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カテゴリ:本
電脳コイル(10) 宮村優子 著 磯光雄 原作 板津匡覧 カバーイラスト (2009年12月31日初刷 徳間書店)
今より少しだけ未来の201X年。 小学生の間では、ウェラブルコンピューター《電脳メガネ》が大流行していた。 この《メガネ》をかけると、必殺技を手に入れたり、電脳ペットを飼ったり、子ども達だけのとびきり刺激的な秘密の遊びをすることができるのだ。 ただし、《メガネ》を楽しめる時間には限りがあって……。 イサコが遂に"あっちの世界"への扉を開いた! その噂は大黒市の小学生達にまたたく間に広がった。 その上、イサコは"あっちの世界"にアクセスすることには失敗し、消えてしまった入り口はいまも町のどこかに残っているらしい……。 ミチコさんに会いたい! その入り口を必死で探すイサコやハラケン、そして大黒市じゅうの小学生たち。 そんなとき、京子とふたりで留守番をすることになったヤサコが、家の廊下で見たものは……!?(裏表紙より) はざま交差点近くの廃ビルの中庭。 蓄積してきたキラバグが臨界点に達し、あっちの世界への通路の入り口を開いたイサコの前に連れてってくれと原川研一が現れる。 邪魔をしないでと拒むイサコだが、敵の情報と引き換えにと粘るハラケン。 イサコの頭に声の存在が過るが… 微かな電子音が聞こえあれだと呟くハラケン。 青白いメタリックな輝きを放つキューブが現れ光線を放つ。 新型だ。新型サッチー。 応戦しようとするイサコに通路が破壊されると止め廃ビルの外に出る様指示するハラケン。 廃ビルから離れ中古車センターに向かうイサコに新型が迫る。 電脳壁を投げるもまたたく間に破る新型。 空間の綻びを見つけ電脳弾で陽動し神社へ移動したイサコの指電話が鳴る。 新型は神社も学校も私的ドメインにすら平気で踏み込み攻撃する! ガチャギリの忠告と同時に新型が!? 一旦は外に出たハラケンだがメガネを切る事でイサコを囮にし一人廃ビルに戻ろうとする。 そこに別の1体が現れるが、新型の弱点を突き、かわすハラケン。 廃ビルに戻りハラケンがあっちの世界への入口である闇に踏み込もうとするとどいて!とイサコが戻ってくる。 入口を安定させるためイサコが残りのキラバグを注ぎいれ、闇は鍵穴を形どる。 あっちの世界ではハラケンの電脳体ではいくらも生きられないだろうに、何故失くした幼馴染に会うことがそれほど大事なのかと問うイサコ。 では失った兄を取り戻す事が何故それほど大事なのか?と問い返すハラケン。 そこに再び新型が近づき入口を開く暗号式を攻撃、鍵穴が!? 慌ててハラケンが足を踏み込むと今は危ない!と止めるイサコ。 心配して来ただろう誰かの声も… 足を伝い闇から這い上る温かい感触、青白い光の奥に影が!長い髪、細い肩…カンナがあそこに! ハラケンを止めるイサコと誰か。 例えこの身を邪悪なものに奪われるとしても、カンナに会いたいと願うハラケンだが… 翌日、何時もとは違う何かを感じるヤサコ。 いつもは表立っては動かないイリーガルが登校途中の道をうろうろし、空では電脳鳥が威嚇し、足下は沈むように頼りない… 何か起きている… 昼休み、ヤサコを呼びだしたフミエとダイチはアキラとガチャギリからの情報だと、昨夜イサコとハラケンが通路を開いたが新型サッチーに阻まれ失敗した事を知らせる。 根拠はないが再び通路の入り口は開くと考えているフミエ。 登校途中にある信号の切り代わりの異常な早さ、何時もとは違うイリーガルの出現…町に電脳的な何かが起きていてそれはイサコが通路を開いた事が原因。 しかし、イサコへの反発を呷っていたのに寝返ったハラケンと、手伝った自分達には言わず一人で扉を開けたイサコにアキラは裏切られ傷ついているとも… デンパやナメッチにさえ通路が開いた事は言わなかった筈なのに… イサコが通路を開いた事はネットを通じまたたく間に大黒市中の小学生に知れ渡る。 ハラケンがその場にいた事までも… ミチコさんを求める同級生達がヤサコを待ち伏せイサコに頼んでくれと迫る。 欠席したままのイサコとハラケンは追跡を避けながら再び開く筈の通路を探す。 そんなある日。 父は仕事で泊まり込み、メガばあは秘湯巡り、母はメガばあに代わってトメさんの見舞いに出かけ、ヤサコと京子が二人きりで留守番をしていると庭に誰かが… 京子が見たモノは一体?ヤサコに迫ってきた子どもか?それとも? そして突然京子が姿を消し… --------------------------------- 昨年のクリスマス前の頃に刊行された小説版電脳コイル(10)。 家族の冬休みを挟み思う様に感想が書けなかったのですがようやく読み返し書くことが出来ました。 といっても、小説版ならではの展開にちょっと動揺。 取りあえず思いつくままに…と言う訳で後で思いついて追記するかもしれません。 イサコがとうとう通路を開きました! 