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眠りの底の物語 [全224件]
過去記事編集 鬼羅の歌 歌声。 歌が聞こえる。 この街にふく風が 歌っている。 ここは 山をけずって できた街。 百年前は山だった。 五百年前は深い山 千年前は 深い深い山だった。 ここが 深い深い山だった頃の話。 鬼神が 山の精気を吸うためにやってきて 樹々の間を 駆け抜けた。 鬼神が通り過ぎた後に 小さな竜巻が 起こった。 落ち葉や木の実を 巻き上げて クルクルおどる。 竜巻がおさまった時 そこに 鬼の子がいた。 鬼羅は こうして 生まれた。 生まれたばかりといっても鬼の子 鬼羅はすぐに地をかけまわり 樹の枝々を飛び回った。 腹がへれば 野うさぎやヒヨドリ木の実を 食った。 のどが渇けば地に耳をつけ 湧き水を探し のどをうるおした。 ある日 冷たい湧き水に口をつけていた鬼羅の耳に 何かが聞こえてきた。 小鳥のさえずりでもない 獣の鳴き声でもない。 はじめて聞く音色に 体の奥を ぎゅっとつかまれたような感じがした。 音は ゆっくりと 近づいてくる。 怖いものなどあるはずもない鬼の子なのに 体がドクドクとなる。 鬼羅は 樹の上に隠れ 茂る葉の間から目玉をぎょろつかせた。 やってきたのは 人間の男の子だった。 年は 十かそこら。 男の子は 澄んだ声で 歌っていた。 鬼羅をドクドクさせたのは その歌声だった。 鬼羅は 人の子を見たのも 人の歌を聞いたのも はじめてだった。 男の子は 鬼羅と同じように 湧き水に口をつけると のどをならした。 腰にぶらさげた筒にも 水を入れる。 そして また 歌いながら遠ざかっていった。 鬼羅は 樹の上で 縛り付けられたように動けないでいた。 その夜 鬼羅の耳の奥で 男の子の歌声が響き続けた。 体の内はドクドク鳴りつづけ カアッと熱くなったかと思うと 冷たい刃物のような風がふきぬけたりした。 心の臓と腹の臓がいっしょくたに絞られ 痛んだ。 夜が明ける頃 鬼羅は決めた。 自分をこんな目にあわせた男の子を 探そう。 探して食ってしまおう。 鬼羅の腹が ぎゅるるぅと喜んだ。 鬼羅は獣のように 四つんばいになり 地に鼻をつけ 男の子の匂いをたどった。 太陽が昇りきる頃 山のふもとに 小さな畑と小屋をみつけた。 また あの歌声が聞こえる。 芋の葉が広がる畑に 男の子がいた。 腹が ぐるうっ とせかす。 鬼羅は 男の子の背に しのびよった。 鬼羅を 歌声が包んだ。 歌声が 鬼羅の内へ しみこんでくる。 馬酔木の花を食ったように からだがふわふわと頼りなくなる。 でも 悪い気分じゃない。 もう しばらく 聞いていたい。 歌声が 止んだ。 男の子がふりむき 鬼羅と目をあわせた。 「だれだ おまえ」 と 男の子。 「鬼の子 鬼羅」 「ふーん おれ 耕。 なんか用か」 おあずけをくった鬼羅の腹が ぎいっ と 怒っている。 鬼羅は それをおさえつけた。 もっと 欲しい物が あった。 「おまえのさえずりが ほしい。 さえずってくれ」 「さえずり? ああ 歌のことか。 歌うから 芋掘るの手伝ってくれや」 耕は 袖口でひたいの汗を拭く。 「ふん」 鬼羅は うねに生い茂る芋の葉を ぎろりとにらんだ。 それから右足で地を ズンッと 踏みたたいた。 と 芋の葉はいっせいに飛び上がり ころころした芋が葉につられ 土の上に飛び出した。 「へっえー たいしたもんだなぁ」 耕は 目を丸くした。 「歌」 鬼羅は催促する。 「おう」 耕は 土の歌を口ずさみながら 芋を 集めた。 鬼羅は 毎日 耕の畑を手伝った。 耕は 毎日 鬼羅に歌った。 「なんで 自分で歌わない?」 そう問われて 鬼羅は驚いた。 「あたいは 鬼。 泣いたり 歌ったり できない」 「鳥だって 狼だって 歌う。 鬼羅だって 歌えるさ」 「歌えない」 「教えてやるから 歌ってみろ」 耕は 鬼羅の目をのぞきこみながら ゆっくりと ひと節 歌った。 ほら と つつかれて鬼羅が真似る。 