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2009年11月04日
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カテゴリ:アニメ
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アイキャッチ(背中に陣が描かれた今のリザ)


「教えて下さい少佐。国民を守るべき軍人が何故国民を殺しているのですか?人に幸福を齎すべき錬金術が、何故人殺しに使われているのですか?」
悲しげなリザの瞳に答えられないロイ
「それが国家錬金術師の仕事だからです。何故国民を守るべき軍人が国民を殺すのか?それが兵士に与えられた任務だからです。違いますか?」話に割り込むキンブリー
「割り切れと言うのか?この惨状を」
「そうですね。例えば…お嬢さん、私は嫌々やっている。そういう顔ですね?」
俯くリザ
「相手を倒した時、当たった!よしと自分の腕に自惚れ仕事の達成感を感じる瞬間が全く無いと言いきれますか?狙撃手さん」
怯えるリザ
「それ以上言うな!」胸倉をつかむロイ
「私からすれば、あなた方の方が理解できない。戦場はそもそも敵を殺す場所です」
怯むロイ
「その覚悟もなしに軍服を着たのですか?死から目を背けるな!あなたが殺すその人々の姿を正面から見ろ。そして忘れるな。敵もあなたの事を忘れない」
周囲にはたくさんの死体
鐘の音
「おっと、時間ですよ。仕事に行かなければ…」
「俺も行かなきゃな。じゃあな!ロイ」手を振り立ち去ろうとするヒューズ
「ヒューズ!お前は何故戦う?」
「簡単だ。死にたくねえ。ただそれだけだ。理由は何時だって単純だよ」

手袋を着けるロイ
上がる大きな炎
炎の中を進むロイは自問する
(では、この戦いの理由は何だ?)

「理由…あったんだ。恐ろしい理由が」スカーに話すマルコー

銃声と呻き声
錬成陣の上に並べられた男達に電撃の様な光が走り声を上げる
白衣の男達の中に・・・が
青い錬成光に包まれ男達が苦しげに叫び出す
陣の中央に向かって赤い光が集まっていく
目を背ける・・・がハッと目を見張る
集まった赤い光は賢者の石に…
「我らの血を以て賢者の石を作ったと言うのか!?その石をどうした!」襟を持ち締め上げるスカー
「ゾルフ・J・キンブリー少佐、紅蓮の錬金術師の手に…」
紅い炎に火の粉が舞う中ニヤリと嗤うキンブリーが…
「長い黒髪を束ねた冷たい目の男か?」問うスカー
「ああ」頷く
スカーを庇った兄の姿が過る
「兄者…そして」突き倒すスカー
「戦局が、たった一つの意志で変わった」


指に摘まれた赤い結晶
黒煙が上がり爆発音が響く
「ああ…良い音だ。体の底に響く…実に良い音だ。脊髄が悲しく踊り、鼓膜が歓喜に震える。それも、常に死と隣り合わせのこの地で感じる事の出来る喜び…」
紅い結晶を咥えるキンブリー
「何と充実した仕事か!」
ニヤリと嗤い両掌を合わせ…キンブリーが立つ屋上から下に向かって紅い光と共に壁がボコボコと沈む様に穴が開いていく。
紅い光は人々を飲みこむ様に進み…スカーも…
「うむ。良い音だ!素晴らしい!!賢者の石!!!」


カップを置くリザ
「殲滅の完了は時間の問題だったわ。その時、イシュバラ教の大僧正ログロウが同胞のために大総統の前に立った」

「ほお!貴様一人の命で残り数万のイシュバール人を助けろと?」大総統
「如何にも。私は…」大僧正
「自惚れるな。貴様一人の命を残り数万の命とで同等の価値があると?大概にせよ、人間。一人の命はそのもの一人分の価値しかなく、それ以上にもそれ以下にもならん。替えはきかん!殲滅も止めん!」
申し出に応じない大総統
「この人でなしが!」「神の鉄槌が下るぞ!」大僧正に従ってきた者達
「神だと!?さて不思議な。この状況で未だ私に鉄槌は下らぬではないか?後何人?否何千人イシュバール人を殺せば下るのだ?」
「貴様!」
「神とは所詮人間によって作りあげられた人の手によるものに過ぎん。私に鉄槌を下したくば神の手なぞ借りず自らの手で行え!人間」

