わいと香り…
プロの料理人がカレー粉を使うなど言語道断!

ドール社はスパイスを独自調合…一つだけ飛びぬけて素晴らしい香りだが
全体のバランスが悪く折角の香りが悪目立ち

次はアグニ。オマールエビの7種のカリー

何という鮮やかさ!
ぷりぷりした身。噛みしめた後に口に広がる繊細な甘み
7種のカリー全てが海老の甘味に調和
「おお!おお!これは、舞踏会で出会った麗しの美女!気高く美し過ぎるあなたを包む7種の宝石!鳩の形の金のブローチ、サファイアとパールのブレス、ガーネットのチョーカー、カメオの勲章。そして指先にはダイヤとエメラルドのリング!その全てがあなたの美しさを引き立てる。私はあなたに、心奪われた!」ドルイット

高評価!優勝決定か?それとも?

最後はセバスチャン

「こ、これは!?」
皿の上には白い饅頭?怒りだす審査員だが
油で揚げるセバスチャン

「完成しました。これが我が社のカリーです」
何処にカリーが?
ドルイットがナイフを入れると中からカリーが…
「何!?」
「これが我がファントム社が自信を持ってお出しするカリー。その名もカリーパンです」
「カリーパン?」
「これは旨い!揚げたパンのサクサクふわふわの皮ととろーりとしたカリーが見事な食感のグラデーションを形成している」
「何より素晴らしいのはカリーのうまみと香りを閉じ込めるこの構造だ!ナイフを入れた瞬間に全てが開花する」
「おお!おお!これは…夜会で出会った可憐な美少女!昼間は子どもっぽく囀る悪戯な駒鳥。でも夕暮れの君は真実の顔を覗かせる。そこにいたのは一人のレディー!私は君を抱きしめてしまいたい!」
ハートを飛ばすドルイット。可憐な美少女は女装シエル!
寒気を覚えるシエル
訝るラウ

これ又高評価!勝負の行方は?

協議の間観客も試食

「そういやあ、女王様は食べなかったね。審査はしないのかな?」ラウ
「お体の事もあって審査は避けたんだろう。だが気になったカリーを試食される可能性がある。それによって審査員達の心証も変わるだろう。ロイヤルワラントの行方は陛下の御心次第だ」シエル

圧倒的な人気に気を良くするウエスト
油断は禁物とアグニ。セバスチャンのカリーパンも…
気にする必要ないとミーナが…
万が一王子に遭ったら…と案じるアグニ
もう遭ったとミーナ
まさか…
ウエストの首に腕を絡め嗤うミーナ

カーリー神像の前に立つソーマ
「アグニ…お前は知っていて俺とミーナを会わせまいとしてくれたんだな」
「何をしている?お前の執事が戦っていると言うのにお前は逃げだしたままか?」シエル
「反省していたんだ。俺は何も知らなかった。否知ろうとしなかったんだ。ミーナの気持ちもアグニの思いも」
「それが分かっているなら何故ここで止まっている?考えるんだな。自分のために戦った執事に主は何をすべきかを」
「シエル…」
そこに使用人達
「いたいた!王子様」
「もう試食が始まってますだよ」
「早くしねえと食いっぱぐれてしまうぜ」
差し出すカリーパン
「旨い。お前達のカウンサマーのカリーパンはとても優しい味がするな」

血涙を流すアグニ
何故?と問うアグニ。あれ程王子に御心がけを頂き楽しそうだったのに
バラモンを捨て執事をしているアグニには分からないとミーナ
「では私は何のために」
「知らないわよ!そんな事」

(そうよ!私は成りあがってやるのよ。男も何もかも利用して!)
カリーの一つに吸い寄せられるミーナ

「ファントム社、セバスチャンシェフ。陛下がカリーパンをご所望です。こちらに一つお願いできますか?」陛下の従者
頷くセバスチャン
どよめく観客
「どうぞ。女王陛下」
「陛下宣わく、ナイフもフォークも使わず子どもでも食べやすい様配慮されてますね。これは富める者も貧しい者も大人も子どもも等しく平等に優しく清らかな国を目指す私の理想そのものです。子ども、未来を大切にする優しい姿勢に陛下はいたく感動されています」従者
「笑わせるんじゃないわよ!甘い、甘過ぎるわ!平等?未来?こんな豊かな国の何の苦労もしてない女王がよく言うわ!」と突然豹変し皿を払い落すミーナ
陛下の御前だと止めるウエストだが肘鉄喰らわされ飛んで行く
「取り押さえろ!」警官
「お黙り!カリーはね辛くてナンボなのよ!」暴れるミーナ
「おお!おお!流れる様な足の運び誘う様な腰つきその姿まさにカーリー神の如し!」
悶えるドルイットだが…

ミーナ同様豹変する人々
陛下に駆け寄ろうとするセバスチャンだが阻まれる
「臭うぞ」「憎悪と欲望」「穢れの臭いが!」
「不浄で消せ!」
豹変した人々がシエルを囲む
お玉一つで撃退するセバスチャン
「カーリーに狩られる阿修羅を洒落込むつもりですか?」
「女神の持つ生首になるのは悪魔の仕事だろう?セバスチャン神話を覆せ!あのカーリーを止めるんだ」
「イエス!マイロード」