鬼羅の口からでるのは 枯れ枝をこすり合わせる音ばかり。 鬼なんだ。 歌えっこない。 歌おうなんて 思わない。 耕の歌があれば それで よかった。 鬼羅は 夜は決して 耕のところへ行かなかった。 月の光は 命の性(さが)を目覚めさせる。 押さえ込んでいる鬼の性が目覚め 耕を食いたくなる。 けれど その夜 山深くひそむ鬼羅の耳に 耕の悲鳴が届いた。 むささびのように夜の樹々を飛び 耕の畑にたどりついた鬼羅に月の光が注いだ。 凍りつくような 冬の満月。 「おっかあが 死んだ」 そういう耕の目から 涙があふれる。 鬼羅の全身が震える。 あの涙にぬれたほおに 喰らいつきたい。 耕が白い息を吐き出す。 悲しみに上下する心の臓が欲しい と 鬼羅はみつめる。 耕 耕 おまえを喰らいたい。 肉の一片 髪の一本 血の一滴までも 残すまい。 骨の最後のひとかけらまで 大切にしゃぶりつくそう。 いとおしんで いとおしんで おまえをわが身にいれたい。 鬼羅の目が 赤く燃え立つ。 腹が 耕喰いたさに ねじれてあばれる。 よだれが糸を引いて 地に落ちる。 鬼の牙が ぎらりと 月光をはねかえす。 鬼羅は ぐわりと口を 開けた。 刹那。 鬼羅の暗い心の奥底で 何かがはねた。 川面に跳ねる魚のように 一瞬光って また闇へと消えた 耕の歌声の破片。 耕を喰わせはしない。 鬼羅は牙を おのれの腹に突き立てた。 腹は裏切りに怒り すさまじい痛みとなって 鬼羅を襲う。 けれど 鬼羅はもっと怒っていた。 腹を喰いちぎり 噛み砕く。 腹のあった場所に 大きな穴が開いた。 さえざえとした月光を受けて 鬼羅が立っていた。 ぽこりと開いた穴を通して 暗い山がみえた。 鬼羅は 腰をぬかし 息もつげないでいる耕に言った。 「どうってことない。 鬼は千年を終えるまで死なないんだ」 そして 風をきり 山奥へもどった。 鬼羅は 丸二日を 眠りとおした。 三日目の朝 腹の穴はふさがっていた。 鬼羅は伸びをし 新しい腹に手をあてる。 新しい腹は 耕を喰いたがってはいなかった。 鬼羅は 耕の畑へ行った。 「歌ってくれ」 耕は 歌った。 鬼羅は 満月に夜に おのれの腹を喰っていらい 何も喰わなくなった。 喰いたくなかった。 飲みたくもなかった。 耕の歌だけが 欲しかった。 耕の歌だけが 鬼羅を 満たした。 ある日 また 耕が言った。 「鬼羅 歌ってみろ」 鬼羅は 怒った。 「あたいは鬼。 千年たったって 歌えやしない」 耕は 辛そうな顔をする。 「おれは人の子だ。 あと五十年かそこらで おっ死んじまう。 おまえに歌ってやるもんが おらんようになる。 鬼羅は こんなに 歌が好きなのに。 歌は 聞けば心があったこうなる。 歌うともっとええんだ。 さみしい時に歌えば ひとりでなくなる。 うれしい時に歌えば 誰かにうれしさをわけてやれる。 悲しい時に歌えば 力がわいてくる」 鬼羅は 氷柱を飲み込んだようだった。 たったの 五十年。 それっぽっちで 耕が消える。 耕の歌を 失う。 失う。 鬼羅は あえいだ。 「鬼羅 おれが死んでも おれの歌忘れんな。 きっと 鬼羅は歌える。 おれは 歌になって おまえのそばにおる」 鬼羅は うなずいた。 時が流れた。 耕は 畑をたがやし 種をまき 芋を作り 菜っ葉を育て そして 鬼羅のそばで歌い続けて 死んだ。 鬼羅は つめたくなった耕のかたわらで 約束どおり 耕の歌を思い出し 真似た。 畑の土は固くなり 山の草が茂り 山の木の芽がのびた。 やがて 耕の体は崩れ 山の土となった。 鬼羅は その土に根をはった一本の木のように そこを離れなかった。 喰うことも飲むこともせず ただ 耕の歌を繰り返した。 さらに 長い長い時が 過ぎた。 鬼羅は 耕が土にかえった同じ場所で 一陣の風にもどった。 この街に 吹く風は 鬼羅の風。 澄んだ男の子の声で 歌う。 鬼羅が覚えた 耕の歌。 千年をかけて 歌えるようになった。 あの歌を聞くと どんないさかいをしている者だって 胸がきゅーんとして けんかを続けられなくなる。 ほら 鬼羅が歌ってる。 完 (1997年)ING童話コンテスト審査委員長特別賞受賞作 (審査員長は小椋佳さん) 写真byげこる「げこるでつくる」 Last updated 2009.06.25 10:22:23