「やがて、戦いは終わり、私達は故郷に帰れる事になったわ」リザ

「結局、俺達兵隊はゴミみたいなもんか…」ヒューズ
「ああ…一人の力等たかが知れている。ならば私は自分で守れるだけ、ホンの僅かで良い。大切な者を守る。下の者が更に下の者を守る。小さな人間なりにそれくらいは出来る筈だ」ロイ

ロイの前に現れるリザ
「イシュバールであんな思いをしたのに、結局この道を選んだのか?」
「はい。錬金術が言うとおり、この世の理が等価交換ならば新しく生まれて来る世代が幸福を享受できるように、その代価として我々は屍を背負い血の川を渡るのです」
「君を、私の補佐官に任命する。君に私の背中を守ってもらいたい。分かるか?背中を任せると言う事は何時でも後ろから撃てると言う事だ。私が道を踏み外したら、その手で撃ち殺せ!君にはその資格がある。ついてきてくれるか?」
「了解しました。お望みとあらば、地獄まで」

飲み干されたカップ
「でも、大佐が軍人のトップになってもこの国が軍事国家であることには変わりないじゃないか」エド
「そうね。今はほぼ軍の傀儡となっている議会をあるべき形に戻し、民主制に移行する。軍事国家時代の膿を全て絞り出さないと、この国は新しくならない」リザ
「膿?」
「例えばイシュバール殲滅戦の戦争犯罪者人を裁く事になるかもしれない」
ハッとするエド
「そう。乱世の英雄は平和な世においては只の大量殺戮者よ」
「大佐はそれを承知で上を目指してんのか?そんなの自滅の道じゃないか!?」
俯くリザ
「あの内乱の裏で糸を引いていたのはホムンクルスだろ?」
「原因がホムンクルスだとしても、実行したのは私達よ。死から目を背けてはいけない。殺した人々は忘れてはいけない。何故なら彼等は殺した私達の事をけして忘れないから」
エドのオートメイルの手に力が籠る
「でも!」
「私達の心配をする前に、やる事があるでしょう?」微笑むリザ
顔を上げるエドに
「アルフォンス君もあなたも、元の体に戻る事。たくさんの人達がその日が来るのを待ってくれてる筈よ」
しばし眼を瞑り、うんと頷くエド

「絶対戻ってみせる。アルと一緒に…」


「ノックス先生、お邪魔しました!」アル
「あの、鎧さん!」肩にシャオメイを乗せたメイ・チャン
「ん?」
「色々助けていただいてありがとうございます」
メイの目線に合わせ体を屈めるアル
「鎧じゃなくてアルフォンス・エルリック」
「エルリックって」
「エドワード・エルリックっていたでしょ?」と自分の胸の辺りに掌をやり
「小さい錬金術師。僕、アレの弟なんだ。訳あって体を持って行かれちゃったけど」
「アレの弟って事は、アレにそっくりなのかしら…」
火を吹くアレを想像するメイとシャオメイだが
「失敬な!兄さんよりうんと身長高いに決まってるだろ!顔だってあんなにきつくないし!喧嘩だって兄さんより強い!でも、短気じゃない。ジェントルマンさ!」背筋を伸ばすアル
「ああ…アルフォンス様~!」
バラの花束を手にキラリと微笑むジェントルマンなアルを想像するメイとシャオメイ
「ん?」
「早く体が戻ると良いですね」キラキラメイ
「うん。そうだね」頷くアル


ED


ドアをノックするエンヴィー
「マルコー先生、ごはんですよ~」
皿を手にエンヴィーがドアを開けると中は暗く
「あれえ?静かだねえ。又イシュバールの事を思い出して泣いてんの?…え?」
ハッとするエンヴィー
壁に血で書かれた文字と顔が判別できないマルコーらしき死体が…





白い悪魔は野に放たれた
ここから始まる新たなる戦い
だが少年は怯まない
希望を目印に再び歩きだす

次回、第31話「520センズの約束」

共に戦った者だけが分かる世界がそこに、ある

エンドカード(エドを出迎えたパジャマ姿で穏やかに微笑むリザ)




ED





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最終更新日  2009年11月04日 12時10分50秒
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