インド人の女が暴れだしたと聞くソーマ

暴れる人々と押さえようとする警官
暴れるミーナとお玉だけで対峙するセバスチャン
「中々やりますね。流石は悪魔を狩る女神」

「ミーナ…」
ソーマに気付いたアグニ
「王子!」
「アグニ」
アグニの背後から襲いかかる料理人
「私はフレンチのシェフなんだ!辛いのは苦手なんだ!」
「失礼」左裏拳一撫で倒すアグニ
「これは一体?」
「分かりません。ミーナや観客達の一部があのカリーを食べたら…突然」
指で掬って舐めるソーマ
「カリーマ…父上に聞いた事がある。人の心に巣くう闇、欲望と穢れに反応し人を鬼神に落とす禁断のスパイス」
ミーナが抱えていた心の傷を思うソーマ
「魔のスパイスに飲まれたのならそれは…」
「分かっている…今まで孤独もミーナの事も全て人の所為にしてきた。そんなガキを誰も愛してくれる筈がない。でもこんな俺でもお前はずっとそばにいてくれたんだな」
涙が流れるアグニ
「今まで気付いてやれなくて済まなかった。これからも俺のカウンサマーでいてくれるか?」
頷くアグニ
「ミーナを止めろ!」
右手の包帯を解くアグニ
「嘗てこれほど気持ちが高ぶった事があるだろうか?今私は私の神と一つになった!」
周りの雑魚を薙ぎ倒し「助太刀致します」
「ほお。更にパワーアップしてますね。何かありましたか?」
「はい。今の私は無敵です!」笑顔のアグニ
「では右の二人をお任せします」
「はい!」

「良い執事をお持ちですね。これでは私の出番は無さそうです」従者
振り向くシエル
「しかし妙だとは思われませんか?あれがスパイスの力だとして何故一部の人間だけがああなっているのでしょうか?話の通りなら他にも大勢暴走しそうなもんですが。真に清らかな完全なる人などこの世界にはいないと言うのに」

試食の様子を思い出すシエル

突然ミーナが女王に!
立ちはだかるソーマ

カーリー神に踏まれるシバ神

(カーリーを沈めるにはこれしかない)
「さあ来いミーナ」
足もとの海老を踏んで滑るミーナ
「ソーマ様!」
「許せ!ミーナ」
踏むソーマ
「セバスチャン!カリーパンだ。お前のカリーパンを食わせろ」
「御意!」
襲い来る人々の口に放り込むセバスチャン
(悪魔の作った優しいカリー。奴らしい死ぬほど性質が悪いジョーク。だが奴が優しさを込めると決めたなら、それは、その力は、完璧な筈)
「食らいなさい!」
ミーナにも
元に戻っていく
正気に戻ったミーナを心配そうに見つめるソーマ
「ソーマ…やっぱりあんた、最低…」倒れるミーナ
「陛下宣く、魔のスパイスに打ち勝ち悪鬼と化した人々まで癒してしまう優しさに満ちたカリーパン。ロイヤルワラントの行方は決まりましたね」従者

怪我人を担ぎ、片づける人々
担架で運ばれるミーナ

「連中の扱いは如何なる?」案じるシエル
悪い様にはされぬ筈と従者
「今日は格段の働き、またロイヤルワラントを手に入れた事お喜び申し上げます。陛下より労いの言葉を賜りました。
陛下宣く、心配をかけましたね。あなたの働きはずっと見てます。私は光、シエル様は影。立場は違えど願いは一つと存じます。
これからも陛下の御為に力をお貸しください」去る女王と従者

「ありがとうシエル。お前に会わなければ俺は世間知らずで我儘なガキのままだった。これからはもっと沢山の事を知ってイギリス中を否世界中を見て回って誰にも負けないくらいイイ男になってみせる」ソーマ
「セバスチャン殿。私も王子もあなた方からたくさんの事を教えていただいた。何とお礼を述べればよいか…」アグニ
「顔を上げてください。私は私の事情で戦ったまで。お礼を言われる事など何もありませんよ。あなた方が信じるカーリー神もシバ神も双方の痛みを持って過ちに気付く事が出来た。今のあなた方の様に。それに痛みを伴わない経験は身にならないと申しますしね」とアグニの手を取り立ち上がるセバスチャン
「我が国の教えを英国の方に教わるとは…お恥ずかしい限りです」
「国など関係ありません。何処に居ても何時の時代も同じ様なものです。人間なんてものはね」
「そうですね。ガンジスの畔で見る夕日も英国で見る夕日も変わらず美しい様に」
シエルを抱きしめ泣き出すソーマ
「ミーナ、ミーナ!」
「離せ!」シエル
「本当に英国に来て良かった。私も王子も最高の友人に出会えました」
アグニ

「友人…ですか?そんな事を人に言われたのは初めてです」目を丸くするセバスチャン



坊ちゃん。本当によろしいのですね。
私が坊ちゃん以外の主人に傅く事になっても
着替えはお一人で出来ますか?
歯磨きは奥歯の裏までしっかりと
ああ、そうだ
夜中手洗いに行けず駄々を捏ねたりなど言語道断ですよ

次回「その執事、孤城」





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最終更新日  2009年01月23日 14時02分41秒
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