14年前の1月17日に亡くなった 加藤貴光さん。 彼が生前 お母様に宛てた手紙に 音楽家の奥野勝利さんが曲をつけ 歌われています。 私が この手紙で彼を知ったように 加藤貴光さんのこと 知ってもらいたくて。 こちらからどうぞ「親愛なる母上様」 Last updated 2009.01.21 17:17:26
「出会うに時あり、別れるに時あり」 という言葉を 今年 出会った方に 教えていただきました。 今年は 出会いの年でした。 多くの そして 孤独を抱くからこそ 大切な。 年を重ねて やっと 気づくことの多いこと ( わたし 奥手なもので ) 縁あったみなさまに 感謝 みなさまの 幸を お祈りして 2008年 グッバイ あにき ひげが 折れてますが おーよ 世の中の荒波を潜り抜け ってやつよー (浮き袋完備だぜ?) (美しい緑のタオルなんだけど色をうまく写せない(;;)) Last updated 2008.12.30 23:36:30
ええ お探しの蛙は この沼に ![]() その右腕得れば 言葉の才あふれ 左腕得れば 類まれなる器用さを 右足得れば 料理名人 左足得るなら 水世界を支配 ええ 伝説の蛙は 確かに でも お気をつけあそばせ 決して声を 聞いては いけませぬ かの歌声 それは心地よく ひとたび 耳に触れれば 夢心地 かなわぬはずの夢の中 なにより求める夢の中 気づいてはならぬ夢の中 歌が終われば 消える夢 消える夢を追えば 沼の底 ああ 水に広がる黒髪哀れ なれど 蛙を求める者 後をたたず つい 先ほども 花のかんばせ三姉妹 あ 今 悲鳴が あなたも お聞きになりまして? あれは 夢失った 花の悲鳴か それとも 手足をもぎ取られた・・・ ![]() それは そうと げこるさん (写真は げこるさん制作。撮影) Last updated 2008.10.31 00:19:41
昨日 22222(にゃんにゃんにゃんにゃんにゃん) 踏んだのだ〜れだ ♪ ブログにお邪魔するつど いつかその町へ行きたい・・・ 必ず行くぞ・・・ と 想いを募らせている オレンジ44さん でした さぼりがちなのに 見捨てず おつきあいくださるみなさま ほんとに ありがとう ![]() (でも まだ さぼる^^;) 写真は Last updated 2008.10.25 18:56:42
神戸夢風船 ふわふわ ![]() たどり着いたのは ![]() 神戸の海と街を一望・・・そそくさ 薔薇咲き誇る庭園・・・後でね めざすは ハーブ料理60種ビッフェ (選り取りみどりの食べ放題!) 美味! おかわり しました ![]() ハーブデザート ハーブティ ![]() ハーブシャーベット いずれにも ハーブの説明あり (でもひとつも思い出せぬ) どれも 美味! お腹一杯になって バラ園 ハーブ園 山の風に 薔薇の匂い ハーブの香り 薔薇や風景やハーブの写真は後日 長姉みやびさんのとこでね。 末っ子 ここ 絶対 気に入る! と 姉ふたり (勝手に)確信 次回の3姉妹会合 神戸ハーブ園に決定! おみやげ送るからね〜 Last updated 2008.10.24 18:09:59