一旦は新型の邪魔が入り失敗。 ハラケンが現れなかったらイサコはあっちの世界に行けたかもしれませんが入っている間に新型に消されていた可能性を考えると… ハラケンもイサコも許せるガチャはやっぱり良い。 意識を失ったハラケンを担いで行く所もカッコイイじゃないですか。 イサコのお礼に反応する所も良い!(驚いて鼻を掻く姿が目に浮かぶ様ですよ) 一旦は消えた入り口。 通路を開いた事はごく一部の者しか知らない筈なのに…ネットに情報を流したのは一体? イサコに指示を出す"声"なのでしょうか?それとも? ミチコさんを求める子ども達。 メガネが永遠に使用できるように願っている子がいましたが… メガネに振り回されるよりナマの実感を選ぶイイジマが黒いんだけど悪くない。 アニメ版同様、今回あっちの世界に入ったのはヤサコの家で京子とデンスケ、廃ビルでハラケンとヤサコ。 何故か空間に拒まれ入れないイサコ。 イマーゴも技術も持ち、耐え得る訓練もしてきたのに、兄に会うために自分が開いた通路なのに。 空間に入れるのは選ばれた人間。 今回イサコが入れなかったのは電脳体が疲弊していたためと考えた様ですが… イマーゴを持つ?京子はヌルに攫われ、イマーゴを持たないハラケンはイマーゴを持っていた?カンナのメガネに残された記憶を使って、ヤサコはヌルに感染する事で(キャリーでなくキャリアなのね)電脳体を本体からずらしてあっちの世界へ… 電脳霧がたちこめヌルがわらわら現れ抜け殻の京子が残され…近未来SFからホラーな展開は(あまりの恐さに夢中で見ていた子どもが目を覆った?)アニメ版に負けず細かい情景描写とヤサコの心の声で盛り上げます。 ヤサコとフミエ頑張りました。 デンスケ大活躍ですが、ここは動きのあるアニメの方が良いのは仕方ないですね。 夜祭りの屋台の場面でマリリンマリーンが絡んでくるとは…(次回予告によればもっと絡んでくるみたいですし) デンスケが京子を連れてくるのを帳場の裏の廊下で待つ間、ヤサコはタラちゃんの声を聞いた様です。 プロローグからするとタラちゃんも又あっちの世界を知っているようですが… 今も空間の異変を感じている?それともあっちの世界にいる? 西陽海の灯台で何が起こったのか?次回は語られるのでしょうか? あっちの世界に入ったハラケンを観察させる"声"。 ハラケンが戻ってこれなくなったらどうするつもりだったのか? 誰も巻き込まず一人で行動しようとするイサコなので、犠牲にしたいとは思わないだろうし、もし"神隠し"になったとしたら…小学生に背負わせるには重過ぎます。 ハラケンがカンナの事で何度か立ち直りそうに見えてその度引き戻されたのにはどれだけ傷が深いのかと思ってましたが… あのハラケンとイサコの出会いの場面がくり返されこう来るとは… そういえばイサコの事をよく観察していなければ気付かない描写も多かったですね。(三番目のユウコ通信に書かれていたのはこれですよね?確かに衝撃でしたよ。動揺しました) ヤサコは何故ハラケンの気持ちに気付いたのか?も気になります。 本当のカンナを見つけちゃんとお別れできたハラケンがこの後どうするのかも気になる。 イサコのサポートに回るのか?(ガチャと一緒なら最強のサポートだなあ) それともアニメ版と同じ展開になるのならイサコを取り戻すヤサコをサポートするのか? ヤサコ強い。 アニメ版も終盤メキメキ強くなりましたが… 京子を守りたい!タラちゃんを探したい!ハラケンを連れ戻したい! 挫けそうになってもイサコの呼びかけに力を得て自分で戻ってきたヤサコ。 フミエちゃんの家に行ってる事になってますがあの後どう切り抜けたのでしょうね。 待ち伏せる同級生達から最強の背中と本音でヤサコを守り、躊躇う事無くイサコに電話してヤサコを託すフミエも強い。 必要ならば拘らず割り切るようになったフミエに成長を感じます。 今回はタマコもメガばあもアドバイスだけ。 タマコにはタマコにしか探しだせない仲間がいますし、メガばあにはメガばあが突き止めなければならない電脳空間の異変がある様です。 最後には合流か? "声"の正体と兄の生死が気になりますが…ヤサコの父も… 今回予想よりも刊行されるのが早くて驚きましたが、次巻の刊行予定は3月。 前回は冬と予告されていたので今回はもう目処が立っているのかな? 4月に出たとしても良いペースだと思う。 何巻まで続くかわかりませんがポンポンと出てくれるとうれしいです。 アニメ版で起きた大きな出来事は小説版にも出てくるようなので次はイサコ? 兄とはどう言う形で会えるのか? 予告によればヤサコはタラちゃんの行方を追うためマリリンマリーンと接触を試み、タマコは仲間に会うため西陽海に向かう様ですが…ミチコさんを求める小学生が暴徒と化す!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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