勉強中です ![]() ↓ 一部 拡大 第1章 デジカメを買う前に知っておこう 第2章 さっそくデジカメで撮影してみよう 第3章 デジカメでうまく撮影するための基礎テクニック 第4章 場面別・撮りたいものをよりキレイに撮るテクニック 第5章 撮った写真をパソコンに取り込もう 第6章 パソコンで写真を整理しよう 第7章 パソコンで写真を加工してみよう 第8章 パソコンで写真をキレイに印刷してみよう 『大きな字だからスグ分かる! デジカメ入門 基本のキホン編 』 ご存知Katsumiさんの 著書です。 Katsumiさんの写真に対する姿勢が にじみでた本です。 誠実 丁寧 熱意。 字が大きいだけでなく ひとつひとつ 写真をつけて 言葉を選んで。 写真が好きでたまらない先輩が 損得抜きで後輩を指導しているような そんな わかりやすくて ハートも優しい本 Katsumiさんを知らない方のために ↓ こんな写真を撮るKatsumiさんです ![]() 無心に 咲く 一途に 咲く 散る その日まで 書名 : 大きな字だからスグ分かる! デジカメ入門 基本のキホン編 出版社 : 毎日コミュニケーションズ 著者 : Katsumi 定価 : 950円(税込み) 全国の書店 及び アマゾン セブンアンドワイ で 本日 発売開始! 詳しくは こちらへね! Last updated 2008.09.26 06:41:35
かたばみの葉を渡して 目印ね 生まれる前に交わした約束 かたばみ畑で待ってたけれど 君 来ない いいの 私が 探してあげる 君は きっと うたってる 君のうたは 匂いたつ 鼻をひくひく あちらか こちらか ある日 木の下 秋の空 「かちっ」 はじける言葉 「予期もせず」 間違いようのない 「もう止まらない」 深みへ誘う この香り ![]() みつけたよ 君は 手を振るかたばみ 気づきもせずに 飛行機雲に見とれてる でも 大丈夫 ここにいると 知ったから さあ かけて行って もうひとりの妹に知らせなくちゃ 声をそろえて 言わなくちゃ 「みやびねえちゃん お誕生日 おめでとう! 」 黄文字部分は 私が 初めて出会った日の みやびさんの詩 驚いて 立ち止まり 覚えたはずなのに ・・・・ちゃんと 思い出せない 印象深い詩だったのにぁ・・・ たとえば 朝の公園で・・・ みやびさん 残ってたら 再UPしてね。 昨年 11月から12月の詩 です (みやび誕生日に 逆おねだりする次女!) という わがまま次女に答えて みやびさんが詩をUPしてくれました。 「澄ます」 ![]() 写真 by みやび by dreamrose 末妹が語る「再会 今日の日に」 弟が語る「雅じゃないけど・・・」 Last updated 2008.08.04 12:42:09
〜この一篇を dreamroseさんに捧げる〜 この恋に 嘘は まぜない PUREな花 咲かせる そう 約束した あなたと ![]() 嘘もおせじも使えなくて つまずいてばかり 傷だらけのあなたを 好きになった。 あなたにふさわしくなりたくて 嘘を捨てた。 あなたに嘘はないと 信じていた。 ただ PUREで いたかった。 押しかけたあなたの部屋で 「帰らない」 「送っていくから」 優しいしぐさが 憎い。 終わりにしようと言えない弱さは そのまま ずるさ。 薔薇一りん 棘 隠して差し出す 残酷さ。 「帰るなら一人で帰る。 二度と会わない」 あなたの優しさが あせりに変わって やがて ドアの外で女の声。 やっと あなたの嘘が はがれた。 「追いつめたおまえが悪い」 この恋に嘘はまぜない。 ひとり 心に誓って 薔薇の棘 にぎった夜。 写真by dreamrose 薔薇物語 青 薔薇物語 ぴんく(みやび) 薔薇物語 薄紅(雅やび) 私は夢薔薇(月の石) 「えっと たしか 悲恋モノが好きって・・・ 」 (無花果) 「おい これって 悲恋というより失恋・・・」 (猫風) 「ううっ 薔薇ってむずかしい・・・ 」 「お祝いに 失恋話ってかぁ〜? 」 「いや だから そこは ほら 猫風の一言があれば・・・」 「ふっ 仕方ないな」 ![]() 「dreamroseさん お誕生日 おめでとうにゃ〜」 「おめでとうございま〜す」 。 。 (で いくつよ えっ 17 ?) 休業中にもかかわらず 20000アクセス超えました ありがとうございます で その 20000 なんと dreamroseさんでした〜 ご縁に感謝感激 Last updated 2008.07.25 11:49:31 |一覧| |